自慰

妄想小説

続・訪問者 悪夢の教団総本山


 十五

 京子がふと我に返ると、自分にあてがわれた部屋のベッドに寝かされているのに気づいた。自分がどうして今ここに居るのかすぐには思い出せない京子だったが、次第に記憶が蘇ってきて、恥ずかしさに堪らなくなるのだった。起き上がろうとするが虚脱感にさいなまれて身体に力が入らないのだ。次第に身体の中心が熱く疼いてきて、疲れているのに頭ばかりが冴えてきて眠る事さえままならなかった。目を瞑ると悪魔の像のペニスが頭の中に浮かんできて、気づくと自分の手の指を股間に当てている自分に気づくのだった。そして激しくオナニーし始める自分を抑えられないのだった。
 (ああ、私はどうしてしまったのかしら。もう、今までのように普通では居られないのかもしれない。)
 自分の欲情を抑えきれない自分に只々茫然としてしまうのだった。

 翌朝、自分にあてがわれた部屋で目覚めた京子は朝からずっと今日こそあの試練に耐えてみせなければという気持ちと、早くあの像に跨りたいという気持ちが錯綜しているのに気づいて唖然としてしまうのだった。あの試練に耐えねばというのは京子の理性に違いなかった。しかし感性の部分では身体があの愉悦を求め欲しているのだった。
 (こんな事を繰り返していてはいけない。)
 そう思う京子だったが、この悪魔のサイクルから抜け出すには自分の力ではどうにもならないと思い始めた。
 迎えの巫女がやってきた時に京子は意を決して申し出てみたのだ。
 「あの、今日は還俗の間での試練の前にもう一度教祖様にお逢いする事は出来ないでしょうか。」
 「教祖様に?」
 一瞬、巫女は沈黙して考え事をしている風だった。
 「暫くお待ちください。教祖様にお伺いを立てて参ります。」
 部屋で待つように言われた京子の元へ迎えの巫女が戻ってきたのは数十分ほど経ってからだった。
 「教祖様が謁見をお赦しになるそうです。ですが、異例の事ゆえ決して粗相などないようにお気を付けくださいませ。」
 「教祖様にお逢い出来るのでしたら、どんな事でも耐え忍びます。」
 「では、後について来てください。」
 京子は最初にこの大伽藍に入った時と同じように、行き先ボタンの無い不思議なエレベータに乗せられ、上り下りや横滑りを繰り返した後、見覚えのある謁見の間へと続く控えの間に案内された。
 「一応、あそこを調べさせて頂きます。」
 そう言われてすぐに何の事か京子にはピンときた。何も言わずに短い教誨衣と呼ばれる僧衣の裾を捲り上げて見せる。
 「ふうむ。もう一度、剃り直した方が良さそうですね。」
 そう言って剃刀とシェービングジェルのチューブを渡され、シャワールームへと案内される。京子にはもう抗う気持ちはなかった。言われるがままに僧衣を脱ぎ捨てシャワールームへと入っていく。股間は茂みというほどの毛は生えそろってはいないが、既に数ミリの細かい毛が生え始めていた。手で触るとチクチクするのが判る。
 京子は何の疑いもなく、シェービングジェルを股間に塗りたくる。その上で丁寧に生え始めた恥毛をつるつるになるまで剃り上げていったのだった。ジェルの石鹸と毛屑をシャワーで流すと備え付けのタオルで股間を拭ってから教祖の間の使いの巫女の元へ戻る。最早、僧衣を帰してくれとは言わずに自分から両手を後ろに回す。その手首に巫女が手にした縄が慣れた手付きで回されていく。更にはビロードの細い帯のような目隠しが付けられ、両脇を抱えられるようにして謁見の間の入り口扉を潜らされたようだった。

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る