妄想小説
地に堕ちた女帝王
十七
突然、顔面に浴びせかけられた水に驚いて紗姫は正気に帰った。
「いつまで気をやった余韻に耽ってるんだよ。さ、これからお楽しみの続きだぜ。」
紗姫の目の前には、今まさに水を空けたばかりのコップを手にした横井の不敵な顔があった。紗姫は身体を動かそうとしてどうにも全く身動きが取れないのに気づいた。改めて自分の格好を見下ろしてみる。苦しいのは尻を床に付けて両脚がVの字型に大きく持ち上げられた格好で固定されているせいだった。両手は後ろ手にしっかり背中で縛り上げられている。両足首も紗姫の背が持たれかかっている肋木にしっかりと縄で結わえ付けられている。下半身は身に着けていたものは全て剥ぎ取られていて、陰毛の剃り落とされたすべすべの恥丘をすっかり晒してしまっている。そればかりか、尻の穴さえも横井の目には露わにされてしまっているようだった。紗姫はいつだったか、こんな格好にされてしまったことを思い出していた。ふと、見上げると横井の脇に日下がビデオカメラを構えて控えているのが判った。それをみて、紗姫は何時のことだったかを思い出していた。最初に日下に体育館へ呼び出された時のことだった。あの時もあとちょっとで日下を捕らえるところだったのに隠し持ったスタンガンにやられてしまったのだった。
「ここに居るこいつがな、大事な秘蔵品のビデオテープを取り上げられてしまったんで、もう一度撮影し直したいんだとさ。お前のみじめな姿をよ。」
そう言うと、横井はグリセリンの注入器を紗姫の目の前に翳してみせるのだった。紗姫に浣腸を施そうというのだ。紗姫は尻のしたに既にブルーシートが敷かれているのにも気づいた。
「い、嫌よ。そんなもの・・・。」
しかし、紗姫に逃れる手立ては何もなかった。傍らをみると、真美も両手、両脚を繋がれて縛られ、床に転ばされている。助けを求めることも叶わないのだった。
「そらよ。」
いきなり横井が紗姫の剥き出しにされている菊座の中心に注入器の先を突きたてた。
「ううっ・・・、くくっ。」
唇を噛み締めながらも、横井を思いっきり睨み付けた紗姫だったが、横井は容赦しなかった。更に力を込めてずぶっと注入器をアヌスの奥まで突っ込むと、容器を握り締めてグリセリンを紗姫の下腹に送り込んでゆく。
「あうううっ・・・。」
おぞましいような異物感に紗姫は思わず声をあげた。
「や、やめて・・・。」
既に紗姫の声は力を失くしていた。下手に力めば、何かが爆発してしまいそうだった。横井は最後の一滴まで絞り込むようにグリセリンを注入すると、わざとえぐるように注入器の切っ先をこじりながら紗姫のアヌスから抜き取った。
「あうっ・・・。」
抜かれた後の菊座から何か雫のようなものが垂れて流れ落ちるのを紗姫は感じ、あわてて肛門の括約筋を締める。その様をみて、横井がにやりとほくそ笑むのを紗姫は感じとっていた。
横井の顔が近づいてきた。思わず顔を背けた紗姫は、横井の右手が自分の下腹部に伸びていることに気づかなかった。いきなり、横井の手が紗姫の白い腹の肉を鷲摑みにして、ぐりぐりまさぐり始めたのだった。
「や、止めて。何するのよっ。ああ、駄目っ、そんなことしたら・・・・。」
たまらぬ思いに最後は声も出なかった。只でさえ、堪え切れなそうな気がするのに、腹をいじられては抑えきれそうもなかった。
「どこまで堪えきれるか楽しみだぜ。」
