saturn8

妄想小説

続・訪問者 悪夢の教団総本山


 八

 京子がその足型の部分に足裏を合わせて像を跨ぐと、すぐ目の前の壁にある十字架の像が目に入る。ちょうど真正面にその像の股間があるのだ。そしてその像の顔は少し俯き加減で、視線は京子の様子を睨んでいるように見えるのだった。
 「さ、準備が出来たようだから、階段と両側の手摺りを外しなさい。」
 巫女のうちのリーダーと思われる者が命令すると、残りの巫女たちが京子が昇っている壇上の後方と左右の台座を切り放し始めた。京子の載っている台座と両側の手摺りの付いた部分、後方の階段はあらかじめ切り放せるようになっていたのだ。台車が付いているらしく、ゴロゴロという音を立てて巫女等の手によって京子の居る壇上から取り外されてしまう。そうなると、檀の上はもう殆ど足の踏み場がなく、悪魔の像を跨いだまま身動き出来なくなってしまう。しかも高さが3mほどはあるので、落ちてしまうのではという恐怖感で膝が震えそうになる。
 「さ、そこで目の前の神に悪魔の誘惑に打ち勝つことを誓うのです。迎えに来るまで耐えるのですよ。」
 そう言うと、巫女らは揃って還俗の間と呼ばれる部屋を出ていってしまうのだった。

 還俗の間に一人放置された京子は、自分が何をやらされているのか全く分からなかった。しかし自分の身体の異変に気付いたのはそれからすぐの事だった。自分の身体の中心が妙に疼いてきたのだ。何の感覚なのだろうと訝しく思っていたが、やがてそれは下着を着けていない股間の陰唇が妙に痒くなってきているせいだと気づいたのだ。
 (どうしてあそこがあんなに痒いのだろう・・・。)
 京子は謁見の間に入る前に自分の股間を剃り直す為に渡されたシェービングジェルに特殊な薬剤が混ぜ込まれているのを知らない。その薬剤は水に触れると徐々に化学変化を起し、強烈な掻痒効果を持った媚薬に変化するのだ。その変化は徐々に起こる為、シェービングジェルのせいだとは気付かないのだ。
 (ああ、痒いっ。気が変になりそうだわ。)
 京子が気を紛らわそうと辺りに目をやると、どうしても目の前の十字架磔像の股間に目が行ってしまう。ごくんと思わず喉を鳴らしてしまう。
 (ああ、あの硬いものでここが癒されたら・・・。ああ、そんな事を想像してはいけないわ。)
 しかし、そう思えば思うほど、像の股間が気になってしまうのだった。思わず、京子は真正面のモノから目を逸らして下を向く。そしてそこにも黒光りする屹立したものが生えていることに改めて気づかされたのだ。
 (あ、ここにこれが・・・。あ、いけないわ。そんな事・・・。)
 そこで初めて京子は巫女が言っていた(悪魔の誘惑に耐える)という言葉の意味を、そして自分が半裸状態で悪魔の像を跨がされている意味を知ったのだ。
 (ああ、痒いっ。何とかしたいっ。)
 京子は痒みに身をよじらせてみたり太腿同士を擦り合わせてみたりするが肝心の痒みの中心には何もすることが出来ない。背中できっちり結び合わされた縄は京子が一生懸命指を伸ばそうとしてみても尻タブの半分くらいまでしか届かすことが出来ないのだ。
 (ああ、誰かここを掻いて、痒みを癒してっ・・・。)
 どんどん募ってくる股間の痒みに、膝を曲げて腰を落として跨いでいる像のペニスに陰唇を擦り付けて痒みを癒したいという誘惑が何度も京子の頭をよぎる。
 (いけないわ。そんな事。ああ、でも痒いっ。ああ、我慢出来ないわ。)

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る