強要フェラ

妄想小説

地に堕ちた女帝王



 十一

 横井はどんどん大胆になっていった。退社後の外での逢瀬だけでは物足りなくなって、会社内でも真美に迫るようになっていった。電話で横井の居る事務所がある事務本館へ呼び出された真美は、誰も居なくなった役員室のある最上階の廊下で突然後ろから掴みかかられ、横井に無理やり男子トイレに連れ込まれてしまったのだ
 最上階は普段から役員の在籍率が低いこともあって、ひと気は少ない。それでも留守を守る秘書数人は常時待機しているので、誰も居ない訳ではない。そんなところで騒ぎを起こせば、夫に男との情事のことを知られてしまうことになるのはおろか、彼女自身も会社に居られなくなる事態を引き起こすのは目に見えていた。
 声を挙げられないのをいいことに、横井は真美を力づくで男子トイレの個室に連れ込むと、すぐさま着ているものを下着の最後の一枚に至るまで引き剥がし、自分からは逃げ出せないようにしてしまう。その上で、ズボンを下ろすと股間の屹立したものを真美に突き出し、口に含むよう命じたのだった。



 「ふうん、それで、いつまでそんな状態は続いたんだ。」
 そんな状態が今のいままで続いているとは思えない憲弘は、鎌を掛けて真美に続きを喋るよう促したのだった。紗姫とのあさましい性行為を目撃されているなどとは思いもしない真美は、横井との過去のことを知られ夫に告げると脅されているのだと思い込んでいて、紗姫との秘密をうっかり自分がばらしてしまいそうなことに全く思いが行っていなかったのだった。



 紗姫が真美の様子がおかしいのには数日前から気づいていた。いつも何かに怯えるようにしていて、特に掛かってくる電話の音には、いつも飛び上がるのではないかと思える程びくついているのには、何かあるのだと勘のいい紗姫はすぐに気づいていた。

 その電話にも蚊のなくような情けない消え入るような声で応対していることから、何か問題のある電話なのだと察した紗姫はそれとなく真美の背後に背中合わせになるように近づいて座り、それとなく会話に耳を立てていた。
 「そんな、もう困ります。・・・・。で、でも。・・・・。あの、今は困ります。・・・・。分かりました。じゃ、その時、もう一度ちゃんと話させて頂きますので。・・・。分かりました。・・・。5時15分にバス停のところですね。」

 真美が誰かに呼び出されているらしい気配を感じた紗姫は一計を案じた。女暴走族を組んでいた時代に知り合った会社内の女友達の幸江に、その日一晩だけ幸江が通勤に使っているスクータを借りることにしたのだ。そのスクータは見かけは只の原チャリにしか見えないのだが、昔の暴走族仲間の男友達に改造して貰ってあって、ナナハン並みのスピード
 が出せるものだ。そんなバイクなので乗りこなすには相当の腕が要求されるのだが、幸江も紗姫も昔鍛えただけあって、そんな改造バイクを乗りこなすのは訳なかったのだ。

 会社の通用門から少し出たところにあるバス停が見通せる建物の物陰に潜んで待っていた紗姫は、真美が誰かの車に乗り込むところを見届けると、セルを回してエンジンを掛けると静かにその車の背後に加速していった。