やっとのことで横井は紗姫の下腹から手を放し、立ち上がった。紗姫は自分の下腹部が他人のもののように勝手にぐるぐる鳴り始めるのを感じ取っていた。最早、時間の問題だった。紗姫は歯を食いしばって耐えていた。既に、こめかみからは脂汗が滴り落ちてきていた。その必死の形相を日下はカメラのアップで捉えていた。
再び、尻の穴から何やら汁が垂れ始めた。紗姫は必死に括約筋を締めようとするのだが、洩れだすものは止められなかった。
「おっ、出始めてきたぞ。」
尻の穴のむず痒さに、菊の門を固形物が通過しだしたことを紗姫は悟った。それを二人の男に見つめられていると思うと、口惜しさと惨めさに目頭が潤んできた。紗姫は顔を俯かせ、観念した。
ブリブリブリっと大きな音がして、紗姫の下腹部から力が抜けた。おぞましい臭気が鼻を吐く。
「やったぜ。へっへっへっ・・・。ざまみろってんだ。」
歓声を挙げたのは横井のほうだった。日下は紗姫の惨めな姿を撮るのに夢中になっていた。その日下のカメラが放出を終えたばかりの菊の蕾をまさに捉えようとしていた。
「それ、お前が今ひり出したものを見てみるがいい。」
横井の手が乱暴に紗姫の結わえた髪を引っつかむと、むりやり俯かせて紗姫に下半身を見せようとした。すべすべの陰唇のすぐ先にすぼめられた菊の蕾がみえた。そのすぐ先にとぐろを巻いてくろぐろとした塊が落ちていた。思わず顔を背けようとするのを横井の手がそれを阻んだ。
「もう、許して・・・。」
半分泣きじゃくるような声になっていた。
「さて、それじゃあ、そのウンコまみれの尻の穴を綺麗にしてやるか。」
やっとのことで紗姫の髪から手を放した横井は、水鉄砲のようなものを取り出した。日下はブルーシートを引いて、ひり出されたばかりの塊を紗姫の身体から遠ざける。
横井のほうは肋木に括り付けられたままの紗姫の真正面に立つと、剥き出しの股間に水鉄砲の狙いを定める。
「簡易シャワートイレって訳だ。ただし、ちょっと沁みるかもな。消毒用アルコールだからな。」
そう言うと、勢いよく水鉄砲の中身を紗姫の恥部めがけて放出を始めた。
「あううっ・・・、痛たた・・・。」
陰唇から菊座に掛けての蟻の門渡りの部分はさきほど横井にベルトの鞭でしたたかに打たれた時の蚯蚓腫れがまだ引いていなかった。そこを直撃した消毒用アルコールの奔流が、紗姫に飛び上がらんばかりの痛撃となった。痛みに呻き声を上げる紗姫を尻目に、横井の撃つ奔流が紗姫の肛門をいたぶり続けた。
漸く水鉄砲の奔流が止められた時には、紗姫の眦は涙で溢れていた。
「それじゃあ、可愛い子分にそこを癒して貰うんだな。」
そう言うと横井は傍らに転がされた真美の身体を縛ったままの格好で引き摺ってきた。背中で両手、両脚を一緒くたに繋がれた真美の身体を起こして、腹這いにさせると、真美の顔を紗姫の剥き出しの股間に向き合わせるように押し付ける。
「さあ、女王さまの汚れたあそこを、お前の舌で嘗めて綺麗にして差し上げるんだ。丁寧にやるんだぞ。ついでに鞭で打たれたそこも嘗めて癒してやりな。」
そう言うと、横井は真美の顔を紗姫の股ぐらに押し付ける。真美は大人しく言われるがまま舌を出した。
「だ、駄目よ。真美、そんなことしちゃ・・・。あっ、だ、駄目っ・・・。」
しかし、紗姫も痛めつけられた股間を真美の舌で嘗められて癒される愉悦に次第に我慢出来なくなってゆくのだった。更には横井は用意しておいたベビーオイルを真美が嘗めている傍から、紗姫のクリトリスの辺りから陰唇を伝って蟻の門渡りに流れ落ちるように垂らしてゆく。それを真美が舌を使って紗姫の隠微な部分に塗りこめるようにしてゆくのだ。その一部始終が日下のカメラに収められていった。
