ベッド前若妻縛り

監禁妻への折檻 第一部



 一

 「ねえ。今日もわたしのこと、縛るの?」
 夫の数馬がそっと肩を抱いてきたのに久々の夜の営みを予感した倫子だったが、数馬が背中に隠して忍ばせていた縄を自分の手首に巻かれて、ついそう言ってしまった。
 「何だい? 縛られるのが嫌みたいな言い方だな。縛られると、あそこが感じて燃えてくるくせに。」
 「そ、それは・・・。」
 夫にそう言われると、何故か言葉が言い返せない倫子だった。
 初めてベッドの上で夫が縛ってみたいと言ってきた時、倫子は(そんな変態みたいなこと、嫌だわ)と喉元まで言葉が出掛けた。しかし、拒むことで夫の機嫌を損ねたくなかった倫子は言葉を呑み込んだのだった。男女の営みの中で、男が女を縛ってするということがあるのは知っていた。美容院で偶々開いた女性雑誌の中にそんな記事を読んだことがあったのだ。そしてそういう行為に、若干の興味を持ったことも否めなかった。それでも、夫がどうしてもとせがむので断り切れなかったのだと倫子は自分を納得させたのだった。
 しかし、いざ縛られて両手の自由を奪われてみると、えも言えぬ不思議な感覚が沸き上がってくるのを感じている自分に驚いてもいたのだった。
 「今日はやけによく濡れているな。」
 その時、そう夫に言われてはっとした倫子だった。
 「そ、そんなこと・・・。気のせいよ。」
 そう否定した倫子だった。自分の濡れ具合がどうなのか触れてみることも出来ない状況の中で否定はしてみたものの、もしかしたらとそんな予感が自分にもあったのは事実だった。
 最初の時以来、数馬は倫子を抱くのに両手を縛る頻度は確実に増えていた。数馬も倫子を縛ってすることに快感を憶えているらしかった。いや、快感という官能的なことよりも、倫子という人格を征服しているという思いに酔いしれているように倫子には見えるのだった。

倫子

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