巫女リーダー

妄想小説

続・訪問者 悪夢の教団総本山


 十一

 シャワー室では念入りに京子の股間が洗い流される。しかし、それは新たに京子の股間内部に抽入された薬物に水分を含ませ、徐々に掻痒効果を発揮させる為でもあったのだ。そんな事は知らない京子は為されるがまま、痒みの原因を洗い流して貰えると思い込んで股を開いていたのだった。
 「さ、もういいでしょう。股間をこのタオルで拭ったら貴方の部屋へ連れていくからそこで暫く謹慎しているのです。罰として貴方の部屋に着くまでその戒めは解いてあげないわ。いいことっ?」
 リーダー格の巫女は二人の手下の巫女に合図すると縛られたままの京子の両腕を取って廊下を引き立てていく。長い回廊を進んでいく間に何人もの僧衣姿の女性と擦違うのだが、そのいずれもが京子の装束とは異なり、踝まである長い修道女のような衣装だった。そして擦違う誰もが京子の下半身丸出しの短い僧衣の姿を見て侮蔑の眼差しを投げかけるのだった。京子は巫女たちに再度不思議なエレベータに載せられて、総本山建物の何階にあるのか判らない場所へと連れられたのだった。
 「さ、ここが貴方にあてがわれた部屋です。縄を解いてあげるから、この部屋の中で反省していなさい。夕方までに夕食が床にある上げ下げ窓のところに届けられます。ここで一晩、きちんと反省するのですよ。」
 「え、ここでって・・・? 私は今日は帰ることが出来ないのですか?」
 「帰るですって? 貴方は何しにここへ来たの? 明日、もう一度還俗の儀に挑戦するチャンスが与えられるでしょうから、今度こそは貴方の決意をみせてリベンジすることね。いいわね。」
 そう言うと、京子をその部屋まで連れてきた巫女たちは京子の戒めを解いて部屋の中へと押し込むと足早に立ち去ったのだった。

 巫女たちが立ち去った後、京子は自分があてがわれた部屋を改めて眺めまわしてみる。部屋は決して広くはなく簡易ベッドと机とテーブル、そして部屋の隅には便器が据えられている。それは格子や檻は無いものの、まるで拘置所か刑務所の一室のようだった。窓はかなり高い所に明り取りのものがあるきり、手は届かない。下から見上げるとまだ暮れて行く前の青空が見えるきりだった。建物のかなり高い場所にあるらしかった。
 家具としては他には古そうな書棚がひとつあるきりで、古めかしそうな本が幾つか並んでいる。背表紙にはアルファベットで書かれた文字があるが英語ではなさそうだった。何冊か開いてみると何語かは判らないが経典のようなものらしかった。一冊だけ写真や挿絵が幾つも描かれた写真集があって、開いてみると文字は読めないものの、画や写真だけは見ることが出来る。どうもそれは中世の時代の拷問器具などを調べ集めた本らしく、挿絵から察すると中世の魔女狩りに使われた道具を解説したものらしかった。
 部屋の隅の床付近には上げ下げ式の扉のようなものがあって、自分を連れてきた巫女が後で夕食を届けると言っていたのがその扉を通じてらしく、食事の配り方も刑務所そのもののようだった。
 部屋が施錠されているのではとおそるおそるドアのノブを廻してみると難なく開いた。外の様子をドアを薄く開けて覗いてみると廊下に人の気配はない。自分の部屋の番号が13であるのを確認してドアを擦り抜け廊下を探検してみることにする。廊下は微妙に孤の字型に湾曲していて、建物に沿って円形に設けられている様子だった。一箇所、それまで何度か乗せられたエレベータの扉らしいものがあったが、階段に通じているような扉は見つからず、幾つか部屋の入り口らしき扉があっただけで、一周して自分の部屋に戻ってきてしまう。
 京子はエレベータに乗せられた時の事を思い出し、暗号キーでしか起動しない様子だったのでエレベータを使って脱出するのは不可能だと悟った。廊下には全く窓がなく、自分が建物のどの辺の位置に居るのかを察する事は出来なさそうだった。

 部屋に戻ろうとする頃から、自分の身体に異変を感じていた。それは還俗の間の檀の上に昇らされた時の感覚に似ていた。あそこが何となく無図痒いのだ。部屋に入ってベッドに横になるとどうしても股間を慰めたい衝動に駆られる。いけない事と思いながらも京子は自分の指で短い僧衣の裾を捲り上げ、無毛の股間を弄ってしまっていた。
 (どうしたのだろう。こんな事、したくなるなんて・・・。)
 それはおそらく先程の還俗の儀での試練における悪魔の誘惑があまりに衝撃的だったせいだと京子自身は思い込んでしまっていた。しかしそれは試練の最中に京子の股間内部に抽入され、その後シャワーで水分を吸いこまされた為に化学反応を起こした媚薬が徐々に効き目を表し始めているせいだとは思いもしないのだった。

  次へ   先頭へ




ページのトップへ戻る