ミニ挑発

妄想小説

地に堕ちた女帝王



 八

 こうして、紗姫にとっては一応の平穏な日々が復活した。これまでと同じように、自分の部署とは関係のない資材部別館の喫煙ルームで昼休みの一時を過ごす日々だ。変わらなかったのが、男からの命令で更に短くさせられたスカート丈だった。紗姫には一旦短くしたスカートを再び長く戻すなどということは紗姫のプライドから言ってあり得ないことだった。それにその短さでも下着を男たちに晒したりしないだけの自信があったのだ。紗姫の脚線美は益々まわりの男たちの垂涎の的となっていったのだった。

 その日も、これまでと変わらず、極端に短い制服のスカートから惜しげもなく露にされた太腿を晒しながら煙草をくゆらす紗姫と、喫煙室の反対の隅で紗姫の腿の付け根付近をそれとなく横目で窺がう日下憲弘が居た。紗姫の張りのある太腿はミニスカートの下でぴったり付き合わされるようにして組まれているので、下着が覗いたりすることは全く無かった。それでもそちらを気にせざるを得ないのは男の性だった。

 紗姫の傍らには、その日もコバンザメのように付き従う子分の百地真美が寄り添っていた。
 「じゃ、いこ。マミーっ。」
 紗姫が声を掛けると、命令されたかのように、すくっと隣の真美が立ち上がる。今日も覗けなかったミニスカの奥のことを懐かしげに思い出しながら、去ってゆく紗姫の後姿の太腿を見送る憲弘だった。

連行

 二人の姿が階段の向こうに消えると、すぐさま憲弘は喫煙ルームの席を立って、事務所へ戻り何気なく窓際の前に佇む。そこから階下を見下ろすと、工場の建屋のほうへ戻っていく紗姫と真美の姿を遠めに覗き見ることが出来るのだ。やがて資材部別館の正面玄関を出た二人の姿が視界にはいってくる。上から覗かれていることに気づいていない二人は、何やら話しながら憲弘の見下ろす前を通り過ぎ、やがて北側の崖の外階段を工場の建屋のほうへ上がってゆく。
 仲良しそうにいつも手を組んで寄り添いながら歩いていく二人だったが、憲弘が見ていて、どうしても只の仲良しのようには思えないのだった。紗姫のほうが、真美の手を後ろから取るように腕を組んでいるのだが、歳は紗姫のほうが若いのは間違いなさそうだった。しかも二人の会話を聞いていて、真美のほうは結婚していて、子供も居るらしかった。年上の真美のほうが紗姫にいつもかしずくように寄り添っていて、一見してどうみても真美の方が紗姫の子分のようだった。
 (あの二人、何かある・・・。)
 何となくそう直感した憲弘はその秘密を何としても嗅ぎ付けたいと密かに思うのだった。

 その数日後のことだった。誰でもが眠くなる午後の一時、眠気を煙草で覚まそうと喫煙ルームで一服してから事務所に戻ろうとしていた憲弘の目に二人の姿が映ったのだ。いつも見る昼休みとは逆で、工場の建屋のほうへ繋がる崖の外階段をこちらに向かって歩いているのだった。
 二人とも工場内巡視の帽子と腕章をしていて、手にはチェックリストを挟むクリップボードも抱えている。昼休みと違って二人は肩を組むでも手を繋ぐでもない。が、階段の途中まで降りると、紗姫のほうが辺りを一度見渡してから、手にしたクリップボードを真美のほうへ渡し、自分は真美の腕を取ったのだ。
 憲弘の居る元資材部別館で、今は建物の名前だけにその由来が残っている資材部のある建屋は、工場の隅にあるので、人通りは昼間でも殆ど無い。しかも、そこだけ崖下の狭い敷地になっているので、工場の方からは見通しが利かないのだ。

 憲弘は何とは無い虫の報せのようなものを感じて、そっと事務所を出た。その時間は偶々他の資材部の連中は会議や何かで出掛けていて、誰も憲弘のことを見咎めるものは居なかったのだ。階段を下りた二人は腕を組んだまま資材部がある資材部別館の建屋の裏手へ向かったようだった。そっと音を立てないように憲弘もそちらの方へ向かう。

