
凋落美人ゴルファーへの落とし穴
第二部
四十四
「聖水酒? そいつはいいや。いや、その方が何倍もいい。大賛成っ。」
誰か男性客の一人がそう叫ぶと会場じゅうがやんやの喝采になっていく。
「さ、早くこのカーテンの後ろにお立ちになって。皆さん、お待ちかねよ。」
「え、で、でも・・・。」
ヨンはリ・ジウから押されるようにしてカーテンの後ろに追いやられる。
「さ、じゃあそのミニスカートの下に穿いているものをお脱ぎになって。」
「何ですって? ここで下着を取れって言うの?」
「あら、パンツ穿いたままオシッコするつもり?」
「え、オシッコって・・・。」
「聖水って言えばオシッコのことに決まってるじゃない。そんなの子供だって知ってるわ。」
「わ、わたしが・・・。今、ここでオシッコを出さなければならないの。」
「そうよ。貴女が言ったんじゃないの。ワカメが生えてないからワカメ酒が出来ないんだって。それであの王様のお客様が代わりに聖水でもいいって助け船を出してくださったんじゃないの。」
「そ、そんな・・・。」
ヨンはどんどん追い詰められていく。
「パンツ穿いたままお洩らししたければそれでもいいけどね。でもゴブレットの中にお洩らしを命中させるのは難しくなるわよ。」
「あああ・・・。わ、わかったわ。」
ヨンは男が穿いていたものを脱いで貸してくれたブーメランパンツを下ろして足から抜き取る。

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