力士

派遣通訳女子 屈辱の試練



 十一

 翌朝の中島スーの出勤してきた姿を見た者は、男女を問わずはっと息を呑んだ。20cmは悠にあるピンヒールの靴に膝上20cmぐらいの裾丈のボディコンミニスカートのワンピースだったからだ。膝上20cmは美姫子ぐらいの上背があればそれほどではないにせよ、股下65.3cmのスーの場合は裾の直ぐ上はもう股下ぎりぎりに違いなかった。まさに捨て身の露出だった。中島の下半身を見て、生唾を呑み込まなかった男性社員は居なかったに違いなかった。
 朝の朝礼で、美姫子が檀上に上らされてミニスカートの姿で腰を落として天突き体操の音頭を取っている最中も列の最後尾で腕組みをしながら身体を逸らせるようにして、ふんぞり返っている中島に誰も注意が出来ない。ちょっと屈めばパンティが覗いてしまうのは疑いなかったからだ。
 「今日の中島さん、何だか物凄い気合いが入っているって感じね。」
 中島の姿を遠目に見ながら美姫子にこっそり耳打ちしたのは、その日も野暮ったい長い裾のドレープスカートの石上だった。石上も前日の朝、女子社員たちの採寸された寸法が一覧で晒された紙をちらっとだが見ていたのだが、その日に限って遅く出てきた美姫子はそんなものの存在を知らない。美姫子が出社してくる前に中島スーが破り捨てていたからだ。
 「まあ、いいんじゃないの。ああいうのが好きな男性も多いみたいだし。」
 美姫子は暗に鬼木部長のことを頭に描いて口にしたのだが、石上は気づいていない。石上は当然ながら、前日の採寸メモのことを気にして、少しでも脚が長く見えるように身体を張っての事だと理解していた。
 「部長、ちょっとよろしいでしょうか。」
 そんな中島が午前中につかつかと鬼木の席へ歩み寄って話し掛けたのだった。鬼木は中島のミニスカートから惜しげもなく露出されている太腿にチラッと目をやってからスーの方を見上げる。
 「あん? 何だね。」
 「ちょっと内密でお話ししたいことがあるのですが。」
 「ふうん? じゃ、上の所長室で聞くことにするよ。」
 そう言うと、顎で指示してスーに先に所長室へ向かうように合図する。所長室は上の階なので当然ながら階段を昇る際に後ろからついて来られることになる。それでも一向に構わないという風に毅然として下から覗きこんでいるであろう部長の視線を感じながら颯爽と先に立って歩いてゆくスーだった。

