派遣通訳女子 屈辱の試練
十五
「あら。何を観ているの、部長。」
さっきから何かのカタログにご執心の鬼木部長に興味を持った中島スーは、うしろから覗き込んでみた。
「あ、うん。新しい設備だよ。」
「へえ。それ、何か動物でも飼う檻みたいじゃないの。」
「えっ。まあ、そう言われてみればそうだな。ふうむ。檻かあ。」
スーが檻みたいと称したのは、機械装置の安全防護柵だった。今度フィリッピンの工場で、機械工作ロボットを導入するにあたって、安全防護の為の設備の検討を依頼されていたのだ。スーの檻という言葉を聞いて、鬼木は何が何でもそれを手にいれたくなったのだった。
檻ならぬ防護柵が一階フロアの工法開発・技能訓練室に搬入されてきたのはその1週間後のことだった。搬入にあたっての受注検収にあたっていたのは、設備資材担当の深川良夫と、経理事務の笹川真由美である。真由美は女性事務員であるが、一応機械工作現場になっている技能訓練室に立ち入るのに、機械工たちが被っている作業帽を被って検収シートを挟んだクリップボードを手にして、搬入され、組み立てが終ったばかりの防護柵を深川と眺めていた。
「ねえ、スーさんが言ってたけど、本当に猛獣の檻みたいね。」
「檻かあ。まあ、これがないとロボットは急にアームを何処に振り出してくるか判らないから本当に危険なんだ。ロボットの搬入まではまだ少しあるから、それまでは檻として使ってみるかな。」
「え、こんなとこに何を閉じ込めるの。」
「お前、ちょっと入ってみるかい。」
「え、嫌よお。でも、何か悪さしたような奴を閉じ込めて、みんなで笑いものにするのもいいかもね。」
真由美はサディスティックな嗜好があるのか、閉じ込められることより誰かを閉じ込めることのほうを想像しているようだった。腕組みをしながら、閉じ込められた女を笑いものにしている様子を思い浮かべ、真由美は薄ら笑いを浮かべていた。
「何だか怖いわ。いいもの見せるって、一体どこにあるの。」
部長の鬼木に着用するよう命じられた目隠しのせいで、手探りでおそるおそる進むしかない美姫子は、背後から付いてきているらしい鬼木に声を掛ける。
「今、すぐ判るから。真っ直ぐそのまま歩いて行って。」
キィーッ。
何処かでドアが軋むような音が聞こえた美姫子は、頬にすうっと風が当たるのを感じた。
(何かが開かれたみたい・・・。)
そのまま、ゆっくりと前へ進む。ふと、何かが手の先に触れた。冷たい鉄のような感触だった。一瞬びくっとして手を引っ込めたが、もう一度ゆっくり触れてみる。鉄製のポールが縦に走っているようだ。
「そのまま真っ直ぐ歩いて行って。」
鬼木が後ろから促す。更に数歩、前に進む美姫子だった。
ガッシャーン。
突然、後ろで大きな音がした。
「な、何っ?」
吃驚した美姫子は急いで振り返る。しかし目隠しをしたままなので、何があったのかは確認出来ない。
ガチャリ。
別の音が響き渡った。
「もういいだろ。目隠しを取っていいぞ。」
鬼木に言われて、美姫子は目隠しの帯を結んでいる後頭部に両手を伸ばす。
「えっ。何、これっ・・・。」
目が明るさに慣れてくるまで暫くかかった美姫子は、自分の周りに巡らされている鉄の格子に気付いて蒼くなった。鉄格子の向う側に部長の鬼木が腕組みをして立っていたのだ。
「これって、あの作業ロボット用の防護柵じゃないの。ま、まさか・・・。」
慌てて美姫子が入口になっていた筈の柵の扉部分に手をやるが、ガチャガチャ音がするだけで、扉はびくともしない。
「え? 私を閉じ込めたの?」
「みんながそこに閉じ込められたお前を見てみたいっていうからさ。今、みんなを呼んで来てやるよ。」
「え、そんな・・・。やめてっ。私を出してっ。」
深川、磯貝、戸川、大熊と、同じ事務所の男性社員が揃っている。皆、何故か手にロープを抱えている。