紗姫は今度は募りくる尿意と闘っていた。排便して、その後を真美に嘗められて綺麗にされるところまで存分に撮られた後、紗姫は肋木に繋がれるようにして立たされていた。横井と日下は二人がかりで慎重に紗姫を立たせた。Vの字に広げた脚を片方ずつ解くと膝の部分で新たに縄をかけ、肋木の桟に括り付けて脚の自由を奪う。紗姫が蹴りを使うことが出来ないように片方ずつが慎重に行われ、紗姫にはされるがままになるしかどうしようもなかった。両膝が肋木に繋がれてしまうと、今度は紗姫は縄に繋がれた首輪を嵌められ、肋木の最上段を通したその縄を引かれて立ち上がらされたのだ。気がつけば下半身真っ裸で脚をがに股に広げさせられた格好で肋木の前に立たされていたのだ。紗姫には薄々何を強いられるのかが判っていた。日下から折角取り返したのと同じテープを再現させようとしているのは明らかだった。紗姫はあの資材部別館の屋上で給水塔の梯子に繋がれて放尿するところを撮られたあの晩のことを思い出していた。そしてあの時と同じように横井から薬缶にたっぷりと入った水を口から注ぎ込まれたのだった。薬缶が持ち上げられてその注ぎ口を紗姫を咥えさせられた時、最早抵抗することは無駄なことを紗姫は悟っていた。だから大人しくされるがままに、おそらくは利尿剤をたっぷり仕込まれているであろう水を自ら飲んだのだった。
尿意を堪え続ける紗姫の真ん前には、さきほどひり出すことを強要された糞便が、大きな花瓶を載せる為の台の上に紙を敷かれて、見世物のように置かれていた。それを目の前に見せられることは、紗姫にはこの上もない恥辱と屈辱だった。その前で耐え切れなくなって、立ったまま放尿を強いられ、その様をビデオカメラに撮られねばならないのだ。
水を呑まされた時から、この屈辱の結果については観念していた。しかし、だからといって男たちを前にして放尿させられるのは耐え難いことだった。紗姫は無駄なことと知りつつ募りくる尿意に耐えていた。
「随分、頑張っているようじゃないか。そんなに恥ずかしいか。もうおしっこ洩らしたくて仕方ないんじゃないのか・・・。」
紗姫は俯いて首を横に振る。しかし声にはならなかった。
「そんなら、もう少しいい気持ちにさせてやろう。」
横井の非情な声にはっとした紗姫は、何をされるのかと顔を上げた。横井が手にしていたのは真っ黒な烏の羽根らしかった。
上半身はまだ革のビザールのベストを羽織るのを許されている。しかしその短い丈は臍までは隠してくれていない。横井の持った羽の先がその臍の上を微かに滑る。
「ひっ、やめてっ。」
突然の刺激に紗姫は腰を揺らした。思わず洩れそうになるのを括約筋を締めなおす。今度は横井の羽の先は、臍から腰骨の辺りにゆっくり滑ってゆく。紗姫は背中の部分で身体がぞくっと震えるのを感じた。それでも唇を噛んで堪える。その次は羽の先がゆっくり臍の周りを弧を描いたあと、ゆっくりと真下に向かって降りてきた。その狙っているところは疑いようもなかった。羽の責めにそれでなくても感じてきていて、陰唇の割れ目から、もう半分クリトリスのおさねが覗きそうになっているのが紗姫自身にも判っていた。横井の羽はその敏感な部分を外側から内側へ向けてゆっくりと責め始めた。
「ああ、やめて・・・。そんなことされたら・・・。」
紗姫は横井の羽の責めから何とか逃れようと、腰を捩ってみる。しかし両膝をしっかり肋木に固定している縄がそれを許さなかった。
「ああ、ああ、ああ・・・。」
