night_gym

妄想小説

地に堕ちた女帝王



 四

 男はなかなかやって来なかった。脅しだけで試しているのかもしれないと紗姫が思い始めた時、出入り口の大扉のほうで、微かな音が聞こえた。アイマスクを掛けているが、サーチライトのような光が体育館の中を走るのが感じられた。やがて、その光は自分の背中のほうに当てられているのを感じる。微かな足音がゆっくりと慎重に近づいてきているのが気配でわかる。紗姫は神経を研ぎ澄まして男の気配を探る。冷たい脂汗がこめかみに滲むのを感じる。
 男が徐々に近づいてくるにつれて、男の、はあ、はあという荒い息遣いが聞こえるようになってきた。男も自分のしていることに興奮を憶えている様子だった。男は慎重だった。すぐ傍まで来ている様子だが、なかなか仕掛けて来ない。片方の手錠を掛けていないことを気づかれたのだろうかと紗姫は心配になる。
 次の瞬間、男が両手を広げて縄を紗姫の身体に掛けてきた。手錠だけでは心配で縄で縛ろうとしているのだと気づくと身体を斜めに倒して逃れようとする。男の手が逃がすまいと紗姫の二の腕を掴んだ。その瞬間に、紗姫は身体を回転させ男の手を振り払うと、手錠の掛かってない手でアイマスクをさっと外し、男に打ち身を当てる。
 突然の反撃に男はびくっとして、打ち身を当てられた肩の部分を抑えて一瞬逃げようとしたが、女一人なら腕力で捻じ伏せれると思ったようで、再び縄を手に紗姫に挑みかかろうと構えた。
 紗姫は慎重に相手の出方を待っていた。男はこの前と同じように、ストッキングで顔を隠して黒ずくめの服を身に纏っている。特徴のないずんぐりした体型だ。
 男が飛び掛ってくるのをさっと身を落として除け、足を掛ける。男がもんどりうって床に転がり込むのを隙を与えず、後ろから飛び掛って腕を捩じ上げる。合気道の常套技だった。
 「うううう・・・。」
 痛みに声が出そうになるのを必死でこらえている様子だった。
 「もう逃がさないわよ。誰なの、貴方。」
 男は必死で逃れようとするが、身体を動かせば捩じ上げられた腕が折れそうなほどの痛みで身動きが取れない。
 紗姫は男を悶絶させてから正体を暴こうと、手を取られて動けない男の下腹目掛けて、短いスカートからパンツが見えるのも構わず思い切り蹴り上げた。
 「うううっ・・・。」
 男が下腹部を抑えて倒れこむ。紗姫は間髪いれずに男が持っていた縄を取り上げる。逆に男を縛ってしまおうと男の手首を捉えた瞬間、紗姫の身体に激痛と閃光が走った。
 あまりの衝撃に何が起こったか判らなかった。腕が痺れて自由に動かせない。朦朧とする目で男のほうを窺がう紗姫に見えたのは、男が手にしたスタンガンだった。その電極が更にもう一方の腕の肩口を狙って突き立てられようとしていた。
 「ひ、卑怯な・・・。」
 言い終わる前に、二度目の衝撃が紗姫の身体を襲っていた。痺れた身体では逃げようもなかった。立ち眩みでも起こしたかのように、視野はチカチカ光って目も見えない。身体に力が入らずそのまま床に崩れ落ちた。朦朧とする意識の中で両手が後ろに回されしっかり手錠が掛けられ更に手首に縄が巻かれていくのを、薄れゆく意識の中で何となく感じているだけだった。

被弾気絶

 意識が次第にはっきりしてきた時、紗姫は自分が両手を後ろ手に縛り上げられ、体育館の脇の肋木に括りつけられているのが判った。肋木に括り付けられているのは背中の両手だけではなく、両脚を大きく開かされてVの字に肋木に両足首まで括り付けられていた。スカートは完全に捲れ上がり、すでに下着も剥ぎ取られて陰部を丸出しにさせられていた。その陰部は誰にも秘密の無毛状態なのだ。無毛症なのではなく、ムダ毛処理の際に、綺麗に全部剃り落としているのだ。それは誰にも、特に男達には知られたくない秘密だったのだ。童女のようなつるつるの陰唇から、陰核が淫らにはみ出てしまっているところを晒してしまっていた。
 紗姫は完全な敗北を悟った。迂闊だった。まさかスタンガンまで用意しているなどとは思ってもみなかった。あまりに簡単に合気道で腕を捉えることが出来たので、つい油断してしまったのだ。両手、両脚を惨めな格好に括り付けられ、自由を奪われた状態で、紗姫は凌辱を受けることを覚悟した。
 男は陰毛のないつるっとした陰部を晒して脚を広げている紗姫の真正面に立って、物珍しいものを調べるかのように見下ろしていた。それだけではなく、両手には不気味な物が握られている。紗姫にはそれが何であるかを悟った。黒光りする太い棒はバイブに違いなかった。もう片方の手に握られた白い容器は、その形から浣腸用の注入器に違いなかった。
 男のズボンのチャックは下ろされていて、既に膨らみはじめた肉棒をだらりと垂らしている。紗姫のあられもない姿に反応を始めていたが、完全な勃起にまでは至っていない。
 男は紗姫の前にしゃがみこむと、注入器のキャップを外した。
 「嫌っ。やめて、そんなもの使うの・・・。」
 しかし、紗姫の懇願も空しく、その容器の切っ先が大きく開いた脚の付け根の奥の菊座に突き立てられた。冷たい嫌な感触に、紗姫は思わず身体を震わせる。しかし、身を動かそうとすると肛門に激痛が走るので、おとなしくじっとしている他はなかった。
 容器を握った男の手に力が篭められると、冷たい液体が紗姫の身体の中に注入されてくるのが感じられた。思わず悪寒が走る。
 「こ、こんなことして・・・、いったいどういうつもり。せめて、もっと、普通のことが出来ないの。」
 紗姫の言葉に、男の手が一瞬止まった。
 ストッキングの奥の目が紗姫の顔を睨みつけているようだった。それは、剃り落としたつるつるの陰部は、普通の事にはふさわしくないと言っているかのようだった。