「ねえ、みなさん。ここに閉じ込められちゃったの。助けてっ。」
しかし男たちは檻の中の美姫子の姿をみて、驚くでもなくニヤリと薄笑いを浮かべているだけなのだった。男たちは檻の中の猛獣見学をするかのように格子のすぐ傍までやってきて、檻の中の美姫子を取り囲むように四面に立つのだった。
「戸川さん。鍵、持っているんでしょ。この扉を開けて私をここから出して。」
いつも鍵当番をさせられている戸川の前にすがるように両手を格子に掛けて進み出た美姫子だったが、その格子の間から指を伸ばして美姫子のブラウスの裾口を掴んだのは隣にいた大熊だった。
「何するの、放してっ。」
美姫子が振り払おうとするが、大熊はしっかり握っていて離さない。深川も近寄ってきて、下半身の方に手を伸ばして美姫子のスカートの裾を掴もうとする。
「いやっ、やめて・・・。」
美姫子がそれに気づいて慌てて身体を格子から離す。大熊が掴んでいたブラウスの裾も思いっきり振り払う。ビリッという音がしてブラウスが腋の部分で裂けたらしかった。しかし何とか大熊の指を振り払うことが出来たようで、美姫子は男たちの手から届かないように檻の中心部分へ逃げる。その中心部には搬入されたばかりの作業用ロボットがアームを畳んだ形で鎮座しているので、その脇に立つしかないのだった。格子の隙間から男たちが手を伸ばしてくるのだが、何とか男達には届かない場所へ逃げ込むことが出来た美姫子だった。
「おい、戸川。作業ロボットのスイッチを入れてアームを振り回させるんだ。」
「え、何ですって。やめて。」
命じられた戸川が脇の電源盤のナイフスイッチを上げ電源を入れると、隣の操作ボタンを押す。グィーッという音がして畳まれていたアームが手を伸ばし始める。
「や、やめてっ。危ないわ。止めて頂戴。」
しかし戸川が操作し続けるので、横に伸びたアームが水平に振り回されてくる。美姫子はそれを身を交わして避けようと後ろへ下がる。しかし、そこには男たちの手が待ち構えていたのだった。
「そりゃっ、捕まえた。」
美姫子は破けていなかった方の袖口を深川に掴まれてしまった。すぐに磯貝が反対側の袖口を捉える。
「いやっ、放してっ。」
両側から袖を引っ張られて格子から離れられない美姫子は今度はスカートの裾まで大熊に掴まれてしまう。
「おい、戸川。ロープを輪にしてこの手首に引っ掛けるんだ。」
「判りました、深川さん。はいっ。」
戸川が器用にロープで輪っかを作ると、格子の間から差しこんで袖口を抑えられている美姫子の手首に引っ掛けた。すぐにロープが引かれると美姫子は手首を檻の格子に括り付けられてしまう。もう片方の手首もあっというまに格子に括り付けられ、美姫子は檻の中で両手を広げて磔にされてしまたのだった。
自由を奪われて抵抗も出来ない美姫子に、男たちは容赦をしない。大熊は掴んだスカートの裾をどんどん上に持ち上げていくので、すぐに下着を丸出しにさせられてしまう。
「ストッキングは邪魔だな。破いてしまえよ。」
「ああ、任せろ。」
ビリッという非情な音と共に、美姫子のストッキングはどんどん千切られて引き裂かれていく。
「今度は片足を持ち上げさせようぜ。檻の下の隙間から縄を入れてこいつの脚に引っ掛けろ。」
「え、嫌っ。」
戸川が檻の下の隙間から縄で輪を作って差しこむ。大熊が足首に残っているストッキングの残骸を掴んで持ち上げるので、美姫子は足首を浮かさざるを得ない。そこへ戸川が輪になった縄を通す。大熊が足首のストッキングを放すと同時に今度は反対側の足首を掴んで引き上げるので、美姫子は縄の輪の中へ足首を落とさざるを得ない。縄はすかさず引かれて、美姫子の足首は檻の格子に固定されてしまう。もう片方の足首も縄を掛けられてしまうのはあっと言う間だった。両側夫々で足首に掛けられた縄は左右に引っ張られるので、美姫子は脚を広げざるを得ない。
