夜のプール

妄想小説

プール監視員



 その14

 (自分が代りに行くから、男たちの呼出しに応じては駄目)と散々里美に言われた美沙子だったが、今の里美に男たちに抗える筈もなかった。却ってのこのこ男たちの前に出れば、易々と男たちの凌辱の餌食になるに決まっていた。それだったら、自分が餌食になればいいとそう思った美沙子だった。もうこれ以上、自分の為に身体を傷つけて欲しくなかったのだ。
 身体が回復するまでは監視員には出ないでいるという里美が休んでいる間に、男たちからの呼び出し状を受けた美沙子は里美には内緒で再び男たちの呼出しに応じていた。
 「もうこれ以上、里美の身体を傷つける訳にはゆかないの。私ならどうにでもしていいから、もうこれで最後にしてっ。」
 誰も居ないガランとした夜のプールサイドで、何処に隠れているのか判らない相手に向かって、大声でそう言い放った美沙子だった。
 「親友を守る為か。いい気構えだな。」
 突然、場内アナウンス用のスピーカーを通して男のくぐもった声が聞こえてきた。明らかにボイスチェンジャーを通した作られた声質のものだった。
 「監視台のところにお前の今夜の衣装が置いてある。それに着替えてくるんだ。」
 再びスピーカーから声が館内に響く。美沙子がプールサイドの監視台に向かうと確かに黒っぽい水着のようなものが置いてある。取り上げてみるとどうも競技用のワンピース水着のようだった。どこに居るのか判らない相手に向かってぐるっと館内を見渡して睨みつけてから、その水着を取ると女子更衣室へ急いだ。
 今季流行の競技用の水着は美沙子も何度か試したことがあった。普段着慣れているハイレグの監視員制服水着と違って股下は七分丈の膝上ぐらいまである。かなりぴっちりしたサイズで素材は伸縮性はあるが身体にはぴったりとフィットする。ワンピースなので足から先に通してノースリーブの上半身部を胸上まで引き上げて肩に掛ければ完了だ。美沙子には何故こんなものを着させられるのか理解が出来なかった。気終えると再びプール室に戻る。監視台には先程はなかった筈の黒光りする手錠が置かれている。

競泳水着生贄

 「その手錠を自分で後ろ手に掛けるんだ。」
 再びスピーカーから声が聞こえる。美沙子はもう覚悟が出来ていたので、黙って手錠を手にすると躊躇わず後ろ手に掛ける。ガチャリという音が美沙子が無防備になったことを外部に報せているかのようだった。
 「手錠を掛けたわ。」
 「そしたら客が来るのを待つんだ。時間はぴったり30分。その間、逃げおおせたらそれで終りだ。もし客に捕まったら客のしたい放題って訳だ。」
 その後、プチッという音と共にスピーカーからの音は途切れた。
 美沙子には(客)という言葉が妙に耳に残っていた。
 (客? 何の事だろう・・・。)
 突然常夜灯の明かりしかない薄暗い館内に照明が点された。そして、その直ぐ後に男子更衣室の入り口から現れた男を見て美沙子はだいたいの意味を推察した。男は以前の夜に現れた男たち同様、頭からストッキング状のものを被っていた。が、今回の男のそれは頭の上部半分のみで、鼻から下はいやらしそうな口元含めて露わになっていた。男は競泳用のものらしい水泳パンツだったが、こちらは美沙子が身に着けているものとは違ってビキニタイプで、もっこり膨らんだ股間のみを隠しているに過ぎない。その布きれに隠れた部分はこれから起こることへの期待のせいなのか、心持ち膨らんでいるようにも見える。
 「ふっふっふっ。やっぱりお前なんだな。いつもお前の下半身を見る度にあそこが疼いていたが、まさか、本当にお前を自由に出来るんだとは思わなかったぜ。大金を払っただけの事はある。せいぜい愉しませて貰うぜ。」
 美沙子は男の台詞に言葉を失う。
 (お前を自由に? 大金? せいぜい愉しむ? いったいどういう事なのだろろ。)
 しかし身に危険が迫っていることだけは感じていた。何せ自分は後ろ手に手錠を嵌められて抵抗する術がない。いつもの監視員の制服よりは露出部分が少ないとはいえ、所詮水着一枚なのだ。美沙子の頭の中にちらっと『リアル・ハンティンングゲーム』という言葉が浮かんでくる。どこかで聞いたことのある言葉だったが、何処で聞いて、果たしてどんな意味だったのかも思い出せずにいた。