 「今日はもうこれっきりにして貰うつもりできました。」
 横井の横の助手席で、真美は下を向いたままだが、きっぱりと横井に告げた。横井は判ったというでもなく、ただ黙って行く先を目指して運転し続けていた。横井にしてみても、ここ数日、毎回のように真美が「もうこれっきりにしてくれ。」というのにも聞き飽きていて、その日もそう言い出すだろうとは予想していた。その為に、横井は車の後ろの床に密かに縄を用意してきていた。着いたら、まず縛り上げて裸にしてから写真を撮ってしまい、それをネタに二度と逆らえないようにしようとデジカメまでダッシュボードに忍ばせていた。
 横井と真美を乗せた車がいつものように公園予定地の高台にある見晴台予定地の丘にたどり着くと、横井はいつになく乱暴に車を回転させるようにスピンさせ、急激に車を停めた。その勢いに真美が倒れそうになって手すりにしがみついているうちに、横井はさっと後ろの席の床に手を伸ばして、縄を取り出した。
 「あ、嫌っ。何するの。」
 突然手首に巻かれた縄に、真美は慌てて手を振り解こうとするが、男の腕力には所詮かなわない。横井は真美の片手を括り上げるとその腕を捩じ上げて背中に回させ、もう片方の腕にも手を伸ばす。真美が両手を背中で縛り上げられてしまうのに数分も掛からなかった。手の自由を奪ってしまうと、横井は真美の腰に手を回し、スカートのホックを外す。下半身を裸にしてしまえば、逃げ出すことも出来ないだろうと計算していたのだ。
 横井が真美のスカートを剥がそうと夢中になっている間、真美は不自由な手で必死に助手席のドアの取っ手を探っていた。そしてそれを探り当てると思いっきり力を篭めて、両脚で横井の腹を蹴り飛ばし、ドアノブを引いた。
 「ううっ、このアマっ・・・。」
 倒れ込みそうになった横井だったが、必死で真美の腰のスカートの裾を何とか掴んだ。
 ビリッと音がして、スカートの裾が裂けた。とにかく逃げることに必死だった真美は自分の腰からスカートが引き千切られていくのも構わず、ドアの外に転がり出た。
 気づくと腰からスカートは完全に剥ぎ取られていた。下半身をストッキングとショーツだけで丸出しにしている自分に気づいた真美だったが、今はどんな格好でも逃げるしかないと思って走り出した。両手を背中で縛り上げらた縄は余った残りを垂れて曳きづっていたが、それでもその格好のまま走って逃げるしかなかった。
 すぐに背後の車でドアが開かれる音がして、横井が腹を抑えながらも後を追ってくるのが逃げる背中越しにちらっと見えた。薄暗くなりかけた公園予定地の敷地は、道路から外れると所々に藪があって、両手の自由が利かない真美には走りにくかった。それでも整地の終わった車道を走ったのでは、横井に追いつかれてしまうのは目に見えていた。真美に逃げおおせるチャンスがあるとすれば、薄暗くなり始めた丘の上の樹々の陰に身を隠してやり過ごすしかなかったのだ。しかし天は真美に味方してくれなかった。真美が引き摺っていた真美の両手を縛っているロープの端が、道から外れたあちこちに点々としている藪の小枝に引っ掛かってしまったのだ。何とか振りほどこうともがいている真美の元へ横井が追いついてきてしまったのだ。

真美捕縛

 「ふん、もう逃がさないぞ。」
 横井はそう言うと、ロープの端をしっかり手綱のように取ると、ぐいっと引き始めた。真美は倒されないように踏ん張るのがやっとだった。じりじりと引き寄せられてしまう。横井は後ろ手の真美をそのままロープで曳いて広場のほうへ引き戻す。ちょうど広場の端に作りかけの藤棚のようなものが出来ていた。その2mほどの高さの桟にロープの端を放り投げて通すと、降りてきた端を隅の柱に繋いで真美が爪先立ちでやっと立っていられるまで引き絞って藤棚に吊り下げてしまったのだ。もはや、真美には逃げることも抵抗することも出来なくされてしまった。

