監禁妻への折檻
十一
「お願いです。信じてください。何も疚しいようなことはないんです。ただ、天袋収納にスパイスのストックをしまうのに取って貰ってただけなんです。俊ちゃんは何も悪くないんです。バランスを崩したのは私なんですから・・・。」
「ふん、俊ちゃん・・・か。やけにあの若僧のことを庇うんだな。」
「庇うだなんて。彼は私が椅子から転げ落ちそうになったのを支えてくれただけです。」
「俺がキッチンに入った時には、あいつの手がお前のスカートの中に入っていたように見えたんだがな。お前の方はパンツ、丸見えだったしな。」
「え、そ、それは・・・。偶々のことです。貴方がいつも私にあんなに短いスカートを穿かせようとするから・・・。」
「俺のせいだと言うのだな。」
「いえ、そういう訳ではありません。」
「以前から気にはなっていたんだ。妙にあの若僧の視線はお前の太腿ばかりを追っているって。」
「そ、そんなことはありませんわ。」
「見ているのはお前ではなくて、あいつだぞ。お前は見られているだけだ。だからもっと身のこなしには気を使えと言っているんだ。」
「そ、それは・・・。確かに彼の前で椅子の上にあがるなんて不用意でした。彼が帰ってからにすべきでした。」
「お前には男の前に出た時に、気の緩みがあるのだ。こんどそれをよおく分からせてやる。」
そう言うと、不機嫌そうに数馬はキッチンを出ていったのだった。
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