水着折檻

 男はゆっくりと、しかし確実に美沙子との間合いを詰めてきていた。美沙子の方もゆっくりと後ずさりして男から離れようとするが、距離はどんどん詰まってきていた。
 (どうしよう。どうしたら逃げおおせるだろうか。)
 美沙子は必死で思案するが、所詮自分に出来ることは限られていた。
 男が突然美沙子に向かって飛びかかってきた。咄嗟に身を交わして横に逃げる。男の手が美沙子の太腿を掠めたが、なんとか振り切る。後ろ手に繋がれている為、身体のバランスを取り難い。それでも美沙子は必死で逃げた。
 美沙子は女子更衣室目掛けて走り込もうとしていた。しかしそれよりいち早く男のほうがその出口の前に回り込んでいた。
 「ふふ、簡単には逃さんぞ。」
 そう言いながらもじわりじわりと美沙子に詰め寄ってくる。今度は女子更衣室とは反対側の方に逃げてみる。しかしそちらは背後は壁と壁に挟まれた隅っこしかない。そこへ追い詰められてしまえば、もう逃げ道はないのだ。
 美沙子は男の横をすり抜けることが出来そうか間合いを計ってみる。いちかばちかだった。右にフェイントをかけ、さっと左に身を翻して男の横をすり抜けようと試みる。が、男の手がかろうじて美沙子の背中の水着の端に引っ掛かった。今度も勢いを付けて振り切るつもりだったが、男の握力の方が勝っていた。丈夫な生地で出来ているらしく、水着は破けはしないものの少し伸びただけで布地はしっかりと男の手に握られたままだった。今度は男の方が勢いを付けて美沙子を水着ごと引き倒す。男が足を掛けたので、美沙子は尻もちを撞くような格好で床に転んでしまう。その上に男がのしかかってきた。手錠を掛けられた背中の手で床を付いて美沙子も必死で男を蹴り上げようとする。しかしその足首を逆に男に掴まれてしまうのだった。男が力を篭めて足首を捩じり上げると、美沙子は俯せにひっくり返されて為す術がなかった。手錠で両手が自由でないだけに、脚を抑えられるとどうしようもなかった。
 腹這いになった美沙子の上に男が馬乗りになる。男が背後から抱きついてきて片腕で美沙子の首を絞めにかかる。もう片方の空いた手で、男は自分の水着を下しにかかる。既に男のモノは硬く屹立していて、水着の生地を通して生の肉塊が腿に押し付けられていくのを感じる。
 「い、嫌っ。放してっ・・・。」
 しかし美沙子の願いも空しく、水着を脱ぎ取った男はもう片方の手も美沙子の胸の方へ廻してきた。男は両腕で美沙子の身体を引き寄せるようにして自分の身体を美沙子に密着させる。
 「へへへ。いい気持だぜ。やっぱり若い女の身体はたまらんぜ。おい、俺様のモノを握るんだ。」
 男はそういって、腰を少しずらし美沙子の後ろ手の掌にペニスを握らせようとする。
 「い、嫌よ。」
 屹立した肉塊が美沙子の手に触れると、おぞましいものでも触ったかのように美沙子は手を仰け反らせようとするが、所詮は手錠でがっしりと繋がれていて逃げ場がない。
 「ほら、ちゃんと握らないと首を絞めるぜ。」
 男がそう言って美沙子の首に回したほうの腕の力を強める。
 「うぐっ・・・。ああ、駄目っ。」
 あまりの苦しさに、美沙子は観念して男のペニスを握らざるを得ない。
 「さあ、もっとしごくんだ。男の悦ばせ方を知らん訳じゃあるまい。さ、こっちは女の悦ばせ方を試してみるかな。」