執務室顎

 男がストッキングの顔を紗姫の顔に近づける。男のはあ、はあいう息遣いが、すぐ近くに迫った。紗姫は顔を背けるが、男の手に顎を取られて、無理やり男のほうを向かされる。小動物をいたぶる猛獣のようだった。
 やがて、紗姫の顎に掛けられた手を放すと、今度は極太のバイブを取り上げた。紗姫の目の前に翳し、威嚇してからいきなり紗姫の口に捩じ込もうと突き立ててきた。紗姫が唇をきっちり結んでそれをさせまいとすると、男は再びもう片方の手で紗姫の顔を鼻の部分で掴んだ。息が苦しくなって口を開かざるを得なくなると、容赦なく卑猥なペニスを模った肉棒が奥まで突き立てられてきた。しっかりバイブを咥えこませると、鼻をつまんでいた手を離し、今度は紗姫の前髪を掴んで逃れられないようにする。大きく開かされた口もとから、涎れがだらしなく垂れてくるのだが、紗姫にはどうするとも出来なかった。
 「ゴホゴホっ・・・。ううっ。」
 紗姫には、呻き声を挙げることしか出来なかった。バイブの外側を包むシリコンゴムのぐにょっとした感触が不快でならなかった。あまりの情けなさに、紗姫は目尻に涙を浮かべていた。その間にもだらだらと涎れが流れつづけた。

バイブ咥えさせ

 チュバッという音とともに漸くバイブが口から引き抜かれると、濡れそぼったバイブは糸を引きながら紗姫の顔から引き離された。男は紗姫の涎れでぐっしょり濡れたバイブの先を再び紗姫の目の前に翳してみせてから、その切っ先を大きく開かされた脚の中心に動かした。しっかり足首を固定されて大股開きにされた状態では、その侵入を防ぐ何の術もなかった。男がスイッチを入れたらしく、鈍い振動が陰唇を通して伝わってくる。男は捩じ込むようにゆっくりとバイブを紗姫の股間に挿入してきた。
 奥深く差し込んでしまうと、男はバイブが抜けないように柄の部分に細い紐をしっかりと括り付け、その紐を紗姫の裸の腰にぐるぐる巻きつけて前と後ろからバイブを固定してしまう。
 紗姫はむず痒いような鈍い振動が、紗姫の身体に新たな生理現象を引き起こすのを敏感に感じ取っていた。さきほど注入されたグリセリンが効き始めているのに違いなかった。
 紗姫の表情の変化を男のほうも見逃さなかった。低い薄ら笑いを浮かべると、バイブの振動を強に切り替える。
 突然の激しい振動は、紗姫の腹を揺さぶるかのようだった。
 「うっ・・・。」
 洩れそうになるのを必死で括約筋を締める紗姫だが、バイブの振動は執拗に紗姫の腹を責め続けた。
 「くっ・・・、と、止めてえっ・・・。」
 眉間に皺を寄せて、必死に堪える紗姫の表情に、男は立ち上がって尻のポケットから取り出したデジカメを構える。既に男の男根は完全に屹立して、天を向いている。
 カシャッ、カシャッ。
 男の持つデジカメが非情な音を立てると同時に、暗がりの体育館に強烈なストロボの光が走る。紗姫は必死ですぼめている尻の菊座から何かがたらたらと垂れたのを感じ取っていた。そこを男のカメラがすかさず捉える。
 カシャッ。
 ギュルギュルギュル・・・・。
 紗姫の腹が音を立てたのが男にも聞こえたのではないかと紗姫は思った。その途端、我慢の限界がきたことを悟った。
 塊の先が肛門からひりだされ始めると、もうそれを止める力は紗姫にはなかった。男のカメラはそれを紗姫の口惜しげな表情とともに、メモリに写し取っていく。

 男が立ち去ってからずっと放心状態にあった紗姫だったが、警備員が鍵を掛けにくる物音ではっと正気に返った。紗姫は慌てた。こんな姿を見られる訳にはゆかなかった。男の前で脱糞させられてしまってからは、もう殆ど放心状態だった。男が紗姫の汚物を拭って処置していったのだが、紗姫はなされるがまま、もう何をする気力も喪っていた。
 脚は相変わらず股間丸出しで広げさせられたままだった。警備員に助けを求める訳にはゆかなかった。無毛の股間をこれ以上誰にも見られたくなかった。なんとしても自力で逃げ出すしかないと思ったのだ。男は少しだけ後ろ手の縄を緩めてくれていた。紗姫は静かにじっとして警備員をやり過ごしてから、縄を外すしかないと思って、ひたすら警備員が気づかずに鍵を掛けていってしまうよう祈るしかないのだった。

金髪

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