
凋落美人ゴルファーへの落とし穴
第一部
十二
「どうだね、このところの調子は?」
スポンサーである社長にホテルの部屋へ再び呼ばれたヨンはこのところの調子について尋ねられる。ヨンは社長が自分の成績については知らない筈はないと思いながらも答える。
「あの・・・。まだ最高潮とまでは行きませんが、徐々に上向いてきているとは思います。」
「それは、我が社ブランドのウェアにも慣れてきたということかな?」
すぐにヨンはアンスコ無しの短いスコートでプレイさせられていることを差しているのだとすぐに気づくが、そのことには触れないようにする。
「ええ、デセックスのウェアは評判もとてもいいですし、着慣れて来たとは思います。」
「アンスコ無しでスカートの下のショーツを覗かれないようプレイすることにという意味かね?」
社長のあまりのストレートな言い方にヨンはどう答えていいか戸惑う。
「君は最近またセクシークィーンの異名を復活させたとマスコミに騒がれているようだね。」
「え? ええっ・・・。そんな噂は私も聞いております。全ては社長のおかげです。」
(あなたがアンスコ無しの超ミニスカでプレイさせるからだ)と詰りたい気持ちをぐっと抑えるヨンだった。
「君の超ミニスカのウェアでの立ち振る舞いは、実にエレガントでセクシーだと評判だからね。」
「あ、ありがとう・・・ございます。」
「もうアンスコ無しどころか、ショーツも無しのノーパンでもプレイしてもいいぐらいだろ。」
「え? そ、それは・・・。」
(それは出来ません)ときっぱり言い切ってしまいたかったヨンだったが、ここで社長の機嫌を損ねると本当にそんな命令をされかねないと言葉を濁す。
「まあ、さすがに公式トーナメントではテレビ局のカメラも入っているからな。万が一スカートの中が映ってしまったら放送事故にもなりかねん。そうなると我が社のブランドにも影響が出る惧れがあるからな。」
社長が本気でノーパンで試合に臨ませようと思っているのではないことを知ってほっと胸を撫でおろすヨンだった。
「しかし、放送局のテレビカメラが入る公式トーナメントでなければ可能性はなくはないな。」
「え? な、何ですって・・・。ま、まさか。」
「君。あの壁に掛かっている絵は何だか分かるかね?」
突然社長は話題を変えたようだったので面喰って、社長が指差すホテル内の部屋に掛かった一枚の額のほうを振り返る。

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