派遣通訳女子 屈辱の試練
二十一
スーから残業で居残るように言い渡された美姫子は、スーからの伝言で所長室へ大熊が出掛けて行った後、一人、二人と退社していく社員や派遣社員に取り残されてとうとう一人っきりになってしまう。窓の外はもうすっかり暗くなっている。所長室へ出ていった大熊も、そこに居た筈のスーも事務所に戻ってくる様子はなかった。(何時まで居残されるのだろう)と美姫子が不安に思い始めた時、突然美姫子の席の固定電話が鳴った。
「はい、倉持でございます。」
「今すぐ所長室に来なさい。指示は所長室の机の上に書いてあるわ。」
スーの冷たい声だった。
「わ、わかりました。今すぐ参ります。」
美姫子には(指示)というスーの言葉が重たくのしかかってくる。簡単な命令でないことは容易に想像がつくが、どんな命令なのかは皆目見当もつかなかった。
美姫子が所長室に向かうと、部屋の内部には明りが点いているのが曇りガラスになっている小窓から洩れている明りで判る。
コン、コン。
ノックをしてから所長室の扉を開ける。室内には誰も居なかった。電話で言われた所長用の机に真っ直ぐ向かうと確かに一枚の紙が置かれているのが判る。美姫子は不安な面持ちのまま紙を取り上げる。
「大熊が来るまでソファに座って待っていること。大熊が来たらこのロープで縛ってくださいと頼んで、あとは奴の好きにさせること。」
簡単な文章だったが、非情な内容だった。美姫子が応接セットの方に目をやるとソファの間に置かれた低いテーブルの上に白い綿ロープらしきものの束が置いてあるのが見えた。
(大熊に縛られて犯される・・・?)
机の上の紙に書かれた内容を嘘ではないかと何度も読み返した美姫子だったが、指示はある意味明確だった。
(好きにさせる・・・。自分には何の選択肢もなければ、縛られて抵抗することさえ出来ないのだ)
美姫子は自分の運命を呪いたい気分だった。その時、ガチャリという音がして所長室の扉が開かれた。
「お、大熊・・・さん?」
「ふふふ。待たせたな。愉しみにしていたぜ。」
扉から入ってくる大熊は何時になく脂ぎっているように見えた。そんな大熊を目にして、美姫子は呪いの言葉を発しなければならないのだった。
「こ、この・・・、ロープで私を・・・、このロープで私を縛ってください。」
やっとのことでそう言い切ると両手首を揃えて前に差し出す。
「ふっふっふっ。なかなかいい趣向じゃないか。一度、女を縛って犯してみたかったんだ。プロの女だって、なかなかこういうことはさせてくれないからな。」
そういうと、大熊はテーブルの綿ロープを取り上げると、いきなり美姫子の片手を取って捩じり上げる。
「あ、嫌っ・・・。」
美姫子が悲鳴を挙げるが、大熊は全く意に介せず捩じり上げた美姫子の手首を背中に廻し、もう片方の手首も捉える。
「縛るっていったら、後ろ手に決まってるだろが。」
そう言うや、美姫子の両手首に綿ロープを巻き付けて行く。
「ああ、そんな・・・。」
両手首を背中で縛り付けてしまうと、大熊は一旦美姫子の身体を放す。低いソファに沈みこんだ腰では、それでなくても短いスカートがずり上ってしまって裾の間から下着が覗いてしまうのを最早隠せない。大熊のぎらぎらした目がその股間の中心に注がれているのが嫌というほど感じられる。
大熊が縛られて何の抵抗も出来ない美姫子の顎に手を掛けて上向かせる。
「お前、マゾなんだってな。お前も愉しめるようにたっぷり虐めてやるぜ。」
「え、マゾだなんて・・・。ち、違いますっ。」
「ふふふ。誰も居ないんだ。気取ることはないさ。もうこの建屋には誰も居ないんだから、思いっきりよがり声を挙げてもいいんだぜ。深夜12時の守衛のパトロールまでは誰も来やしないんだからな。」
「お願いします、大熊さん。赦してください。違うんです。私が望んでこうなったのではないんです。」
「お前が望んで? はあ? 何を言ってるんだ。あんな高い金、取っておいてよく言うじゃないか。お前が夜中にこんな商売してるなんて、もっと早く知ってればよかったぜ。金の元だけはたっぷり愉しませて貰うぜ。」
(高い金? どういう事?)
