理科室の悪魔
第一部
二十四
縄がぐいっと牽かれて美津子は立ち上がらされる。縄尻を持った男がその縄をぐいぐい引いていくのでそれに従うように美津子は歩いていかざるを得ない。目隠しで目が見えないだけに怖々とゆっくりしか従っていくことが出来ない。やがて見えない爪先が何かに突き当たったことで階段に差し掛かったことに気づかされる。美津子が居たのが三階建ての新校舎の三階部分だったのでその上にはもう屋上しかない筈だった。
「何処へ連れて行こうっていうの? この先はもう屋上しかない筈でしょ?」
この時点では美津子もまだ自分を最終的に放置する場所に屋上を選んでいたことなど想像もしていなかったのだ。
階段を昇りきったところでガチャリという音とともにすうーっと冷たい風が吹き込んでくる。
(やっぱり屋上に連れ出そうというのね・・・。)
そこまでは分ったのだが男達が何を目的に屋上に連れてきたのかはまだつかめていない。
「こんな所に連れてきてどうしようというの?」
しかし相変わらず返事はない。
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