
凋落美人ゴルファーへの落とし穴
第二部
四十
ヨンは下着を提供せざるを得ない状況にまで追い詰められていた。
「あの、化粧室で下着を脱いで持って来るのでは駄目ですか?」
「あら、それじゃ貴女が本当に身に着けていたっていう証拠にならないじゃないの。ヨン・クネが本当に身に着けていたからこそ価値があるのよ。ここで脱いで見せなくちゃ。」
「うっ。わ、わかりました。」
ヨンは仕方なくカーテンの裏側に姿を隠す。

カーテンの向こう側でヨンがゴルフウェアのポロシャツを捲り上げ、ブラジャーのホックを外して脱ぎ取るとそれを床に置かれた籠にポトリと落とす。それを見た観客からは(おーっ)っという歓声が上がる。続いてショーツを膝まで下したヨンが片足ずつそれを抜き取ると固唾を呑んで見守っていた観衆からまたも大きな歓声が上がる。
脱ぎ取った下着はカーテンの衝立の向こう側に控えていた黒服によってすぐさま回収され、中身が他の客たちが提供した品々と同じ様に透明なアクリルボックスの中に収納される。

カーテンの裏からヨンはステージ上のリ・ジウに声を掛ける。」
「ねえ、リ・ジウさん。もうこれ以上は無理だわ。ノーパン、ノーブラでこんなウェアの格好ではもう会場には戻れないわ。もうこれで帰らさせて。」
懇願するヨンにリ・ジウは冷たく言い放つのだった。
「貴女には最後までパーティに参加して貰うわ。それが賭けの条件だった筈よ。」
「で、でも・・・。私のスカートはこんなに短いのよ。こんなスカートでノーパンなんて無理だわ。」
「分かったわ。そのミニスカートでノーパンが無理なんだったら、私が助け舟を出してあげる。」
そう言うと、リ・ジウはマイクを片手にステージの中央に立つ。

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