二度目呼出し

凋落美人ゴルファーへの落とし穴



 第一部



 九

 「ヨン・クネです。こちらに参上するようにマネージャーの鮫津さんに言われて参りました。」
 最初にオーナーである社長に面談を受けた都心の高級ホテルの一室に試合後すぐさま駆けつけたヨンは前回と同じように薄い生地のカーテン越しに自分だけスポットライトの照明を受けて社長と対峙することになる。
 「何故ここに呼ばれたかは分かっておるんだろうな。」
 「あとちょっとで優勝出来るチャンスを逃した・・・っということではないですよね。」
 ヨンは鮫津から言われた一言が自分が調子を崩す前だったことを思い返していた。
 「ほう。それでは自分でも自覚があるということだな。」
 「あ、あの・・・。アンダースコートのことでしょうか? あれは鮫津さんがデセックスのウェアを送って下さった時に、アンスコを入れ忘れたようだったので仕方なく自分が以前に使っていたのを着用することにしたのです。あれがデセックスのブランドのものでないことは重々承知していました。でも・・・。」
 「言い訳は無用だよ、ヨン・クネ君。君には罰を受けて貰う。」
 「えっ? ば、罰って・・・。」
 「全裸になってそこの台の上に乗って、そこに置いてある目隠しを当てるのだ。」
 ヨンが指し示された方を観ると、テーブルの上に何やら拘束具のようなものが据えられている。契約では社長から命じられたことは全て従わなくてはならない。ヨンは理不尽な思いを抱きながらも服を一枚ずつ脱いでいく。最後のショーツを脚から脱ぎ取ると指示された台の上に這い上がると置いてあったアイマスクを顔に着け四つん這いの姿勢になる。男が近づいてくる気配が感じられたと思う間もなく、ヨンは自分の両手と両足首が冷たい金属の拘束具で繋がれるのを感じる。両手両脚を拘束されたところでアイマスクが外されるとヨンは自分の姿に唖然となる。

目隠し四つん這い

 「ど、どうして・・・なのですか?」
 思わずヨンは抗議の言葉を口にする。
 「何故罰を受けねばならないのか、自分で思うところを言ってみたまえ。」
 「えっ? 何故、罰をって・・・。アンスコを勝手に着けたことがいけなかったのですか。だって、あんな短いスコートではラインを読んだりカップからボールを拾いあげたりするのにどうしてもスコートの中が覗いてしまいます。送られてきたショーツでは股間が透けてしまいます。それでなくても女子ゴルファーがスコートの中を覗かれるのはとても恥ずかしいことなのです。」
 「ふうむ。君は我々のデセックスのコンセプトが全然分っていないようだね。デセックスにはアンダースコートという概念は無いのだよ。」
 「アンダースコートの概念は無いって・・・?」
 「デセックスはセクシーさを最大限に強調するブランドなのだ。パンティを覗かれてもいいようにするアンダースコートというのはセクシーさの真逆の発想なのだよ。アンダースコートを穿いているからスカートの中が見られてもいいというのはデセックスの中には無い世界なのだ。」
 「そ、それでは最初から私に送られたウェアにはアンスコは含まれていなかったのですか?」
 「君には勝手に我が社の公式ウェアには無いアンスコを穿いて試合に出た罰を受けて貰う。」
 「で、でも・・・。契約では社長と二人だけの際には何でも言うことを聞く約束になっていますが、それ以外の場所では自由だった筈です。」
 「そう、その通りだ。だが、二人だけになった際にはどんな罰を私がお前に課すのも私の自由の筈だ。お前は私と二人だけの時以外はどんなことをしても自由だ。ただし私と二人っきりになった時にそのせいでどんな責め苦を受けることになってもそれは私の自由という訳さ。お前が自由気儘にするのを選ぶか、私と二人っきりの時の罰を懼れて私に忖度するかはお前の自由意思で選べるという訳さ。」
 「え、そんな・・・。それでは、私は何時でも貴方の言うがままにしなければならないということじゃありませんか。」



yon

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