 「どうして倉持美姫子が派遣社員たちのリーダーなんですか?」
 鬼木が所長室の自分の机の後ろに座るなり、スーは唐突に切り出した。
 「どうしてって、別に理由はないが・・・。」
 「理由はないんですか。」
 「まあ、特にはね。」
 スーはそう聞くと、突然肘を頭の上まで上げるようにしながら後頭部に手をやり、丁寧にアップに纏めていた髪留めを外して長くしている髪を振り解く。スーがアップにしていた髪を人前で解くのは会社では初めてのことだった。
 「あの、私、思うんですけど。派遣の社員、特に女子社員たちは男性のお客様に気持ち良く滞在していただけるように、心から接待するのが大事だと思うんです。リーダーはそれを率先して手本に見せる必要があると思うんです。でも、倉持美姫子さんはそういうのはあまり得意じゃないように見えるんです。」
 「ほう、そうかね。」
 「例えばですね・・・。部長、ちょっとこちらへいらして頂けますか。」
 スーは所長机の傍らに据えてある応接用のソファのほうを差し示す。促されるままに鬼木が立ちあがってソファのほうへ向かう。鬼木が腰を落としたところで、スーは真正面に立ったかと思うと、突然膝を折ってその前に跪く。スーが片膝を立ててしゃがみ込んだので只でさえ短いスカートの裾がずり上がる。鬼木の目がそのスカートの裾の奥を一瞬覗きこんだのを意識しながら今度は両膝をついて屈みこみ、手にしていたハンカチで鬼木の革靴の先を拭い出す。
 「朝礼の時、ちょっと汚れていたのに気づいたんです。おもてなしって、こういう細かい所にも気を配ることをいうのですわ。」
 解いた長い髪が鬼木の膝の辺りに触れていた。鬼木はそれをスーがわざとやっているのには気づいていた。
 「それから、今日はちょっとネクタイが曲がっていらっしゃいます。今お直し致しますわ。」
 床から立ち上がると座っている鬼木の両脚を跨ぐような格好で鬼木にぐっと身体を近づける。スーの両手が鬼木の頸筋に掛かると、スーの吐息が顔の横を撫でるように感じられる。
 「一度、解き直しますね。よろしいですか。」
 「あ、ああ・・・。」
 鬼木の目の前には大きく広げられたスーの太腿が更にきわきわまで露出しているのが見て取れる。
 「部長、ちょっとこのところストレスが溜まってらっしゃいません。身体が少し硬直気味ですわよ。ネクタイを締め直す前に肩をお揉み致しましょう。」
 スーはそう言うと、鬼木が答えるのも待たずにソファの後ろ側に回り込むと両肩に手を置いて鬼木の方を揉み解し始める。
 「大分凝ってらっしゃるようすですね。もっとリラックスなさらないと。そうだわ。私が部長の緊張を解きほぐして差し上げますわ。ちょっとだけ私に身体を預けてくださいな。」
 そう言うと、今外したばかりの鬼木のネクタイを後ろから鬼木の目に当てる。
 「見えないほうが余計にリラックス出来るんです。」
 スーは鬼木の後頭部でネクタイを縛りながら鬼木の耳元にふうっと熱い息を吹きかける。鬼木の喉が動いて、反応したのを確かめるとスーは鬼木の前面に再び戻る。
 「いいですか。暫くの間、何も考えないでじっと私に身をお預けになってください。」
 鬼木は気配でスーが自分の膝の前にしゃがみ込んだことを感じ取っていた。スーの両手が優しく鬼木の両膝を押し開くようにする。鬼木が脚を開くとスーがそこに身を割り込ませてきた。股間にスーの手が差し伸べられたのを鬼木は感触で感じ取っていた。ズボンのベルトが緩められ、チャックが引き降ろされていく。スーの指先は下穿きの奥に擡げ始めている肉塊を探り当てようとしていた。やがてその指先が肉棒を突き止めると両方の手が絡みついてきて、下穿きの外へ硬くなりだしたそれを引きずり出す。
 生温かい粘膜がその肉棒を包み込んだのを感じとると、更に一掃に怒張が激しさを増す。
 「ううっ・・・。」
 ぴちゃっ、ぴちゃっ。
 卑猥な音を立てながらスーの舌が鬼木のそれを舐め上げ、更に奥へと含み込む。
 ずずぅー、ずずぅー。
 スーの口が深く咥えこんだそのものを更にしゃぶりあげる。鬼木は堪らない快感に絶頂を目の当りに感じる。
 「い、いいのか・・・?」
 スーは咥えたまま放さないので声は出せない代わりに首が少し上下に動いて承諾の様子をみせていた。
 「ああ、いくっ・・・。」

 「さ、これでよろしいですわ。ネクタイ、きっちりとお直ししておきましたから。」
 スーが密着させていた太腿が鬼木の腰を離れる。同時にスーは鬼木の膝の上から立ちあがって鬼木の目の前で裾の乱れを直す。
 「ご用の時は何時でも呼びつけくださいませ、鬼木部長?」
 「あ、そうだね。」
 「失礼いたします。」
 中島スーはそういうと恭しくお辞儀をして所長室を後にしたのだった。

mikiko

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