温泉旅館

妄想小説

続・訪問者 悪夢の教団総本山


 十九

 悦子自身は総本山の大伽藍にここひと月ほど缶詰になって仕事をしていたので息抜きの休暇を貰って温泉宿に泊ってくると教団には届出をしていた。もちろん一人旅と申告はしているが、温泉宿のほうは二人部屋を取ってある。吾郎を相手に二晩は充分セックスを愉しむつもりでいたのだった。
 吾郎と示し合わせていることは内緒で、総本山の最寄りのバス停で自分の車を使って吾郎を拾うとそのままそこから一時間ほど山を下ったところにある海岸沿いの温泉宿に直行したのだった。悦子は教団内の総本山建屋で車を使うことを許されている数少ない存在だったのだ。
 宿に着くと、知恵遅れの吾郎に代わって悦子自身が宿帳に「悦子 吾郎(弟)」と記載する。ホテルのフロント係はちょっと怪訝そうな表情を見せかけたが、すぐに営業スマイルに戻って知らぬ振りをする。
 「アタシは部屋風呂を使うから、アンタは大浴場に行って身体を洗ってきなさい。他に誰も居なかったら、浴場の剃刀でアソコの毛を剃ってくるのよ。まあ、誰か居ても隅の方でこっそりやれば判らないからね。」
 「はあい。わかりましたです。いってきますう。」
 呑気そうにそう言うと、部屋の手拭を持って大浴場へ向かう吾郎を見送った悦子だった。
 「アタシも少し伸びてきてるから、剃りあげとこうかしら。」
 普段からシモの手入れは欠かさない悦子だったが、本番前の気持ちよいシックスナインを愉しむには剃毛は不可欠だったのだ。

 暫くして戻ってきた吾郎は、久々の長湯にさっぱりしてきたようだった。
 「どう、誰か居た?」
 「はい。ひとりだけ先に居ました。湯船に入るまえにいつものお祈りを東西南北に向かってやってたら、変な目で見られました。」
 「アンタ、バカね。こんなところでお務めなんかしなくていいのよ。教団の者だってバレちゃうじゃないの。ま、いいわ。こんなところに教団から温泉に浸かりに来てるなんて誰も思いやしないだろうからね。で、あそこ、ちゃんと剃ってきた?」
 「あ、はいっ。これでどうですか?」
 吾郎はいきなり浴衣の前を肌蹴て下着を着けていない股間を露わにする。
 「きゃっ。いきなりっ。露出変態みたいな事しないでよ。ま、でもいいわ。夕食の前に軽く一回しとこうかしら。ほら、こっちももう準備出来てるわよ。さ、ここに跪いて舐めるのよ。」
 そう言うと、悦子自身もソファの上で大きく裾を割って股を広げるのだった。

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