 男はそういうと首を絞めていた腕を振り解くと、美沙子の水着の肩の部分に手を掛ける。美沙子は水着を脱がされるのだと知って必死に身体を揺さぶるが所詮、両手の自由が効かない為にどうすることもできない。男は易々と美沙子の肩から水着を外すと下に押し下げてしまう。美沙子の裸の乳房が冷たいプールサイドのリノリウムの床に直に触れる。と思う間もなく男の手が両側から美沙子の乳房を揉みしだいていく。
 「いや、やめてっ・・・。」
 男の指が両方で美沙子の乳首を捉えて弄び始める。美沙子は必死で感じまいとするのだが、乳頭が立ってきているのを自分でも感じていた。それに呼応するように手の中のペニスが更に充血を増していきり立ってくるのだった。
 「ようし。今度はこっちを向きな。」
 男が腰を少し浮かして美沙子の身体を仰向けに反転させる。裸の乳房が男の目の前に露わにされる。後ろ手に手錠された美沙子には隠す術もない。男はいきなり裸の乳房にしゃぶりついてきた。
 「やめてぇっ・・・。」
 男が美沙子の乳首を乳房毎強く吸い始めると、美沙子は気が遠くなりそうになる。乳房を吸い上げながらも男の両手は腰のほうへ降りてくる。腰骨から足の付け根に掛けて男の親指がなぞり始める。下からは男の屹立した肉棒が擦り上げてくる。水着を通してとは言え、美沙子はあの部分が次第に潤み始めるのをどうすることも出来なかった。
 男は我慢出来なくなったらしく、美沙子を完全に裸に剥こうとし始める。しかしその時になって初めて美沙子の後ろ手の手錠が邪魔になって水着は臍の辺りまでしか下せないことに気づくのだった。
 「畜生。こいつが邪魔だな。」
 今度は太腿のほうから水着を捲り上げようとも試みるが、七分ほどある股下部分はどうやっても股間まで捲り上げることが出来ない。男は肝心な部分を裸に剥くことが出来ないことを漸く知るのだった。
 「この水着のせいでおあずけって訳か。そんならお前の口でして貰おうか。」
 その言葉に美沙子は蒼くなる。
 「い、嫌よ。あなたのモノなんか・・・。」
 男は匍匐前進でもするかのように美沙子の身体をのしあがっていく。その間に美沙子は肉棒が自分の身体を蹂躙しながら下腹部から臍へ、そして乳房の谷間を這い登ってとうとう顎下まで達したのを感じとっていた。
 「さあ、咥えて貰おうか。」
 「い、嫌っ。」
 美沙子は必死で横に顔を背けようとするが、男は美沙子の髪を掴んで真正面を無理やり向かせる。その口元に屹立したペニスが押し当てられた。
 「むむっ。」
 必死で唇を閉じて侵入を拒もうとする美沙子だったが、男の手が首に掛かるのを感じて観念する。
 ズボッ。
 卑猥な音を立てて男のモノが美沙子の喉奥まで突き立てられた。
 「しゃぶれ。しゃぶるんだよっ。」
 男は美沙子の喉を締め上げながら無理やりにも言う事を聞かせる。美沙子はまなじりに涙を溜めながら男のモノをしゃぶりあげるのだった。
 ピン・ポーン。
 突然チャイムが鳴る。
 「それではこれから水難事故防止のために十分間の休憩に入ります。皆さんは一旦水からお上がりください。」
 いつもの休憩を告げる放送が流れる。それはしかし休憩の合図ではなく、男への終了時間の合図なのだった。
 「畜生、もう少しでイクところだったのに。時間切れとはな。チェッ。」
 名残惜しそうに男はペニスを美沙子の口から引き抜くのだった。
 「今度こそはその口の中に俺様の愛液を注ぎ込んでやるからな。愉しみにしてろよ。」
 男はそういうと片目を瞑ってウィンク風にニッコリ微笑んでみせるが、美沙子のほうはプイと横を向いて顔を背けただけだった。

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