アンスコ無し初戦

凋落美人ゴルファーへの落とし穴



 第一部



 十一

 その日からヨンは実質アンダースコートを身に着けてプレイグラウンドに立つことは許されなくなった。スコートの下に身に着けていいのは内部が透けそうな薄い素地のショーツのみなのだった。その為、あそこの処理は念入りに毎日行わなければならなかった。少しでも伸びてくると素地を突き抜けるようにして生え始めた硬い毛の先が薄っすらと出て来てしまうからだ。
 プレイ中の所作にも変化が現れてきた。少しでも油断するとスコートの裾から下着が覗いてしまう。しかもそれがアンスコではなくショーツであることがばれてしまうと大変な反響を呼ぶのは間違いないことだったからだ。
 最も気を使うのが腰を屈めて、しゃがんでグリーンのラインを読む時だった。ヨンのタイトなミニスカートは立っている時や脚を折らずに身を屈める時は意外にスカートの中は覗かないが、脚を折ってしゃがむとどうしてもスカートの奥が丸見えになってしまう。それをヨンは脚を決して不用意に開かないようにしながらクラブを持つ手で何とかカバーするのだった。

アンスコ無ししゃがみ

 それがヨンの集中を妨げ当初のうちは成績に悪く影響したのだが、だんだん身のこなしに慣れてくると意識せずともスコートの中を覗かせずに立ったりしゃがんだりが出来るようになり、それと共に集中力もあがってきて成績は徐々に上向いていった。
 そのヨンの身のこなしは意外なところにも波及していったのだった。

 「XXさん。ヨン・クネ選手ですがこのところ調子は上向きのようですね。」
 「そうですね。まだ一時の賞金女王を欲しいままにしていた頃の成績までは戻っていませんが、何と言ってもセクシークィーンの異名を取っていた頃のスタイルは全然衰えていませんよね。最近は日本人の若い女子プロゴルファー達も隣国勢に倣ってミニスカートが増えてきましたが、アンスコ丸出しにしてしゃがんだりするのは頂けませんな。そこへいくとヨン・クネは身のこなしがセクシーなのにエレガントですよね。」
 「・・・・。」
 ヨン・クネのプレイを解説していた解説者はもうすこしでスカートの中が見えてしまわないのが惜しいくらいだと言ってしまいそうだった。
 「えー。報道の中で不適切な表現があったことを撤回して謝罪致します。えー、それでは先程の18番ホールの映像に戻ります。」
 解説者の相手をしていたアナウンサはインカムにディレクターからの不適切発言の謝罪をするように指示が出たのを、何のことだったかは曖昧にして何とか乗り切ったのだった。それは日本人女子プロプレイヤーに対するセクハラ発言に繋がり兼ねないからだった。



yon

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