パンチラ晒し

凋落美人ゴルファーへの落とし穴



 第二部



 三十二

 両手を拘束されて自分では籤を引くことが出来ないヨンは、リ・ジウに代わりに籤を引いて貰うことになる。王様ゲームからは一刻も早く抜けたいヨンだったが、ゲームを続行して自分が王様を引き当てない限りは下手すればパーティの終了まで手錠は外して貰えないことを悟って、リ・ジウに代行して貰いながらゲームを続けるしかないのだった。しかしその後も王様ゲームは続けられたものの、ヨンには一向に王様を引き当てることは出来ず、ミニスカートから丸見えのパンティを晒したままの格好を強いられ続けたのだった。

 「はい、次の王様は誰かしら? 名乗り上げてっ。」
 司会役の加代がゲーム参加者を見回すと仮面で眼を隠した男が手を挙げる。
 「はーい。じゃあ、罰ゲームは何にしますかぁ?」
 「ふむ。うっぷ。よおしっ。俺が口に含む酒を口移しで呑んで貰うぞ。」
 「あーら。口移しでぇ、ですかぁ? 相手が男の人でもいいんですかぁ?」
 「ああ、勿論だとも。うっぷ。」
 その男性はもう相当に酔いが回っている様子だった。
 「わかりました。それでは口移しのお酒を受ける罰ゲームの相手をご指名ください。」
 「あーっと、それじゃ相手は4番にするぅ・・・。」
 その声を聞いてヨンは絶望的になる。代わりに籤を引いて貰ったリ・ジウからこっそり見せられた籤の番号は4番だったからだ。

 「あーら、貴女。籤運がとっても悪いのね。また当たっちゃったわね。」
 リ・ジウは可哀そうにと言葉では言いながらも目は笑っているのだった。
 遠くで王様に当った男が一番強い酒らしいウォッカをダブルで注文しているのが聞こえてきていた。それを呑まされるのだと知ったヨンは首を項垂れて覚悟を決める。
 男がウォッカが入ったグラスを手に足取りも覚束なげにヨンが繋がれている壇上にやってくる。両手を手錠でスツールの背もたれに繋がれているヨンには逃れる手立ては何も無いのだった。男が一瞬足許が怪しくなりふらついてヨンの無防備な胸の膨らみを掴むのをヨンにはどうしようもなかった。ヨンの乳房を手摺りでも掴むかのようにしっかりと片手で握り締めるともう片方の手に持っていたグラスを一気に呷る。そのままヨンの唇に持っていくと一気に喉元にきついアルコールを流し込んで来る。そのまま喉奥に流し込むしかなかった。

口移し

 男はヨンがきつい酒を何とか喉元に流し込んだ後も、唇に押し当てた自分の唇も、しっかり掴んた胸元の乳房もなかなか放そうとはしないのだった。その様子にギャラリーの客たちはやんやの喝采を浴びせる。

 王様になった客から無理やり呑まされた強い酒はすぐに効いてきてヨンは一瞬頭がくらっとなる気がした。その分、羞恥心も和らいだのかそれでなくても短いスカートの裾から覗いてしまうデルタゾーンを少しでも露出を少なくしようとぴっちりと合わせていた腿と腿の間の膝頭が少し弛んできているのにヨン自身も気づいていなかった。

 ヨンはリ・ジウがいみじくも言ったように籤運が悪いのだと思い込んでいた。しかし実はからくりがあってリ・ジウ達がヨンを陥れる為に仕組んだ罠だったのだ。籤には実際は全て3番か全て4番しかないのだった。だからヨンには3番を引くか4番を引くかしかない。勿論他のメンバーも同じ番号を引いているのだがお互いに見せ合わない為に他のメンバーが何を引いたのかはヨンだけが知らないのだった。そして罰ゲームをヨンにやらせる回には全て4番になっている籤を使い、気づかれないようにヨンには罰ゲームが当たらないようにする回には全て3番の籤が使われていたのだ。勿論王様になる人間も予め順番が決められていて、何番の籤を引こうともシナリオで王様になる回になると自分が王様を引き当てたと手を挙げる仕組みになっていたのだった。



yon

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