 資材部別館の1階は殆どが機械ルームになっているので、普段からひと気はない。ブーンという微かな機械音がするばかりで、静まり返っている。その更に裏手となると、葉を大きく茂らせた西洋杉が鬱蒼と木陰を作り、反対側にはずっと竹林が続いていて、昼間でも淋しげな場所だった。その裏手には不要となった什器をしまう物置小屋のプレハブが数棟立っているに過ぎない。
 二人に気づかれないようにそっと建物の陰から様子を窺がう憲弘の目に、プレハブ物置小屋にこっそり入っていく二人の姿が見て取れた。
 憲弘は暫く待ってから、音を立てないように細心の注意を払って、そのプレハブに近づいていったのだった。

プレハブ小屋

 最初憲弘の目に飛び込んできたのは、白く長い脚だった。一目で紗姫のものと判る張りのある美しい肢体だ。しかし、憲弘が覗き込んだ側からは、立てかけられた机が邪魔して、膝の少し上までしか見えない。もう一人の真美が紗姫の足元にひれ伏している様子だった。
 プレハブは何の為か、窓の内側から古新聞紙などで目張りがしてある。その僅かな隙間から憲弘は覗き込んでいるのだった。
 じれったく、憲弘はプレハブの中を目で追う。ちょうど今居るのと反対側の窓にも目張りに隙間があるのを見つける。そちらのほうがもっとよく眺められそうなのを見て取ると、憲弘は腰を屈めてこっそりとプレハブの反対側へ周る。
 窓の目張りに少しだけ開いた隙間へそっと目を当てる憲弘。その目に飛び込んできたのは想像を絶する光景だった。
 古いマットのようなものに半身で寄りかかる紗姫の身体は既に全裸だった。大きく開かれた股の間に吸い付くように真美の顔が張付いた状態で傅いている。紗姫のほうは、股間を真美に預けて、自分は自分の手で裸の乳房をまさぐっていた。舐められ吸われている股間に感じているのか、自らが揉む乳首のほうに感じているのか、紗姫は大きく身を仰け反らせて悶えていた。紗姫の股間に傅く真美のほうは、舌を長く伸ばして紗姫の無毛の陰唇にしゃぶりついて必死で嘗め回している。紗姫のほうが全裸なのに対して、真美は全く着衣を取っていない。しかしクニリンガスに夢中で、制服のスカートの裾は割れて、乱れている。真美は口だけを使って紗姫を愛撫し、空いた両手は自分の股間に伸ばして着衣の上から自分の陰部を揉みしだいていた。そのせいでスカートの裾が捲くれ上がってしまっていたのだった。
 外から見ている憲弘にも紗姫の喘ぎ声が聞こえてくるかのようだった。憲弘は思わず生唾を呑み込むと共に、デジカメを持参してこなかったことを悔やんだ。

 その後、憲弘は早速いろんな機器を会社の中に持ち込んだ。普段から買い漁って集めていた盗撮、盗聴用機器類である。憲弘には趣味もなく、他に何も金を使うアテも無かったので、この手の物の蒐集には金を惜しまなかった。おかげで使うアテのない盗聴器やカメラの類がどんどん増えていたのだが、やっとこれらが日の目を見る千載一遇のチャンスが訪れたのだった。
 二人が忍び込んでいた物置はその後誰も居ない時を見計らって何度も下見していた。運び込まれてあった古いマットなどから、そこはもう何度も使われている場所であることが伺われた。
 憲弘は、辺りをようく研究して、目立たない部屋の隅を選んでカメラを取り付けた。起動は無線で出来るように配線も仕掛けた。プレハブの入り口にもスイッチを仕掛けて、自分の携帯が鳴るようにする。憲弘は事務用のパソコンのソフトなどには疎い割に、機械仕掛けには明るかったのだ。

