監禁妻への折檻
十九
一人、バスルームで服を脱いでいた倫子は酒の肴などの準備の為に急いで風呂を済ませてしまおうとしていた。裸になってあらためて股間に茂みがない真一文字の陰唇を見ると、こんな恥ずかしい格好は誰にも見せられないとあらためて思うのだった。
(さ、いそいで湯を使ってしまって、戻って準備しなくちゃ。)
気持ちを切り替えて温泉掛け流しになっている湯舟に身を沈めたところだった。風呂場のガラリ戸が開いて、曇りガラスの向こう側に人影が見えたのだった。
(まさか・・・。)
慌てて湯船の脇に置いておいた手拭いに手を伸ばす。
夫の数馬が一緒に風呂に入るというのは、結婚当初は数回はあったもののもう絶えて久しくないことだった。それを倫子も当然のこととして受け入れていた。この別荘に越してきて温泉を引き、ゲストのことを考えて広めの浴室と浴槽を誂えてからも一緒に入ってくることなど一度もなかったのだった。
脱衣所と浴室を隔てる曇りガラスが全面に張られた扉が開かれると、そこには全裸姿の数馬の姿があった。そしてその股間のモノは既にいきり立っているのだった。
「あ、貴方っ。どうしたの・・・。」
「どうしたのって、夫婦なんだから一緒に風呂に入ったからって少しも可笑しな事じゃないだろ。」
「でも普段、一緒に入ることなんてないのに、よりによってお客さんが来ている時に・・・。」
ふと倫子は嫌な予感がした。数馬が片手を背中側に隠すようにしていたからだ。何か隠し持っていると咄嗟に倫子は思った。
それは倫子が懼れたとおり、以前にスカートの下の下穿きを膝上まで下されて配達に来た俊介に応対させられた時に使われた手錠と縄だったのだ。
「だ、駄目よ。こんな時に・・・。」
そう言いながら、手にした手拭いで前を隠しながら温泉の浴槽奥に後ずさりした倫子だったが、倫子に続いて浴槽に入ってきた数馬にすぐに追い詰められてしまう。
「こんな時だからこそ、刺激的な事がしてみたいんだよ。さ、手首を出すんだ。」
そう言って倫子の手から手拭いを取り上げると浴室の隅に放り投げてしまう。
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