パンティ抜き取り

妄想小説

プール監視員



 その4

 次の日は勤務は午後一時からであった。が、どうしても確かめたくて、プールが開く朝一番に美沙子はやってきた。朝は九時半から開くのだが、開く前から扉のところで待っている人が大抵数人は居る。美沙子もその中に混じっていた。
 係の人は美沙子等アルバイトとは違う職員である。時間ぴったりに扉が係の人の手で開けられると、人垣が一斉に中になだれこむ。美沙子も職員に軽く挨拶して中に入る。他の人等が入場券売り場に急ぐのに、美沙子は一人、二階の待合室に急いだ。
 勿論、紙包みは既に無かった。朝一番で確かめたところで、いつ誰が持っていったのかは知る由も無いことは重々分かっていたのだが、それでももうそこには無いことを確かめずにはいられなかった。
 美沙子に命令した男が持っていったのだろう。ひょっとすると誰か他の人が持っていったかも知れない。いずれにせよ、他人に自分の最も恥ずかしい部分を包んでいた下着を、見られたり、いじくり回されたりしているかと思うと居ても立ってもいられない気持だった。
 美沙子はその気持を静める為と、他に午後まですることも無いので久しぶりに泳ぐことにした。水着は監視員用の制服のものとは別に、個人用に紺と白のツートンの競泳用のものを持ってきていた。いつもは監視員室で着替えるのだが、今日は一般の人の更衣室へ行って着替えた。
 美沙子は何もかも忘れたい一心で、ただひたすら泳ぎまくった。

 午後一時ちょっと前に里美は走ってやってきた。美沙子はもう監視員の水着に着替えて控室に入っていた。
 「あらっ、今日は早かったのね。美沙子。」
 里美は挨拶もそこそこに奥のカーテンの向こうに着替えに走っていった。慌てているのでカーテンがきっちり閉まりきっていない。里美の裸の脚や背がときどきチラチラ見え隠れする。部屋には男子監視員等がまだ数人たむろしている。美沙子はハラハラしたが、里美は一向に構う風もない。(ひょっとして、わざとしているのだろうか。)
 美沙子はそんな風に思えて仕方無い。
 「じゃあ、今日も元気でいこうか。」
 いつもの元気さで里美が出てきて、美沙子の肩を叩いて言った。

 二時に勤務が終った時、一緒に帰ろうという里美に、(今日は少し泳いでいきたいから)と言って美沙子は別れたのだった。よっぽど、里美に打ち明け、相談しようと思ったのだが、喉まで出掛かって言葉が止まってしまった。
 一人帰っていく里美を見送った後、美沙子は泳ぐこともせず、一人待合室のベンチで座って時が来るのを待った。
 男子トイレに行くのは、そうは言っても気が引けた。誰にも気付かれずに、時間どおりに行くには、早めに機を窺うしかないと思っていた。だから、三時過ぎたあたりからずっとトイレの入り口のほうを窺いながらずっと待っていた美沙子だったが、こんな時に限って人通りはなかなか絶えなかった。三時四五分を過ぎたあたりから、仕方無く美沙子は立ち上がってトイレの入り口のほうまで何気なく歩いていった。そして、まだ人通りは多かったが、誰もこちらを見ていないのを確認すると一気に男子トイレの中へ駆け込んだ。
 ずっと前からチェックしていたので、男子トイレには今は誰も入っていない筈であることは確かめていた。美沙子はすぐさま指定された個室に入り鍵を掛けて息をついた。
 時計はしてこなかったが、さっきホールのを確かめたのからするとまだ十五分はある筈だった。とにかくここで待てと言われた以上、ただ待つより他はなかった。美沙子にとってはとても長い時間だった。
 水泳の休憩時間を告げる館内放送が聞こえてきて、四時になったことを美沙子は知ったのと、それまで誰も来なかったトイレに足音が聞こえてきたのは同時であった。
 美沙子は息を潜めて待った。足音は隣の個室に入って止まった。鍵の掛かる音がした。美沙子はただ、待った。
 突然、頭の上からどすんという音と共に、バッグが落ちてきた。個室の仕切りは上のところで開いていて、そこから投げ込まれたものだった。バッグには紐が付いていて、壁の途中でそれは宙ずりになった。
 びっくりした美沙子だったが、おそるおそるそのバッグを開いて見ると、案の定、手紙が入っている。が、その内容は美沙子を愕然とさせるものだった。
 (着ているものを全部脱いでこのバッグの中に入れろ。素っ裸になったら、バッグの中の手錠を填めて、目隠しを着けろ。)
 美沙子は逃げだしたかった。が、逆らえばどうなるかはもう分かっていた。バッグの中を確かめると、アイマスクとロープが結びつけられた手錠が入っている。ロープの先は、バッグと同じように隣の個室から繋がっている。
 美沙子は意を決して、服を脱ぎにかかった。ワンピースの袖から腕を抜き、床に付かないように注意しながら脱ぐとバッグの中にたたんで入れた。ブラジャーとパンティを脱ぐのは勇気が必要だった。が、言いつけに背いた時の仕返しが恐かった。ソックスと靴だけになると、アイマスクを頭に掛け、手錠を手にした。冷たい感触が美沙子に恐怖感を与える。が、命令に背くことは出来なかった。