 その携帯アラームが日中鳴ったのは、最初に目撃してから1週間後のことだった。はやる気持ちを抑えながら、そっと事務所を出ると、建物の外で、盗撮用ビデオカメラの起動スイッチを入れる。モニタ用の小型液晶テレビをトイレの個室に持ち込むと、カメラが送ってくる映像をつぶさにチェックする。憲弘がモニタを見始めた時には、既に子分役の真美が紗姫の足元に傅いていて、スカートの中に手を滑り込ませていた。真美が紗姫の股間を愛撫して刺激しているのは、反応している紗姫の表情から手に取るように見て取れる。やがて、紗姫は自分から服を脱ぎ始めた。
 紗姫がブラウスのボタンを外し始めるのを見てとると、真美は恭しく従う下女のように、紗姫の腰に手をまわしてスカートのホックを優しく外し、そっとスカートを紗姫の腰から抜き取る。ストッキングは既に脱いでいたようだ。最後に残ったショーツをつるりと剥くようにそっと下してゆくと、紗姫の無毛の股間が露になる。割れ目が露になると、愛犬がご主人に鼻を摺り寄せるように、真美が顔を紗姫の股間に摺り寄せる。
 悪戯っぽそうな表情をして笑う紗姫は乱暴に自分のブラジャーを外すと、横に放り投げ、全裸になって後ろのマットに倒れ込む。それを追うように真美の身体が開かれた紗姫の下半身の中心に傅いてゆくのだった。

 その夜持ち帰った盗撮ビデオを仔細に検討した憲弘は、いろいろな事に気づき始めていた。最初プレハブに忍び込んだ二人の姿を見た時には、ブスでチビのほうの百地真美が美人の紗姫に襲い掛かっているのだと思った。脱がされているのは紗姫のほうであり、股間を弄ばれているのだと思ったのだ。しかし、二人の痴戯を仔細にみてゆくと、リードしているのは常に紗姫のほうなのだ。支配していると言っても過言ではないように思われた。真美のほうは終始、紗姫に命じられるが儘、女帝である紗姫様に奉仕させられているという構図なのだった。
 紗姫が綺麗に処理された無毛のままでいる訳がこの盗撮ビデオを見ていて、憲弘には判った。自分の股間を性の奴隷に舐めさせるのに、都合がよいのだろう。より長く奴隷に自分の股間に顔を埋めさせるのに、ムダ毛が邪魔になるのに違いなかった。
 前半はひたすら真美が紗姫に悦びを与える為に奉仕していた。そのうち真美のほうも感じてきてしまうようで、紗姫に奉仕しながらも自分の指を使って自慰を始める。紗姫がたっぷり満悦にひたると、褒美を与えるかのように真美をバイブで行かせるというのが主な構図だった。

 二人の痴態はそれなりに刺激的ではあった。が、憲弘にはそれだけでは不満足だった。憲弘の嗜虐嗜好をくすぐらないのだ。憲弘はあのお高くとまっている女帝を辱め、泣き叫んで許しを請わせなければ済まない気持ちがどんどん高ぶってくるのを止められなかった。


 その夜も、紗姫を呼び出して縛り上げ、思いっきり辱めてやった時のことを思い出しながら憲弘はオナニーをしていた。あの時撮ったビデオは既に失ってしまっていたが、憲弘の脳裏にはあの時の光景が焼きついている。口惜しそうに上目遣いで憲弘のほうを見上げながら唇を噛んで辱めに堪えていた紗姫の表情を思い浮かべると、憲弘の股間の一物は熱く充血して天を向いて反り上がる。

 「許して欲しかったら、これを咥えるんだ。そして思いっきりしゃぶり尽くせ。」

 夢想の中で、憲弘は自由を奪われた紗姫に強く命令する。いやいやをしながらも遂には観念して口を開く紗姫。そしてその口の中に怒張したモノを思いっきり突き立てるのだ。

 (ああ・・・。)

 ドクッ、ドクッとリズミカルな脈動を伴って、憲弘のスペルマが宙を飛ぶ。

金髪

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