
凋落美人ゴルファーへの落とし穴
第二部
三十五
その作業は罰ゲームを指名された者がバナナを咥えようとした際に滑ってなかなか咥えこめないようにする意地悪に他ならなかった。
更には咥えたバナナを挿し込む側の帽子掛けも取り払われて、代わりに巨大な穴の開いたボードの衝立が立てかけられる。そのボードには両手、両脚を戒められ大きく広げた女性の股間の中心に穴が穿たれているのだった。
まさかそんな段取り替えが行われているとは知らない目隠しをされたヨンは、只の帽子掛けに取り付けられたバナナだと信じ切って、全裸にこれ見よがしに股間のバナナをペニスのように屹立させているダビデ像に向かって近づいて行くのだった。
バナナが差してある位置は人間の腰の位置になるので、身を屈めなければならない。両手を使えず後ろ手に手錠を掛けられているヨンが立て膝を突いてステージ上にしゃがみ込めばミニスカートの裾から下着が丸見えになってしまう。それも計算に入れての企みなのだった。目隠しをさせられたヨンはつい下半身が恥ずかしい格好になってしまっているのを忘れてしまうのだった。

「さあ、ヨンさん。目の前にはバナナがありますよ。でもそれは皮が半分しか剥いてないので、まず始めにそのバナナの皮を根元まで口で剥き広げてくださいっ。」
司会者が言う言葉にアイマスクで事情が呑み込めていないヨンは手探りも許されない後ろ手の手錠のまま這うように近づいていくと、頬にあたったバナナの先端でその場所を探り当てると、顔を横にしてバナナの皮を唇だけで剥いていくのだった。

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