「今日はな、実は昼間に三回も抜いちまったんで、これのこいつがカチン、カチンになるまでちょっと時間が必要なんだ。だから、充分硬くなるまでお前には口で奉仕して貰うからな。」
「え、何を言ってるの? 口で奉仕って、嫌よ。そんな事・・・。」
「もっと嫌がってみせろよ。芝居だと判っていてもその方がそそるからな。待ってろ。今、チンポ出すから。」
「嫌っ・・・。」
大熊がズボンのチャックに気を取られている一瞬の隙を突いて、美姫子は所長室のドアに向かって突進する。ドアレバーを顎で押し下げるのだが、大熊が入って来た時に、内錠を掛けたらしくドアは開いてくれない。内錠のロックを後ろ手で外そうとするが手探りではなかなか掴むことが出来ない。そうこうするうちに、ズボンのチャックから陰茎を剥き出しにした大熊が追付いて来てしまった。髪を掴まれ、引き摺り倒されてしまう。
「おや、もう捕まっちまったか。残念だったな。」
美姫子はスカートの裾が乱れるのも構わず、床の上を這いながら後ずさりする。その足首を大熊に難なく捉えられてしまう。
「あ、嫌っ。引っ張らないで。」
美姫子の願いも空しく、足首を大きく捩じられながら持ち上げられて美姫子はうつ伏せにされてしまう。その太腿の上に大熊が馬乗りになる。ずり上がったスカートから美姫子の白いショーツの尻が丸見えになっている。
「そうだ。お前、マゾだってな。そんなら、まずお前も気持ちよくさせてやるか。」
そういうと、馬乗りになって美姫子の太腿を抑え込んだまま、ショーツを膝まで一気に引き降ろしてしまう。美姫子の白い尻が剥き出しになる。
「や、やめて・・・。」
「いい尻だな。こいつはどうだ。」
大熊が手の平を大きく振り上げて裸の尻に振り下ろす。
パシーン。
「へ、いい音がするぜ。気持ちいいか?」
パシーン。
「痛いわ。やめてっ。」
「痛いから、気持ちよくなるんだろ。へへへ。女の尻を叩くってのは、こんなに気持ちいいもんなんだ。俺もだんだん感じてきたぜ。ほれっ。」
パシーン。パシーン。
「あううっ・・・。」
「おう、鎌首が持ち上がってきちまったぜ。さ、今度はお口の番だ。」
ショーツを膝まで降ろされたまま、美姫子は身体をひっくり返されて仰向けにさせられる。大熊が美姫子の身体に馬乗りになったまま、すこしずつ美姫子の顔のほうににじり寄ってくる。美姫子の目にも、半分屹立しかかった大熊の陰茎が見えてくる。
「さ、咥えて貰おうか。」
「い、嫌っ・・・。」
大熊が勃起しかかったペニスを美姫子の顔に押し付けようとするのを、必死で横を向いて逃れようとしていたその時だった。
「おい、誰か居るのか。おや、中から鍵を掛けてるな。」
外から鍵を使って解錠しようとしている音がする。声の主はその部屋のあるじでもあった。
「おい、お前。大熊じゃないか。俺の女に何、しようとしてる?」
「ぶ、部長・・・。どうして、ここに・・・。」
慌てて大熊が美姫子から身体を離して、半分勃起したペニスをズボンにしまおうとするが、思うようにならない。
「ち、違うんです。これは・・・。そ、そのう・・・。」
「もういい。後でゆっくり理由を聞くから、今はすぐにここを出て行け。」
鬼木が一喝すると、しまいきれていないペニスを両手で隠しながら、大熊がこそこそ所長室を出てゆくのだった。
鬼木は大熊が凌辱寸でのところで残していった床に仰向けになっている女を眺める。スカートは捲れ上って股下ぎりぎりまでの太腿を露わにしている。その太腿には膝まで降ろされてしまったショーツが絡みついている。後ろ手に縛られていることは背中を見なくてもすぐにそれと知れた。
「縛られているんだな?」
美姫子は口では答えずに、首を縦に振る。
鬼木は美姫子の背中の縄はそのままにしておいて首と膝下に手を掛けて抱き起すとそのままソファまで美姫子を運んでいった。
「どうして縛られているんだ。」
「それは、私が縛ってくれと頼んだからです。いえ、そう言わされたからです。」
「言わされた?」
「でないと、私の秘密を暴露するからと言われたのです。私・・・、部長に言ってないことがあるのです。」
「待て。その話はあとでゆっくり聴こう。お前にそう命令したのは中島スーだな。」
美姫子は密告することになると一瞬逡巡したが、おおきく頷いた。
鬼木は自分の所長机の席に赴いて、秘密の書類を入れてある抽斗に鍵が掛かっていないことを改めて確認する。
(スーが見たのだな・・・。)
鬼木はだいたいのシナリオを聞くまでもなく理解した。
「大熊をお前のところに寄こしたのも中島だな?」
「そうだと思います。お金を・・・、大金を支払ったと言ってました。」
「金を払えば、させてくれる女が居るとか・・・、ま、そんなところだろうな。」
「・・・。」
鬼木は所長机から再び美姫子のほうへ戻ってくる。
「俺が、どうしてお前の代りに中島を秘書にし、派遣グループのリーダーにしたか分かるか?」
そう言いながら、鬼木はズボンのベルトを緩め、チャックを下げる。
「あいつが誘惑してきたんだ。私なら、貴方を気持ちよくさせてあげることが出来ますと言ってな。」
「やはりそうでしたか。」
「私が間違っていたようだな。」
そう言った時には、鬼木はトランクスを下げていた。
「私が代わってして差し上げます。ですから、もう彼女にはああいう事を止めさせてください。」
そこまで言うと、両手を背中で縛られたまま、美姫子は鬼木の股間にむしゃぶりつく。その股間のモノは首を擡げ始めていた。美姫子が口に含むと、いきなり怒張してきた。
チュパッ。
美姫子の舌が鬼木のペニスに絡みつき、大きな音を立てた。その美姫子の頭を髪の上から鬼木は優しく引き寄せていた。
次へ 先頭へ