理科室の悪魔
第一部
九
なかなか寝付けなかったその晩、美津子は夢の中で不思議な夢をみる。目の前に立っているのは理科教師の須藤先生のようだった。須藤先生が急に背が高くなって美津子を遥か上の方から見下ろしている。
「あれが握りたかったんだろ? さ、いいから手を出して握ってみなさい。」
「えっ? でも・・・。」
最初は無機質のプラスチックのように見えた棒のような長い筒だったのが、美津子がそれを手のひらに掴んだ瞬間、それは血の通った柔らかい肉棒に変わったのだった。
「せ、先生っ・・・。いいんですか、こんなことして?」
美津子が確かめるように須藤先生の顔を見上げるのだが、何時の間にかその顔は理科準備室の人体模型の無機質な顔に変わっているのだった。
「きゃっ、ゆ、赦してっ・・・。」
美津子は汗びっしょりになって、そこで目覚めたのだった。
(ゆ、夢・・・だったのか。)
思わず目をこすりながら身体を起こした美津子だったが、その手の内側には生温かい感触がまだ残っているのだった。
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