必死で耐える紗姫にも限界が訪れようとしているのがわかった。
ポタッという音とともに、最初の滴が紗姫の股の中心から床に向けて零れ落ちた。
(うっ)という喘ぎとともに括約筋を締めなおそうとした紗姫だったが、最早それは適わぬことを知らされた。
諦めとともに、抑えを失った奔流がほとばしりはじめた。それは見事な弧を描いて、前方に向けて放出されだした。広げた脚の下に置かれたブリキのバケツを飛び越して、更にその向こうのブルーシートの上を放物線を描いて紗姫の小水が飛び散ってゆく。
顰める顔を日下のカメラがすかさず捉える。そしてそれはゆっくり身体の中心を嘗めるように降りていって、奔流の噴出口に向かっていった。
あらかたの放尿を終えても、陰唇から滴が垂れてなかなか止まらない。その間が無我夢中で放尿していた時よりもっと恥ずかしく惨めだった。洩らした小水の半分ほどがバケツの中で揺れていた。
恥ずかしさに首をうな垂れていた紗姫の顎に横井は手を伸ばし、無理やり上向かせる。その惨めな表情を日下のカメラがアップで捉えてゆく。
紗姫と真美は、並んで正座させられていた。両手は背中で手錠によって拘束され、脚にも鎖で繋がれた足枷を嵌められており、二人の足枷は互いに縄で繋がれていて、走って逃げ出すことも出来ない。大人しく俯いてうな垂れている二人の前に、硬直度は喪ってはいるものの、まだ膨張させたままのペニスをぶら下げた下半身裸の横井と日下が仁王立ちしている。いつもなら男達を前に、毅然とした態度を崩さない紗姫だったが、脱糞する様を撮影され、更には男達の前でおしっこを洩らすところまでも撮影された後は、さすがに意気消沈して男達を見返すことも出来ないでいた。真美のほうは、最初からうな垂れたままで、時折しくしくと嗚咽を洩らしているだけだった。
「どうだ。思い知ったか、紗姫。俺様はな、伊達に調達で仕事をしてる訳じゃねえんだ。流通の奥の奥まで顔が利くんだ。闇のルートもな。お前等の無様な姿を写したビデオは何処から入手したかも尽き止められない裏ルートで流すことだって簡単に出来るんだぜ。そのことをよおく頭に刻み込んで置くんだな。」
突然、紗姫は吃と頭を上げた。
「そんな事、してみろ。只じゃおかないからな。」
紗姫の目が鋭く光っていた。その瞳には復讐心の炎が燃え盛っているかのようだった。
「闇の裏ルートに流されたら、お前たちにはどうすることも出来ないんだぜ。流出元も突き止められないから警察に訴えたって何もならないんだ。どんどん巷にコピーが出回ってゆくだけだからな。」
「そんなことで脅しになると思ってるのかよ。人間なら誰だって、うんこもすりゃ、おしっこも出すんだよ。そんなとこ、観られたからって恥ずかしいもんか。やるならやってみろ。あたしを誰だと思ってんだ。これでも族の総長を張ってたあたいだよ。そんなビデオの脅しぐらいでひるむと思ってんのかよ。」
意気消沈してうな垂れていたのが、復讐心に一転して怒りを募らせて二人を睨みつける紗姫の様子に、日下はひるんでたじたじとしながら、横井に助けを求めるように目配せする。
「おう、言ったな。俺を怒らせると、どんな事になるかそれじゃあ、やって見せようじゃないか。ええっ。」
「い、嫌っ・・・。困る。困るわ・・・。紗姫・・・。ごめんね。わたし、困る。」
強がる紗姫の横で泣きじゃくりだしたのは真美だった。突然の真美の嗚咽に、自由にならない手足のままで、真美のほうに無理やり身体を寄せようとする紗姫だった。