藤棚吊り

 近寄ってきた横井は難なく真美の下半身に最後に残されたストッキングとショーツを膝まで引き下げてしまう。真美の股間に薄い茂みが露わにされてしまう。その眺めに横井はいきり立ってきた股間のいちもつをズボンのチャックを下げて取り出すと、真美の裸の尻に押し立てた。
 「嫌、そんな犯し方っ・・・。せ、せめて普通にしてっ。」
 「ふふふ、何を今更。お前が逃げようとするからいけないんだぜ。前から一度女を縛って無理やり犯してみたかったんだ。」
 横井が脂ぎった顔を醜く歪ませながら、腰を沈めて下から一物を突き上げようとしたその時、二人の前に閃光が走った。
 パシャ、パシャ、パシャ・・・。
 立て続けにストロボの強烈な光がシャッター音とともに、二人に浴びせかけられた。
 「だ、誰だっ・・・。」
 眩しさに手を翳しながら光が差してきた方向を窺がう横井の前にデジカメを手にした超ミニにブーツ姿の若い女が現れた。
 「アンタの悪行はすっかりカメラに証拠写真として収めさせて貰ったわよ。」
 改造したスクータバイクでこっそり後をつけてきた紗姫が様子を覗いながら傍まで近寄ってきていたのだった。横井にはまだ誰がやってきたのかも把握出来ていなかった。
 「畜生、勝手な事しやがって・・・。邪魔すんじゃねえぞ。」
 言葉で凄んでみせてから、突然猛ダッシュを掛けて、紗姫に横井が襲い掛かった。しかし、こうした立ち回りには、紗姫のほうが一枚も二枚も上手だった。すっと身を低めて交わしながら脚を掛ける。横井は足を引っ掛けられてまともに頭からつんのめって前方へ転がり込む。そこをすかさず紗姫のブーツの爪先が横井の顎を蹴り上げる。短いスカートから白い下着が覗いてしまうのもおかまいなしだった。尤も、横井にはそれを垣間見る余裕すらなかった筈だ。強烈なアッパーカットを喰わされたようになった横井は脳震盪を起こして失神してしまったのだった。

藤棚蹴り

 すぐさま吊り下げられた真美の下へ走り寄ると、後ろ手の縄を解き、反対にそれを使って蹲っている横井の両手を後ろ手に縛り上げる。陰茎を剥き出しにしたまま倒れている様を見て取ると、紗姫は横井のズボンのベルトを引き抜き、ズボンを下着のパンツごと膝まで引き下して股間をフルチン状態にしてしまう。その上で藤棚の桟から下がっていたもう一方の縄の端で横井の片膝を括り上げて膝を開かせたまま吊り下げてしまう。横井は萎えてだらしなくぶらさがる一物を露わにさせたままの格好で漸く正気に返った。
 「ち、畜生・・・。あうっ、痛ててて・・・。」
 横井の服の胸ポケットから奪い取った身分証入れをチェックしながら足元の男を見下ろしながら紗姫は言った。
 「ふうん、アンタ。調達部の部長の横井っていうのね。いいこと、証拠写真はアタシがちゃんと撮らせて貰ったから、今度、真美に近づいたり変なことをしようとしたりしたら、出る所へ出て、やるべき事やってやるからね。自分の立場をようく考えとくことね。」
 横井に脅しをかけると、ゆっくり横井のすぐ傍まで近づいてから不様に露わになっている横井の股間を、もう一度思いっきり蹴り上げた。
 「あぎゃうう・・・。」
 情けない声を最後に上げて、再び横井は悶絶して気を失ってしまった。

 下半身を肌蹴たまま蹲っていた真美の肩を優しく抱くと、紗姫は横井を吊り下げたまま放置して真美をスクーターの後ろに乗せて連れ帰ることにしたのだった。



 「それ以来、横井って奴は近づかなくなったって訳か。それでお前は紗姫って女に頭が上がらないって訳だな。」
 憲弘の言葉に、自分が喋った以上のことを匂わすような雰囲気を感じて不安な表情を真美が浮かべたのを憲弘は見逃さなかった。自分からは自分の窮状を救ってくれたのは古くからの友達だと言っただけで、紗姫という名前も一度も出したつもりはなかったからだ。
 「俺が見たところ、あの紗姫って女は、レズなんだろ。」
 突然の憲弘の言葉に、びくっと身体を振るわせてしまったことで、真美は暗に肯定してしまったのと同じだった。それに真美自身も気づいて、思わず下を向いてしまう。
 「お前は亭主も居て、子供も出来ているぐらいだから、両頭遣いって訳だな。」
 真美は弁解するように顔を上げたが、何の言葉も発することが出来なかった。
 「いいか。俺はお前を強請って身体を求めたり、金品を脅し取ろうなんて考えちゃいないんだ。その代わり、お前には俺の言うことを利いてもらうからな。」
 意味ありげな含み笑いを浮かべて、憲弘はこれからのことに思いを馳せ始めていた。

金髪

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