「そしたらもう一本の縄で膝頭のところで括り付けろ。しっかり結んだら俺が反対側の端を檻の屋根部分に通すから、それで引っ張りあげるんだ。」
「やめて・・・。そんな事。」
しかし男達は美姫子に一切容赦はしなかった。戸川が器用に檻の格子の間から通した縄で美姫子の膝頭に通した縄の端を脚立に乗った大熊が檻の天井部分で受け取ると上側の桟に通す。膝頭が繋がれた方の縄が引かれると同時に足首を固定していた縄が緩められるので、美姫子は引かれるがままに片方の膝を上にあげざるを得ない。最早男たちがスカートを捲り上げていなくてもスカートはずり落ちることもなく、パンティ丸見えの状態で美姫子は片足を大きく上げさせられていた。
「いい格好になったな。じゃ、今度は少し気持ちよくさせてやろう。」
「な、何をするつもり・・・。」
「ふふふ。おい、戸川。余っている縄に50cm間隔で瘤を作れ。そいつを檻の下を通してこいつの両脚の下を通るように潜らせる。」
「え、どうしようっていうの。何するつもり?」
「ふふ。いま、わかるさ。おい、戸川。反対側で縄を格子を通して上へ持上げろ。こっちはこいつの後ろでこっち側の縄を上へ持上げるから。」
檻の下を横切って通された瘤のついた縄が次第に引き上げられると、美姫子の股間部分にまで到達する。更に両側で縄をぐいぐい引くので、美姫子はパンティのクロッチ部分で縄によって股を裂かれる格好にされてしまう。
「ようし。こっちで縄を少し緩めるからそっちで縄を強く引くんだ。縄の瘤がこいつの股を擦り抜けたら、今度は逆にそっちが緩めてこっちが引くからな。いいか、せーの。引けっ。」
股倉を割っている縄の瘤が美姫子の股間をぐりっと抉るように刺激する。
「あうっ。やめてっ。お願い・・・。」
「それ、逆だ。そりゃっ。」
今度は反対向きに縄の瘤が美姫子の股間を抉る。
「い、いやっ・・・。」
「どうだ。気持ちいいだろ。あそこを瘤でぐりぐりされて、たまらん筈だ。」
「そ、そんな訳ないわ。」
「そうかな。感じてるかどうかは、パンティのアソコの部分が濡れてくるから隠しようもないんだぜ。そりゃ。どうだ。」
「あうっ。ひ、酷いわ。」
「もっと速くごしごししてやろうか。おい、いいか。俺の声に合わせて縄を行き来させるんだ。いいか。そおれっ、そおれっ、そおれっ、そおれっ・・・。」
「ああ、駄目ぇっ。それ以上したら、もう・・・、もう我慢しきれないわ。」
「きゃっ。」
大きく身体を仰け反らせていた美姫子はベッドから滑り落ちそうになってやっとのところでシーツを掴んで何とか事なきを得た。
(あれっ・・・。私、どうして・・・。夢、だったの?)
気が付くといつもの自分のアパートのベッドの上だった。
(なんで、あんな変な夢みたんだろう。)
そう思いながらもまだ身体の芯が疼いているような気がする。掛けていた筈のシーツは大きく乱れて肌蹴ていた。パジャマのズボンは少し下がり気味になっていて、ショーツが覗いてしまっている。
(自分で下げたのかしら・・・。)
不審に思いながらパジャマのズボンの中に手をいれてみる。ショーツのクロッチ部分に触れてみると指先に微かに湿り気を感じる。
(いやだわ。まさか・・・。)
美姫子は腰を浮かしてパジャマのズボンを膝まで下げ、ショーツをゆっくり降ろしてみる。陰部が当たっていたクロッチの内側にはくっきりと丸い沁みの痕が残っているのだった。
(また、やってしまったようだわ。)
美姫子は子供の頃から、何度か寝ている間に夢想しては下着を汚してしまうことがあった。そんな時は決まって近所の男の子たちに悪戯されて恥ずかしい思いをするという夢をみていた後の事なのだった。
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