「ごめん。わたしには夫も子供も居るの。あんなビデオが出回ったら、子供だって生きていけないわ。駄目、だめなのよ。」
涙ながらに紗姫に詫びている真美に、今度は紗姫のほうがひるんだ。
「汚い手を使いやがって・・・。卑怯ものっ。」
相変わらず、横井たちを睨みつけている紗姫だったが、語調は明らかに弱くなっていた。
「お前達は俺達のいうことを素直に何でも聞く奴隷になるしかねえんだよ。それがやっと判ってきたみたいだな。ええ。どうだ、紗姫。」
「くそっ・・・。」
口惜しさに唇を噛みしめる紗姫だった。
「族の総長なら、可愛い子分を見捨てる訳にはゆかねえよなあ。」
えへらえへら笑いながら横井は紗姫に詰め寄る。
「私等にどうしろっていうのさ。」
横井は紗姫の言葉に服従の兆しを感じ取っていた。
「何も、とんでもないことをしろって積もりはないんだぜ。今夜のことは俺達だけの事にして、黙って大人しくしてりゃあいいんだよ。俺達だけの秘密ってことで知らぬ顔をし続けていりゃあ、ビデオを流すなんてことはしないでおいてやるよって事よ。」
「本当ね。約束するわね。」
「ビデオについちゃな。ただ、俺達だけの時は、俺達の命令には服従して貰うからな。パンツ下ろせって言ったら、言われたとおりパンツおろすんだ。手荒なことはしようっていうんじゃない。俺達だけの時に命令に服従しさえすりゃあいいんだよ。」
「・・・・。わかったわ。お前たちだけの前でなら、言うとおりにするって約束するわ。その代わり、そのビデオは絶対ばらまくんじゃないよ。」
「紗姫・・・。いいの、そんな約束・・・。」
「真美、今はそうするしかないの。わたしに任せて。」
紗姫はあやすように真美に言いくるめるのだった。
「さすがは聞き分けのいい総長さんだ。それじゃあ、本当に俺達の言うことが聞けるか試してやる。おい、日下っ。おまえ、今、小便出せるか。」
紗姫の顔が俄かに強張る。
「ええと、だ、出せると、思う・・けど。」
完全には萎え切っていないがだらりと垂れた陰茎を指で持ち上げてみる日下だった。
「この日下のしょんべんを口を開けて受け止めるんだ。」
非情な言葉に紗姫は眉を引き攣らせる。今度は真美が重い口を開いた。
「駄目よ、紗姫っ。そんなこと・・・。いいわ、私がやるから。私に掛けてっ。」
「判っちゃいねえな。おい、そこのブスっ。この女総長が言うことをきかなきゃ意味ねえんだよ。ブスは黙って引っ込んでろっ。」
「いいよ、真美・・・。判ったわ。勝手にするがいいわ。」
「おい、日下。やれよ。」
横井が日下の肩を押して促すと、日下はペニスを指で持ち上げて紗姫の正面に立つ。眼前に陰茎を突き出されて、さすがに紗姫は顔を背けてしまう。
「さっき言ったのが聞えてなかったのか。口で受け止めろって言ったんだぜ。」
紗姫は口惜しさにもう一度横井を睨み返した。
「わかったわよ。勝手にしなさいよ。」
そう言うと、紗姫は口を大きく開いて日下に向かう。気丈な紗姫も目を瞑らざるを得なかった。黙って与えられる屈辱に耐えていた。
日下はいざ放尿しようとしてなかなか出せないでいた。紗姫が自分の前で屈して言いなりになっている様子が日下の嗜虐心をそそって、再び勃起をしようとしていたからだ。それでも尿意はさきほどから募ってきてはいた。
勃起したペニスの先から飛び出た小水は、勢いづいていた。ビュッという音とともに紗姫の頬を打った。的を外した日下は指で狙いを修正する。小水は間欠的にしか出てこなかった。それでも、一度出したら、いきむたびに勢いよく放出できるようになった。
