理科室の悪魔
第一部
三
「きゃあーっ。」
悲鳴を挙げて自分のスカートの裾を持ち上げている男子の手を振り解くのにその手を掴もうとして逆に男子生徒に両手を掴まれてしまったのだった。スカートを掴んだ手は予め練られていた作戦の罠だったのだ。掴んだ両手はいわゆる恋人繋ぎというもので、全ての指を広げて相手の指に搦めて握りしめるもので、両方が手を緩めない限りは振りほどくことが出来ないやり方だ。
真弓はスカートの裾を握りしめている手を振り解くことに精一杯で、男の子の企みに気づくことなくまんまと両手を恋人握りの形で掴まれて高々と持ち上げられてしまう。
「い、いやっ・・・。手を放してっ。」
スカートの裾ははらりと元に戻ったものの、恋人繋ぎで高々と両手を持ち上げられて下半身は完全に無防備になっていた。そこをすかさず別の男子が背後に回り込んでしゃがみ込む。
「今だ。やれっ。」
誰ともなく合図の声が掛かると、真弓の背後に回り込んだ男子がスカートの中に手を突っ込んで真弓のパンツを引き下ろしてしまったのだった。
「いやーっ。やめてぇ・・・。」
真弓も何をされたのかにすぐに気がついて声を挙げるが、両手は目の前の男子にしっかりと掴まれているので振りほどくことが出来ないので足首まで穿いていた下着を下されて何もすることが出来ないでいるのだった。
「おい。誰か、今のうちにこいつのスカートもう一回捲り上げてやれや。」
真弓の両手を封じ込めている男子が他の仲間に向かって声を挙げる。
「や、やめてっ。そんなこと・・・。」
パンツを下された上でスカートを更に捲り上げられようとしているのに気づいて真弓は蒼くなる。他の男子たちもそこまでしていいのかと顔を見合わせて逡巡していた。その時だった。両手を取り合ってもがきあう二人の横から飛び出してきたのが美津子だった。
パシーン。
二人が恋人繋ぎでお互いの両手を放せないでいるところに横から割り込んできた美津子の平手打ちが逆に自分自身も無防備になっていた顔面にいきなり張り出されたのだった。
「あううっ。い、痛てえなぁ。だ、誰だっ・・・。」
いきなりの平手打ちに思わずひるんだ男子生徒が真弓から手を放す。その前に美津子が立ちはだかるのだった。
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