妄想小説
プール監視員
その6
時間になって、監視員控室に入り、奥のカーテンだけで仕切られた更衣室に入った美沙子であったが、まだ決心がつかないでいた。
あそこの処理はまだしていなかったので、水着のクロッチの部分に脇から指を突っ込んでひっぱり出すと、ゆるやかにカールした淫毛が美沙子のハイレグ気味の水着のY字の中心部分に、いやらしくはみ出てきた。
そんなはしたない格好で人前を歩かなければならないなどと、考えただけで冷や汗が出てきた。が、命令に背いたときの仕返しはもっと怖かった。既に一度、男子トイレに自分のオナニー姿の写真を貼り出されてしまっている。あの男はきっとやるに違いない。そう思うと、もう従う他はないのだった。
美沙子がカーテンの奥で躊躇している間に、非情のチャイムが鳴って、監視員交代の時間がやってきてしまったのだった。
美沙子は、もう何も考えずに、水着の脇から毛をはみ出させたまま、プールサイドに走りでた。
美沙子等女子監視員は、それでなくても泳ぎに来る中年の男性達の垂然の的らしく、何気無く水着姿を嘗めるように覗かれるのは、日常茶飯時のことであった。
しかし、この日は美沙子にとってはちょっと事情が違っていた。プールサイドをゆっくり指差確認をしながら歩きながら、いつものように毅然と歩こうと思っているのだが、もし股の毛に気付かれたらと思うと、どうしても両脚をすぼめるような不自然な格好になってしまうのだった。美沙子には、それがあたかも、おしっこが漏れそうで我慢しきれない時に格好に見えていることすら自分では気付かなかった。
だから、実は、普段女子監視員の水着姿が楽しみで来ているいやらしい中年男性の関心を一手に集めてしまっているとは、本人は全く気付かずにいたのだった。
その日は又、別の包みが美沙子のロッカーに入っていた。それはしわくちゃの茶色の紙袋で、中にスイミングゴーグルと手紙が入っていた。
美沙子は仲間の指導員等に見つからないように、紙袋を持ってそっとロッカールームを出ると女子トイレの個室に滑り込んだ。
(監視の休み時間になったら、このゴーグルを着けてプールに入ること。あの写真をバラ撒かれたくなかったら、何をされても抵抗せずにされるままになれ。そして決してゴーグルを外すな。約束を守らなければその時は、. . . )
手紙にはそれだけ書かれていた。
美沙子はおそるおそるそのゴーグルを掛けてみる。一瞬目の前が真っ暗になる。外して調べてみると、サングラス風に見えるゴーグルの内側が何かで真っ黒に塗られていて、目隠しになっているのだった。
美沙子はいつものように、女子監視員の水着でプールの回りを巡回している。次の休憩時間で美沙子の番はオフになる。即ち、あの男から指定された時間なのである。美沙子はゆっくりプールサイドを回りながら、一人ひとりを確かめるように見てまわった。
(きっと、この中にあの男はいる筈だ。きっと、今も嫌らしい目で私の身体を眺めているに違いない。誰なのかしら。早く見つけて何とかしなければ。. . . )
しかし、美沙子が見る限り誰も彼も同じに見える。みんな同じようなスイミングキャップにゴーグルを着けている。美沙子に見分けられる筈もなかった。
とうとう自分のオフ時間になった。仲間に(ちょっと今度は泳いでくるから。)と言って例のゴーグルを手に監視員室を出て、プールに向かった。
そのゴーグルは身を水面下に沈めてから、意を決して装着した。やはり全く見えない。暫く美沙子は立ちすくんでいた。が、只立っていても変に思われると思い、泳いでみることにした。泳ぎ慣れたプールなので、目をつぶっていてもまっすぐ反対側に辿り着くことは出来る自信はある。が、行く手に人がいるかどうかは分からない。美沙子はそれでも仕方ないと諦めて泳ぎ始めた。
偶然か誰にもぶつからずに25mを泳ぎきることが出来た。少し息をついてから、再び反対側まで泳ぎ始めたところで、誰かにぶつかった。と言うより、誰かの手が美沙子の脚に触れたという感じであった。瞬間的に「あっ、すみません。」と声を出した。が、相手からは何の返答も無かった。
美沙子は相手が何処に居るかも分からないので、仕方なくまた泳ぎ始めた。が、10mも行かないうちに又他の人の手が触れた。今度は下腹部であった。
美沙子は不安になりながらも無視して泳ぎ続けた。
50m泳ぐ間に腿、胸、尻と続け様に触られた。泳ぎきって、プールの端で息を整えていると、隣に誰か立ったような気がした。と思う間もなく手が伸びてきて美沙子の股間を思いっきり掴んだ。
(いやっ。)と大きな声を立てそうになるのを今一歩のところで堪えた。
自分の股間を掴んでいる手を振り解こうとした時、あの手紙の文句を思い出した。
(何をされても抵抗せずにされるままになれ。. . . ) 美沙子は両手を背中側のプールの壁にぴったり付けて歯を食いしばって堪えた。
男の手は美沙子が抵抗出来ないのをいいことに、思う存分まさぐり始めた。
美沙子は他の誰かに見られているのではないかと不安になった。プールの中であるから、潜って目を開けて見れば丸見えの筈である。
美沙子は両脚をすぼめて股を閉じようとするが、男の強い手がそれを許さなかった。美沙子は、男の強い手に強いられ、次第に両脚が少しずつ開かされていくのをどうしようもなかった。
男の手は執拗だった。とうとう、美沙子のぴっちりした水着の端から男の指が忍び込んできた。美沙子は逃げることも声を立てることも出来なかった。
男は美沙子の真後ろに立ちはだかると、抱き寄せるように美沙子の身体を引き付けた。美沙子は背中から抱きかかえられるような格好で片方の手で股を、もう一方の手で胸の膨らみをまさぐられるのだった。しかも、美沙子のお尻のほうには、明らかに硬くなった下腹部の膨らみが押し当てられている。
美沙子には、そばに誰がいるのかも分からない。だから、(やめて、)という言葉さえも、何度となく声に出掛かって堪えた。他の誰にも今の辱めを知られる訳にはいかなかった。唯、じっとされるままに耐え忍ぶしかなかった。
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