今度は見事に紗姫の口の中に命中した。しぶきを立てて、紗姫の口元からゆばりが飛び散る。
「ううっ・・・。」
口を開けたまま、紗姫は声にならない呻きをあげた。
日下は外さないようにペニスの先を紗姫の口の中に突っ込まんばかりに近づけるとどんどん放尿をつづけた。みるみるうちに、紗姫の口のなかが小水で溢れ、口の端から流れ出し、身体を伝って床に染みを作っていく。
「うううう。」
日下のほうも呻き声とともに最後のゆばりを放出すると、ペニスを振って最後の滴を落とす。その一滴が紗姫の瞑った瞼にも飛んだ。
放尿し終えたのを感じ取った紗姫は、下を向いて口をすぼめる。歯の間から残った尿が迸り出た。全部を吐き出し切ることは所詮無理だった。思わず唾を飲み込むのと同時に日下の尿が身体の中に沁みこんでいくのを紗姫は感じた。
「よおし。やりゃあ出来るじゃないか。よおくこの思いを憶えておくんだぜ。俺達に命令されたらどんなことでも服従しますって、ここで誓ってみせろよ。」
まだ口の端から涎のように尿を垂れ流しながらも紗姫は吃と横井を睨みつけた。
「ちゃんと誓ったら終わりにしてやるよ、総長。」
横井の言葉に、紗姫は口惜しさを噛みしめながら顔を伏せていった。
「貴方の・・・、命令には・・・、何でも・・・、何でも従い・・ます。」
その横で真美が嗚咽にむせび泣いていた。
紗姫に究極の屈辱を与えて満足した横井は、引き上げる準備を日下に命じていた。紗姫がさきほど放出した小水を溜め込んだバケツの中に手拭いを突っ込み、たっぷり濡らしてから真美の後ろ手をその小水まみれの手拭いで縛り直す。そうしてから真美の両手首から手錠を外した。次に紗姫の首に再び縄のついた首輪を嵌め、縄を引いて再び肋木のほうへ紗姫を導く。真美と紗姫は足枷同士を繋がれているので真美もにじり寄るように一緒についていかざるを得ない。紗姫が肋木の傍まで引き寄せられると、首に繋がった縄を肋木の最上段に括りつける。縄はわざと少し弛ませてある。
「さて、俺達はこれでずらかるからな。おい、真美っ。お前の御主人の手錠の鍵は、しょんべんの入ったバケツの中に落としておいてやるからな。御主人様に縛っている手拭いを口で解いて貰ったら、御主人様を解いてやんな。それから床に撒き散らしたションベンはちゃんと拭いておくんだぞ。それじゃあな。」
横井と日下はズボンを穿くと、悠々と外に出ていってしまった。後に残された真美と紗姫は早く自由になりたかったが、その為には紗姫が自分で洩らした小水まみれの手拭いを口にしなければならないので躊躇っているのだった。真美もそれしか逃れる術はないと分かっているのだが、紗姫の口元に背中の両手を差し出すことが申し訳なくて出来ないでいたのだ。紗姫は最後に覚悟を決めた。
「いいよ。真美っ。私が解いてあげるから、あんたの両手をあたしの口元に突き出して頂戴。もう今更気にしても仕方ないのよ。あいつに散々口を汚されたんだから。」
「ああ・・・。ごめんね、紗姫っ。」
涙をこぼしながら真美は背中の手拭いできつく縛られた両手を紗姫の口元に差し出すのだった。紗姫はつんと鼻を衝くアンモニア臭に顔を顰めながら、固い結び目に歯を当てた。
(決して、このまま唯々諾々と服従するもんですか。きっと、必ずあのビデオを取り返してあいつらに復讐を遂げてみせるんだから。)
目の前の真美に言い聞かせるように、心の中で呟く紗姫だった。
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