パンティ差出し

監禁妻への折檻



 十八

 そんな事件が一箇月ほど前にあったので、かつては遊び仲間だった忠男と琢也が自分たちの山荘ロッジを訪ねてきたときに、数馬は寄越すように命じたものが短いスカートの下に穿いていた下着であるのはすぐにピンときた倫子だった。もう二人が到着する間際だったので言い合いをしている時間はなく、倫子はおとなしく下着を脱ぎ取ると数馬の手に手渡したのだった。その後すぐにやって来た二人をノーパンで出迎えさせられた倫子はどうしても動きがぎこちなくなってしまって、琢也にはそれを気づかれてしまったらしかった。
 「ね、あの二人がお風呂から戻ってくる前に、私の下着を返してください。もう、充分でしょ。貴方にあそこの毛まで剃られてしまっているのだから、変な事しようがないわ。」
 「ふん、そうだな。じゃ、あいつ等が戻ってきたら代わりに風呂を使いに行って戻ってきたら下着をつけるのを許してやろう。」
 「本当ね。約束よ。」
 倫子は自分の部屋へ新しい下着を取りにゆく。その新しい下着を持ってバスルームへ向かうとちょうど忠男と琢也が湯からあがって出て来るところだった。
 「ああ、みっちゃん。いいお湯だった。温泉だし最高だね、ここの風呂は。」
 「ゆっくり出来たかしら。何か、あとで数馬はもう少し一緒に呑みたいらしいのでゲストルームにお酒とおつまみをお持ちしますね。」
 「何から何まで至れり尽くせりで、なんか申し訳ないな。そっちもお風呂を使ってからでいいので慌てなくていいから。」
 琢也も世話をしてくれる倫子に気を使ってそう言って忠男と共にゲストルームへ引き上げていくのだった。

 二人がゲストルームに戻ると、数馬が待っていた。
 「どうだった。なかなかいい風呂だろ?」
 「ああ、最高だったよ。金、掛かってるんだな、この山荘ロッジ。」
 「ああ、まあな。遺産が思いの他沢山入ったんで、設備には奮発したんだ。ああ、俺たちもこれから風呂に入ってくるから、あがったら又少しここで呑み直そうや。」
 「ああ、待ってるから。数馬、ゆっくりでいいぞ。」
 「ああ。」
 数馬が出て行くのを見送りながら、濡れた髪の毛をタオルで拭いながらぼそっと言う。
 「今、あいつ。俺たちって言ったよな。一緒に風呂に入るつもりなのかな、みっちゃんと。」
 「さあ。でも夫婦なんだから、別に変じゃないだろ。あんまり詮索しないことだよ、忠男。」
 「そうだな、琢也。お前の言うとおりかも。」
 忠男も変な想像はしないように、頭の中に沸き上がろうとしていた映像を掻き消すようにそう言うのだった。

倫子

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