監禁妻への折檻
三十六
ピン・ポーン。
「おう、俊介くんか。入って、はいって。」
数馬は早速やってきた俊介を勝手口からキッチンに引き入れる。
「車じゃないよね。」
「ええ。今日は店の自転車で来ました。」
「じゃ、まずビールを一杯。私も飲むから。じゃ、まずカンパーイ。」
俊介は渡された缶ビールを開けると乾杯して一杯口に含んでから尋ねる。
「あの、奥さんは今日はいらっしゃらないんですか?」
「ああ、倫子。居ると思うよ。今、呼んで来るから待ってて。」
そう言うと、倫子が居る筈の妻の部屋に向かうのだった。
「倫子。お客さんが来てるので応対してくれないか。」
「え、お客さん。突然、こんな時間に誰ですの?」
「行けばわかるさ。おっと、その前にして貰わなくちゃならないことがある。」
数馬の言葉に嫌な予感が倫子の脳裏を駆け巡る。
「え、何でしょうか?」
「ショーツを脱ぐんだ。」
数馬の口調は単刀直入だった。妻に向かってノーパンになれというのはこれが三度目だった。夫の鋭い視線を見て、倫子は口答えしても無駄だと悟る。
「わ、わかりました・・・。」
倫子は素直にスカートの尻側から手を入れてショーツを引き下ろすと脚から抜き取る。数馬が手を出しているので渡さざるを得ない。
「じゃ、今度はこれを着けなさい。」
夫が背後に隠し持っていたのは紙おむつのパックであるのに気づくのはすぐだった。
「こ、これを着けろと・・・。」
「そうだ。」
前回は後ろ手に縛られていて、何も抵抗出来ないまま付けさせられたのだった。今回は自分で付けろというのだった。
(どうして、こんなものを・・・。)そう聞きたい気持ちはやまやまだったが、答えが返って来る筈もないと倫子は観念する。
「わかりましたわ。でも・・・。」
言えたのはわずかにそこまでだった。
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