
凋落美人ゴルファーへの落とし穴
第一部
十五
その後すぐに始められた前半は完全にヨンのペースで進んでいった。社長連はゴルフはやり慣れているとは言っても高齢者ばかりだ。もっとも上手く打ったホールでもパーに一打届かないボギーまでだった。一方のヨンは常に二打以上を上回る成績で、若干危なかったパーで回ったホールでも相手のミスでダブルボギーになったのでぎりぎり二打を確保してイーブンを確保したのだった。
「いやはや、さすがだねえ。1ホールぐらいは勝利出来ると思っていたんだが、完全に封じこめられるとは。」
「いえいえ。偶々のことですわ。皆さんのゴルフの腕もなかなかなので一瞬たりとも気を抜けませんでした。」
そう言いながらも前半の18ホールを一枚も脱がされることなく終えることが出来てほっとしたヨンではあったが、こんな素人相手に負けて衣服を脱がされることなどあり得ないと試合への意気込みを熱くしたのだった。
「それじゃ、後半に入るのはクラブハウスで一旦喉を潤してからにしようか。」
このストリップゴルフを企画したらしいパーマーと名乗る男に引き連れられて一旦クラブハウスへ戻ったヨンだったが、まだ緊張感は拭えないでいた。
「我々四人は後半戦での望みを捨てていないんでノンアルコールビールにしようと思うが、君が何にするかね?」
「そうですね。ではジンジャーエールをお願いします。」
その時、パーマーと名乗る社長はクラブハウスのスタッフに目配せしていたのにヨンは気づいていなかった。ヨンの元に運ばれたジンジャーエールには強烈なアルコールが密かに仕込まれていたのだった。
「君。ソフトクリームはどうかね。ここのソフトクリームはピカイチと評判の品なんだよ。」
そう言ってきたのは、ウッズと名乗る社長の一人だった。
「いえ、私は甘いものは控えていますので・・・。」
そうやんわりと断ったヨンだったが、ボーイからソフトクリームを受け取ったウッズはヨンの目の前でそのソフトクリームを取り落とす。

ウッズが取り落としたソフトクリームはヨンの超ミニのスコートの股間部分の裾にものの見事に命中していた。
「きゃあっ・・・。」
悲鳴をあげるヨンにソフトクリームを落としてしまったウッズは平謝りになって慌てて自分のハンカチを取り出してヨンの股間を拭おうとする。
「あ、いえっ。大丈夫です。自分で拭えますから・・・。」
そう言って自分のスカートの裾を拭おうとするウッズを制止するヨンだった。しかしそれでもヨンが拭った後のスコートの股間部分にははっきりとソフトクリームの沁みが残っていたのだった。
「も、申し訳ない。そんな沁みを作ってしまって・・・。」
「大丈夫ですわ、ウッズさん。マネージャーの鮫津が替えのウェアを持って来ている筈ですから。」
そう言ってウッズを宥めて鮫津の元へ走り寄ったヨンだった。
「何か替えのウェアはあるわよね。」
「あ、ええ。ですが・・・。」
言い淀む鮫津にヨンは言い放つ。
「いいわよ。何でも・・・。こんな股間に沁みの付いたスコートで後半に臨む訳には行かないわ。」
しかし鮫津が持ってきた替えのスコートを見てヨンは逡巡する。

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