監禁妻への折檻
二十八
「だ、駄目よ。こんなところで・・・。」
「何が駄目なもんか。さ、この膨らみがお前の口を待ってるのがわかるだろ。もう、こんなになっているんだ。まずはブリーフの上からしゃぶりついて来るんだ。」
「ああ、貴方。お願いっ。こんなところでそんなことをさせるのは許してっ。」
「駄目だ。さ、しゃぶるんだ。」
数馬は跪いてしゃがみこんでいる倫子の頭をつかまえて、無理やりにも自分の股間に導こうとする。その時だった。
「あ、あれはエンジン音よ。車が近づいて来るっ。」
山道を登ってくる車の音が遠くから聞こえてきたのだ。それは確実に二人の方へ向かってきているようだった。
「お願い。貴方、縄を解いてっ。あ、もう間に合わないわ。貴方、ズボンだけでも上にあげて。」
倫子は縄を解いて貰ってから胸のボタンを留め直すのはもう無理だと悟ると、ズボンをしぶしぶ腰まであげて穿き直している数馬の後ろに隠れることにする。縛られている両手を見られる訳にはゆかない。かといって前は乳房が丸出しなのだ。倫子は数馬の背後に隠れて何とかやり過ごすことを考えた。
カーブの向こうから見えてきたのは三河屋の軽トラックだった。乗っているのは勿論よく知っている配達の俊介だった。倫子は数馬の背中にぴったりくっつくようにして丸出しの乳房を隠し、首だけ数馬の肩口から顔を出すようにする。
俊介の方も気づいて車のスピードを落とす。
「やあ、木崎さん。今日も暑いですね。」
俊介のほうも相手に気づいて車を停めると運転席の窓を開けて挨拶する。数馬も脱いでいたTシャツを何時の間にか拾い上げて肩に掛け、暑さに堪らなくなって脱いでいた風を装う。
「ちょっと散歩に出てみたんだが、Tシャツ一枚だけでも暑くってつい脱いでしまったよ。」
「山を登ると汗掻きますからね。奥さんもご一緒ですか。」
「ええ、俊ちゃん。わたしも偶には運動しないとと思って・・・。」
「仲が良くていいですね。じゃ、俺はまだ配達があるんで。」
「ああ、じゃまた。」
そう数馬が挨拶すると、俊介は何も怪しまずに軽トラックを再スタートさせる。
軽トラックがカーブの向こうへ消えていくのを見守った二人だったが、さすがにもうそれ以上は出来ないと数馬も諦めた風だった。
「続きは山荘ロッジの中でしようか。」
そう言うと倫子のブラジャーを引き上げ、ボタンを二つだけ留めて乳房を隠した数馬だったが後ろ手に縛った縄は解こうともせず、倫子の肩を抱くようにして山荘ロッジへと戻り始めたのだった。
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