妄想小説
宇宙刑事シャイダー アニーに仕掛けられた罠
三
「はっ、こ、ここは・・・。」
正気に返ったアニーは自分が両手、両足を繋がれて磔にされていることに気づく。自由になろうと両手、両足に力を篭めてみるが、手足を繋ぐ枷はびくともしない。
「助けて、シャイダー・・・。」
「おや、漸く気が付いたようだな。女宇宙刑事、アニーよ。」
「お、お前はヘスラー指揮官。私をこんな目に遭わせてどうしようって言うの?」
「射撃の名手も両手、両足をそうやって繋がれちゃあ、手も足も出せないって訳だ。お前にはこれから拷問を受けて貰う。その様を撮影してバビロス戦闘母艦へ送ってやるんだ。きっとシャイダー達は慌てるだろうな。」
「シャイダーはきっと助けに来てくれるわ。」
「そう、お前はシャイダーを誘き出す為の囮って訳だ。のこのこ出てきたシャイダーを捕えるのが本当の目的だからな。」
「シャイダーは簡単にお前たちに負けたりはしないわ。」
「全うに戦ったらこちらに勝ち目はないことはこの前の戦闘でよおく判った。だからな。こっちにはちょっとした秘策があるんだ。愉しみにしておけよ。」
「秘策ですって。いったい、何を仕掛けようっていうの?」
「今にわかるさ。さ、者共。こやつを拷問器に掛ける為に連行しろ。」
壁に磔にされていたアニーに鎖のついた手枷、足枷があらたに取り付けられると壁の枷から一旦外される。四本の鎖はヘスラー指揮官の弟子の戦闘員たちにしっかり握られているのでアニーは逃げることも叶わない。四本の鎖で牽かれていったアニーが連れてこられたのは処刑室らしかった。
「これが何だか判るか、アニー?」
「こ、これは・・・・。」
「そう、三角木馬というやつだ。大昔、人間社会でも使われていたことがあるそうだ。お前にこれからあれに跨って貰う。」
「い、嫌よ。そんな事。」
「者共、アニーを三角木馬に跨らせるんだ。」
アニーの両手首に繋がれた鎖が天井の滑車に掛けられると、どんどん上へ曳かれていく。滑車は三角木馬の真上に設えられているのでアニーは宙吊りになって木馬の上に身体ごと持ち上げられてしまう。
「さ、アニーの両脚を開かせて木馬に下すんだ。」
「や、やめてっ。」
「ふふふ。お前たち、アニーの苦痛に満ちた顔をよく撮っておくんだぞ。」
「ああ、シャイダー。私を助けに来てっ。」
「どうだ、女刑事。苦しいか? もっと苦しませてやる。おい、こいつの両脚に更に重石をぶらさげるんだ。」
「や、やめてっ。ああ、あうっ・・・。」
「さあ、苦しめ。苦しんだ顔をシャイダーたちによく見せてやるんだ。」
「ああ、股が裂けてしまいそう。助けて、シャイダー・・・・。」
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