ソックス

 カチャリという音が二度した。
 「目隠しはしたか。」
 男の低くくぐもったような声が初めて聞こえた。
 「は、はいっ、. . . 。」
 アイマスクで目を塞ぐと、美沙子は答えた。と、同時に手錠に結んであるロープが引かれたらしく、美沙子は両手を万歳の格好に引かれた。

 男は仕切りを乗り越えて入ってきたらしかった。美沙子は戸に鍵を掛けた筈なのに、ドサっという音と共に男が入って来た気配がしたからだ。美沙子の両手の自由を奪っている手錠は強く引かれていて、美沙子が爪先立ちでやっと立っていることが出来るくらいなのだった。男の手は、美沙子の胸の膨らみも股間の茂みも容赦なくまさぐった。美沙子にはただ堪えることしか出来なかった。声を上げることすら、男子トイレの中で素っ裸にされている身には出来なかった。

 散々、おもちゃにされた後、美沙子は何かストローのようなものをくわえさせられたのだった。
 男は(一気に飲め)と強要した。責められ、美沙子が一息吸込むと、それはまさしくビールのようだった。親ゆずりの酒の強さには自信のあった美沙子ではあったが、飲んでも飲んでもそれはなくならなかった。相当、腹に溜まって苦しくなった頃、やっと底にきたと見えてズズーと空気を吸込む音がした。が、その時には美沙子は、まさかそれが唯のビールだけではなく、利尿剤をたっぷり解け込ませたものだとは知る由もなかった。
 「そのままの格好で、ちょっと我慢してな。」
 男のそう言う声がしてガチャリという個室の鍵が開けられた音がした。
 (ま、まさか、. . . )
 美沙子が不安に思った通り、男は美沙子が縛られた男子トイレの個室の鍵を開けたまま出て行ってしまったのだ。
 男が出ていくと同時に猛烈な尿意が美沙子を襲い始めた。それは、美沙子にとって恐怖に他ならなかった。このままでは立ったまましなくてはならない。それも、誰とも分からない男に見られるかも知れないのである。そんなはしたない真似が出来る筈がない。と、思いながらも、募りくる尿意には、次第に屈するしかないような気がしてくるのだった。

 「おう、まだ漏らしてなかったか。」
 男の声が再びして、扉が大きく開け放たれる音がした時は、美沙子にとってはもう限界に達していた時だった。
 「ウウッ、もう駄目ッ。」
 そう叫ぶ声と同時に、美沙子の股間からは黄色の滴がほとばしり出ていた。

 美沙子には、その時ジーッという音がしていたのは、まさかビデオカメラが自分の股間を狙って撮影の最中であったなどとは思い当たる余裕など少しもなかったのだった。
 「お前の漏らしている姿はすっかりビデオに撮らせて貰ったぜ。」
 男はそう美沙子の耳元で囁くと、両手を紐で縛り直し、手錠を鍵で外した。おかげで、吊り下げられている格好からは解放された。が、今度は両手を縛った紐が床のほうに強く引かれ、美沙子は膝を屈めなければならなかった。目隠しをしたままなので、美沙子には何をされているのかは分からなかったが、自分の両手を縛った紐が和式便器の水栓コックの根元に結わえ付けられているらしいことは感じられた。美沙子はうまく立っていることが出来ずに片膝を付いた。その膝は冷たく濡れた床でピシャっと音を立てた。美沙子は自分が今漏らしたばかりの小水の中にしゃがみこんだのだということを思い知らされた。
 しかし、男の辱めはそれだけでは済まなかった。目隠しをされたまま何も見えない美沙子の耳元で、ズボンのチャックを下ろすようなジーッという音が聞こえた。不安な面持ちでいる美沙子を次に襲ったのは、縛られた両手に感じた生暖かい感触と跳ね上げる飛沫であった。目隠しをされていても、美沙子には自分がどんな仕打ちを受けているかは容易に想像できた。そして、つぎにはその熱いほとばしりは、美沙子の顔面をも直撃した。美沙子はせいいっぱい顔をのけぞらせてみたが、両手を括りつけられていては逃れようもなかった。
 男は放尿し終ると、(ふうっ)と息をついて、ズボンのチャックを上げた。
 美沙子の顎と両手からは、まだ生暖かい滴がしたたり落ちていた。美沙子はあまりの屈辱間にアイマスクの下に涙を溜めていた。が、更に男の責めは続いた。
 突然、男の足が無防備な美沙子の裸の腹を蹴り上げたのだった。あまりの激痛に美沙子はトイレの床にそのまま倒れ込んだ。ビシャっという音を立てて、自分が漏らした小水の中にしゃがみこむ格好になってしまったのだ。
 呻き声をあげている美沙子を尻目に、男は悠々と出ていってしまった。歩み去る足音を聞きながらも、美沙子は立ち上がることすら出来なかった。

 その後、ようやく美沙子が身体じゅうを小便臭くしながら立ち上がることが出来たのは十分以上たっていたように思われた。不自由な手で何とかアイマスクを外すと、自分の惨めな格好があらためて目のあたりになって、涙が止まらなかった。
 水栓コックに縛り付けられた両手を解くには、縄を口でくわえて緩めるしかなかった。その時初めて、男が自分の両手目がけて放尿したのかを思い知ったのだった。男は、自分で縄を解こうとすると、口でくわえるしかないことを計算ずくだったのだ。
 だが、美沙子にはそれ以外自由の身になる手立ては無かった。美沙子は目をつぶって小便臭いロープを口にくわえたのだった。


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