壇上パンチラ晒し

凋落美人ゴルファーへの落とし穴



 第二部



 三十三

 「ねえ、リ・ジウ。そろそろあれをやるタイミングじゃない?」
 「え、あれって?」
 リ・ジウ自身はそれに気づいていたが、敢えて自分から言い出したのではないという立場を取る為に態と惚けてみせたのだった。
 「あ~ら、分かってる癖に。バナナ運びゲームよっ。」
 「えっ、あれ? でもあくまでも王様ゲームは王様になった人が罰ゲームを選ぶのよ。」
 「でも、あのゲームは準備がいろいろと要るでしょ。だから先に準備だけしておけば・・・。」
 「そうね。貴女がそう言うなら準備させておけば・・・。」

 「さあ、次の王様ゲームの始まりです。あれっ? 何でしょうね。何やらステージに運びこまれてきましたが・・・。もしかして、それってあのゲームかしら? さあ、皆さん。次の籤を引いてみて下さい。さ、次の王様はどなたかしら?」
 「はーい。俺様だよ。そして次の罰ゲームは勿論、この準備にふさわしいバナナ運びゲーム。」
 会場からざわざわとどよめきが沸き起こる。会場のメンバーは殆どがそのゲームが何かを知っている様子だった。
 (バナナ運びゲーム・・・? え、何なのかしら。)
 何のことか分からないヨンはただただ不安におびえるばかりだった。

 「あっ、バナナ運びゲームが何なのかご存じないかたもいらっしゃるみたいですね。それじゃ、アシスタントのミクちゃんにバナナ運びゲームを実演して貰うことにしましょう。ミクちゃん? いいですか?」
 「はーい。ミクでぇーすっ。」
 舞台袖からあらかじめ示し合わせていたらしく、ミクと呼ばれたミニスカートのアシスタントが突然現れる。
 「えーっ。バナナ運びゲームは、罰ゲームにあたった人がステージ上に設置された帽子掛けに予め突き立てられたバナナの皮を剥いて、口で咥えて反対側にある孔状のもう片方の帽子掛けにそれを刺して貰うゲームです。但し、ただ咥えて差すだけでは簡単すぎるので、罰ゲームの演者は目隠しをして貰う必要があります。それとこのゲームには一切手を使うことは禁止です。それじゃ、ミクちゃん。実際にやってみてっ。」

 ミクと呼ばれたアシスタントの女性がステージ上にアイマスクを付けられて上がると両手を背中で組んでバナナが突き立てられた帽子掛けにそろそろと向かうのだった。



yon

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