派遣通訳女子 屈辱の試練
十四
「あら、貴方もしかして鷲尾さんと仰る方じゃありません?」
「え、どうしてボクの名前を知ってるの?」
「ああ、持田さんて方から教えて頂いたんです。私、資源管理部の隣にある事務所の派遣社員で中島スーっていいます。よろしくっ!」
「ああ、こちらこそ。はあ、そうかあ。隣っていうと、匠の技統括部だね。今度ここがそこの研修センターになるとか。」
「ええ、準備中なんです。なんか持田さんから聞いたんですけど、この間トイレでうちの女性派遣社員に出遭ったんですって?」
「あ、あれっ? そちらの派遣の方だったんですかあ。てっきりこっちでは若い女性の掃除婦を雇ってるんだと思って・・・。へえ・・・。」
「あの子、変な格好してませんでしたか?」
「変な格好?」
「あの子、露出狂みたいなところがあって。すんごいミニスカート穿いてて男を誘惑したりするんですよ。あの時の男子トイレの掃除も自分からやりたいだなんていって。」
「あ、そう言えば・・・。パンツ丸見えにしてるところ、観ちゃったんだけど。」
「やっぱり。」
「こう、床にしゃがみこんで。短いスカートのままでね。こっちに真正面向いてたもんだから、ばっちり見えちゃって。暫く茫然としちゃったよ、こっちが。」
「ま、いいもん観ちゃったって思ったんでしょ、当然。」
「あいやー、まいったな。」
「あれ、多分わざとですよ。だから気を付けたほうがいいですよ。ああいうさせ子の挑発に下手に乗ると後が怖いですからね。」
「ま、まっさかあ。ボクは大丈夫だよ。それより、君もスカート、かなり短いね。大丈夫?」
「私は殿方にパンティを見られちゃうなんてはしたないこと、しませんから。」
スーは鷲尾にウィンクしてみせ、その場を立ち去るのだった。
「ルン、ルル~ン・・・。」
スーが鼻歌を歌いながら所長室の机を拭いている時に、部長の鬼木が入ってきた。
「随分、上機嫌じゃないか。中島君。」
「あら、部長。いえ、所長。ちょっといい事があったもので。久々に溜飲を下げたっていうか。」
「溜飲?」
「これも、所長の英断のおかげかしら。さっそくサービス、しなくっちゃね。」
スーは鬼木の前を通り越して所長室の入口の扉に内側から鍵を掛けると鬼木の前にしゃがみ込む。
「ちょっと、じっとしててね。」
そう言うと、鬼木のズボンのジッパーを下げる。スーはこの日も飛びっきり短いミニのタイトスカートなので、鬼木の方からはパンツが丸見えになっている。脚を大きく開いて鬼木の下半身にすり寄るようにしゃがんで、チャックを降ろしたズボンの中から引きずり出した陰茎を待ちきれないように咥えこむ。
「お、おいおい・・・。」
チュパッ、チュパッ。
スーが鬼木のペニスのカリの裏側を舐め上げるように舌を動かす。しかし、鬼木のモノは何時ものようには膨らんでこない。
「あれ、今日は随分お疲れみたいね。」
「ああ、ちょっと調子が出ないだけさ。そういう日もあるんだ。」
「あら、残念。今日は硬く大きくしたら、私のアソコにも入れて貰うつもりだったのに。そんな日に限って駄目なんて。」
「まあ、そう言うなよ。俺も結構いい齢なんだからさ。」
「いいのよ。私はいつでもオッケーだから。」
「しかし、お前は・・・。」
鬼木はペニスを掴んだまま名残惜しそうに放さないまま見上げているスーのほうをしげしげ見ながら、言葉の最後を呑み込んだ。
「なあに? 私が・・・?」
「いや、いいんだ。何か、派遣女子たちで所内の大掃除をさせたんだって?」
「あら、もう聞いたの。リーダーとしての私の一存でね。みんなにおもてなしの何たるかを躾けなきゃって思って。」
「トイレ掃除までさせたそうじゃないか。あんまり調子にのってて、派遣元から苦情が出ないようにしてくれよ。」
「大丈夫よ。私に任せておいて。」
やっと、スーは鬼木の萎えたペニスをズボンの中にしまい込むと立上る。
「じゃ、また今度ね。愉しみにしてるから。」
そう言うと、再び鼻歌まじりに所長室を出ていったのだった。
(やっぱりアイツは力士がぴったり似合うな。今度、全裸にして褌を着けさせて、あの長い髪も大銀杏に結わせてみたいものだな。)
鬼木が力士と渾名を付けたのは、言い得て妙だと自分自身に関心する。その力士を彷彿させるスーのしゃがんだ姿からつい勝負前の蹲踞する相撲取りを想像してしまって、思わずその気が失せてしまったのだ。そのことを、つい口にしそうになったのをやっとの事で呑み込んだのだった。
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