妄想小説
続・訪問者 悪夢の教団総本山
十六
前回と全く同じで目隠しを取られると、目の前には屹立した巨大なペニスを持つ十字架に磔にされた男の像と、その下に全裸で縛られた格好の自分の姿を映す巨大な姿見だけがあった。
「教祖様。還俗の儀を二度試みましたが、二度とも悪魔の誘惑に引き入れられてしまいました。しかしそれでも京子は何としてでも還俗を果たしたいのです。何とか成らないでしょうか。」
「二度も悪魔の誘惑に唆されて背徳な行いをしたとあれば、おぬしの中に相当の邪まな思いが宿っているようだな。」
「そうかもしれません。だとすると私はもう教団から離れて普通の暮らしに戻ることは出来ないのでしょうか?」
「ふうむ。・・・・。それでは最後のチャンスをお前に与えよう。お前独りの決意では悪魔の誘惑に打ち勝つことが出来ないとすれば、神に御すがりするしかあるまい。」
「神様におすがりするのでございますか?」
「左様。聖なるまぐわいの儀で、お前の邪まな心を清めていただくのだ。」
「そんな事がして頂けるのでしょうか。」
「お前が望むのならばな。」
「是非、お願い申し上げます。どんな事でも致します。」
「皆の者、聖なるまぐわいの儀の用意をするのだ。」
何処から聞こえてくるのか判らない、あたかも天の声かのように謁見の間に響き渡る教祖の声に従って、巫女たちが足音もなく現れ再び京子に目隠しの帯を結びつける。京子は再び両腕を巫女たちに捕えられて別の部屋に進まされたようだった。
目隠しを取られた京子の目に見えたのは、還俗の間で見たものに少し似ているがかなり造りの異なる誂えものだった。大理石のような白い階段がついた祭壇があった。還俗の間ほどの高さはない。その階段を昇るように促され、京子が昇って目にしたのは悪魔の像ではなく、先程壁に飾られていた十字架上の神の姿と同じ屹立したペニスを持つ男の像なのだった。その像のペニスを見ただけで京子は身体の中心が疼いてくるのを感じていた。
「聖なるまぐあいの儀は人の目に触れてはならない神聖な儀式なのです。再び目を蔽わせて頂きます。」
傍らの巫女がそう言うと京子は再び目隠しを着けさせられる。そして巫女に案内されるがまま脚を開いて前へ進み、仰向けになった像を跨ぐように仕向けられる。
「さあ、神に救いをお願いするのだ。」
天からの声が京子にそう命じた。その声に従うというよりも、自分の肉体の欲求を抑えきれずに脚を左右に開いたまま膝を折って腰を落としていく。愉悦の予感に身体が反応して、陰唇が潤っていくのが自分でも感じられた。そしてもう我慢出来なくなり遂には腰を沈めたのだった。
「えっ、こ、これは・・・?」
期待していた感触とは別のものがそこにあった。無機質な彫像の造りもののペニスとは違う、血の通った生身の肉体のそれなのだった。しかしそれは鋼に感じられるほど硬く屹立して反り返っているかのようだった。
「ああ、いいっ・・・。」
つい発してしまったはしたない言葉も、それを周りで誰がきいているかも知れない事も、もはや京子にはどうでもいい事だった。
「ああ、堪らない。」
京子は自然に腰を上下に揺らし始める。生温かい弾性を持ったその肉棒の感触は悪魔のペニスとは比べ物にならない快感を京子に与えた。
「ああ、神様。京子に御救いをお与えくださいっ・・・。」
そう呪文のような言葉を繰り返しながら京子は腰を上下に、左右に振り続けるのだった。
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