理科室の悪魔
第一部
二十
しかし現れたのはお面を被った男子生徒三人だった。それは樫山である筈がなかった。
「だ、誰なの、貴方たち・・・?」
(騙された? 罠だったのだわ、これは・・・。)
瞬間的にそう悟った美津子は身の危険を感じて踵を返すと今昇ってきた階段を走って降りようとする。しかし階段の下からは別のお面を被った数人が今にも昇ってくるのが美津子の眼に入った。
逃げ場を失った美津子は取り敢えず上の階へ向かう階段へ向かう。それが追い詰められることになるかもしれないという不安は一瞬頭をよぎったのだが、他にどうすべきだったのかは美津子にもあまりに突然のことだったので思い当たらなかったのだ。
三階まで上がると取り敢えず一番手前の教室に飛び込む。しかしそこにも罠が仕掛けてあったのだ。教室の入口のすぐ傍の床面近くに縄が張ってあって、美津子はそこに足を取られて思いっきり床に転がり込んでしまう。そこへすかさず追手たちが追いついてきて上から数人掛かりで美津子は羽交い絞めにされてしまう。
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