監禁妻への折檻
三十五
「で、どうだったの。貴方の昔の同期仲間を山荘ロッジに呼んだ時の首尾は?」
「ああ、お前にいろいろ教えられたのを試してみたよ。前日にあそこの毛を全部剃っちゃって、当日は迎え入れる直前にパンティを奪ってノーパンで応対させたんだ。」
「どう、効果あった?」
「ああ、多分ね。そして夜は二人で風呂に入って縛ってから尻のスパンキングさ。ゲストルームに居る客たちにも聞こえるように窓を開けて叩いたら、声を出さないように必死で堪えているから俺の白ブリーフを咥えさせてやったら、それを噛みしめて堪えていたよ。」
「アンタも結構えげつないこと、出来るわね。」
「そして夜は手錠と縄で繋いでベッドから出れないようにしておいて紙おむつを当てて放置さ。」
「へえ。で、どうなったの?」
「ああ、それが男同士でその後呑んでて俺が酔い潰れちゃってさ。」
「じゃ、朝までその恰好のままで・・・?」
「いや、縄を何とか自分で解いたらしい。でも紙おむつのせいで助けを求めることは出来なかったらしい。」
「ふうん。紙おむつは自分で思いついたの?」
「ああ、咄嗟にその時思いついたんだけどね。偶々、その前にあいつを恥ずかしがらせる為に出入りの三河屋って配達の男に注文して持ってこさせたんだ。生理用品といっしょにね。」
「生理用品って、奥さん用の?」
「ああ、勝手にストックが無くなって困ってるらしいからって電話してね。」
「アンタもいろいろ思いつくわね。教え甲斐があるわ。」
「その配達の男の前では、お前に教えられたノーパンで応対するってのをさせてみたよ。そうそう、おしっこを我慢の限界までさせて配達屋が隣の部屋に居るところで洗面器に洩らさせてその音を配達屋にも聞こえるようにしたんだ。何の音だったか俺が教えたと思い込ませたら、もう恥ずかしくてその男には顔を合わせられなくなったみたいだ。」
「悪い人ね、アンタって。じゃあ奥さん、だいぶアンタに調教されてきたって訳ね。」
「まあな。でもちょっと心配なこともあってね。」
「何が・・・?」
「どうも俺が酔い潰れていた朝に、うちに来た昔の恋人と二人で逢ってた節があるんだ。」
「何か証拠があったの?」
「いや、そこまでは無いんだが何となく朝の様子が変だったのでね。今度、二度と変な恋心を抱かないようにあの男の前で懲らしめてやろうと思うんだが・・・。」
「ちょっと、それ。成功したら是非聞かせてね。興味あるわ。」
「ああ、そのうちな。」
数馬は今度は朱美の入れ知恵ではなく、妻の倫子を懲らしめるうまい方法はないかと頭を巡らすのだった。
久々に東京での勤めをして朱美のアパートに泊まった後、蓼科に戻ってきた数馬は山荘ロッジに戻る時に別荘街の入り口にある三河屋を通り抜ける際に配達用の軽トラックが停まっているのを見つけて店に寄ってみることにした。
「あれっ、木崎さんじゃないですか。珍しいですね。」
「ああ、軽トラを見つけたんでね。君が居るんじゃないかと思って寄ってみたのさ。」
「はあ、私が・・・?」
「今でも我が家に配達はして貰っているのかな?」
「ああ、ええ。今日も配達はしてきました。でも・・・。」
「でも?」
「あの、何故か最近奥様が顔をお見せにならないんです。もしかしたらこの間のことで奥様がお叱りを受けて、私を避けてらっしゃるのではないかと思ったんですが・・・。違いますか?」
「私が妻を叱って? ああ、それは誤解だよ。君の咄嗟の動きで妻が椅子から転げ落ちるのを救ってくれたんだってね。その節はありがとう。礼を言わなければならないのは私の方だよ。妻は何か勘違いをしてるのだろう。そうだ。今度、うちへ呑みに来ないか。今晩でもかまわないが。いつもは車だから飲めないだろ。たまには車じゃなくてうちへ来たらいい。」
「え、そうですか。奥さんが誤解してるんだったら是非ともそれを解いておかなくっちゃ。あ、今日はもうすぐ仕事もあがりなんで・・・。本当にいいんですか?」
「ああ、待ってるからおいでよ。」
数馬は自分の山荘ロッジに来るように誘っておいて、倫子が待つ家に戻るのだった。
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