監禁妻への折檻
四十九
「ほら、あそこ。見てごらん。」
嫌々ながらも数馬に再び連れて来られた立入禁止区域の看板のある山の上を前回より更に登ったところで数馬が指し示したのは古い洋館のようだった。
「あれはこの山のオーナーがかつて棲んでいた屋敷なんだ。もうかなり老朽化してるから普通に棲むにはかなり手を入れないとならないんだけど、あれも一緒に売りに出ているんだ。あそこを少し手を入れて、住むまではいかないけど仕事場には使えないかと思ってね。」
「仕事場? 何のお仕事をあそこでなさるの?」
「まあ、執筆活動さ。そのうち映像作成にも取り組んでみたいと思ってる。映画みたいなもんかな。イメージ作りにああいった古い建物が必要なんだ。」
「イメージ作り・・・?」
倫子にはすぐに何に使おうとしているのか想像が出来ない。しかし数馬の部屋でちらっとだけ見た中世とか魔女狩りとか地下牢みたいな言葉で連想されるような世界を妄想しているのだろうという気はしたのだった。
「行って入ってみるかい?」
「え? 何だか怖そうだからよしておくわ。」
「そうかい。まだ殆ど改修には手がついていないからな。じゃ、また今度。」
そう言われて、倫子はこのところ数馬が蓼科に居る間、大工道具を車に積んで時々居なくなることに思い当っていた。もしかするとここに足を運んで改修作業を始めているのかもしれないと疑い始める。
「ねえ、もうそろそろ戻りましょうよ。」
「あれっ。まだこっちに来て、何もしてないじゃないか。」
「え? 何かするの・・・。もしかして、また私を裸にして縛るつもり?」
「ふふふ。何言ってるのさ。縛られたいくせに。」
そう言うと、数馬はすでに倫子の手首を捉えて後ろ手に捩じり上げていた。
「ああ、駄目よ。そんな・・・。」
倫子は抗おうとするが、片腕を背中に捩じりあげられているので動くに動けない。その間に、ブラウスのボタンはどんどん外されてしまう。袖から腕が抜き取られてしまうと手首には既に縄が巻きつけられあっというまに上半身裸で両手を縛られた状態になる。手の自由を奪われると下半身に纏っていたものを奪い取られるのに何の抵抗も出来なかった。
「さ、姫。処刑台に向かって歩くのだ。」
全裸に剥かれて後ろ手にに戒めを受けた倫子は、数馬に縄尻を取られて以前連れて来られた山の中の広場に向かって歩かされる。
「え、これはっ・・・。」
以前には数馬が簡易的に樹の幹に横棒を括り付けただけの磔用の十字架があった場所に、この時にはいかにも立派な処刑台のように太い横木が渡されたものが作られていた。
(いつの間にこんなものを・・・。)
倫子が啞然としているうちに数馬はズボンをかなぐり捨ててブリーフ一枚になっており、その前部はあからさまに勃起しているのが見て取れる。縄が一旦解かれて倫子は渡された頑丈そうな横木に両手を括り付けられていく。
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