妄想小説
覗き妻が受ける罰
第十八章
「ねえ、どうして私を縛るの? お願いだから、これを解いてちょうだい。」
「自分が何故縛られなくちゃならないか、本当に判らないのかい?」
「わからないわ。どうしてこんな目に遭わなくちゃならないの。」
「今、思い出させてやるよ。ふふふ・・・。」
男は京子の背後に廻ると、京子が背にして立っている公園のフェンスの支柱の根元に京子の両手首を後ろ手に縛った縄の反対側の端をくぐらせる。
「何・・・。どうするつもり?」
男は支柱の根元にくぐらせた縄を後ろから京子の両脚の間に通す。再び京子の真正面に立つと縄を手繰り始めた。
「嫌っ。何するつもり・・・?」
男がどんどん縄を手繰るので、とうとう縄がピンと張って京子は縄を跨ぐ格好になってしまう。京子は足を上げて股の間の縄を跨ごうとするが、男もそれに合わせて縄を高く持ち上げてしまうので、両足の間から縄を外すことが出来ない。更に男が縄を強く引くので次第に京子はフェンスへ引き寄せられていく。
「やめてっ。もう引っ張らないで。」
しかし男は京子の声を無視して更に縄を引いていく。フェンス際まで引き寄せられてしまうと、そこから先は両手首をフェンスの根元のほうへ引っ張られてしまうので、腰を屈めるしかなくなる。
「やめて。それ以上引っ張ったら立っていられないわ。」
「だったら、しゃがんじまったらどうだい。ほれっ。」
男が更に縄をぐいっと引くので京子は腰を屈めざるを得ない。
「やめて。パンツが見えちゃうじゃないの。」
「パンツを見られたいから、そんな短いスカートを穿いているんだろ。男をそうやって挑発したいんだろ。お昼に俺に見せつけたように。」
「ち、違うのよ。あ、あれは・・・。」
「わざとやってんだろ。俺は気づいていたぜ。ずっと腰を屈めて、そのくせ膝頭はこっちへ向けて、わざとスカートの奥のパンツを覗かせていたんだろ。」
「ち、違います。ああ、私がやりたくてやっていたんじゃないの。命令されて、仕方なくあんな格好をさせられてたんです。」
「嘘を吐くなよ。男を挑発して、興奮してたんだろ。そういう女なんだよ、お前は。」
「ち、違いますっ。い、いえ。違うんです。お願いだから信じて。」
「ふん。昼間と同じ格好をしてみろよ。そらっ。」
「あ、それ以上引っ張らないで。あ、駄目っ・・・。」
男の強い引きには勝てず、とうとう中腰の格好から完全にしゃがまされてしまう。ミニスカートからパンツが丸見えになっているのに、京子にはどうすることも出来ない。縛られた両手首はフェンスの支柱の根元に完全にひきつけられてしまって、自分ではその格好から逃れることが出来ないのだった。
「な、何してるの・・・。」
男が自分の両手を牽いているロープの端をフェンスに括り付けているのをみて、京子は慌てる。
「暫くそのままの格好を晒していろって事さ。こうして縄の端を縛り付けておけば、自分ではもうどうにも出来ないだろ。」
「や、やめて。そんな事・・・。」
「もうすぐ小学生たちが下校でこの前を通る時間だからな。パンツ丸出しの女をみて、ガキ共がどう思うかな。高学年くらいになると、色気づいてやがる奴もいるから欲情してチンポをおったてちまうのも居るかもな。そうだ。こうしてやろう。」
男はそう言うと、いつのまに準備していたのかボール紙に紐のついたものを手にしている。そのボール紙にマジックペンで何やら書いている。見上げる京子に男が今書いたばかりのボール紙を裏返してみせる。
(私は悪い事をしたので罰としてこうして縛られています。どうかこんな私を苛めてください。)
そのボール紙にはそう書かれていた。男はそれをフェンス前にしゃがまされている京子の頭に紐を通して胸元に吊るしたのだった。
「そ、そんな・・・。私が悪い事をしただなんて・・・。」
「ここを通りがかる子供等がどんな苛めをしてくるか存分に楽しむんだな。それじゃな。」
男はそう言い放つと京子の傍から立ち去ろうとする。
「待って。お願いっ。私をこんな格好で放置しないで。お願いっ。縄を解いてっ・・・。」
そんな京子の必死の願いも無視して男は振向きもせずにどんどん離れていく。代わりに遠くから下校する小学生たちの嬌声が微かに近づいてきているのを京子は耳にして声を落とさざるを得なくなる。
京子は公園のフェンスの内側に繋がれている。子供等は公園の外側の道を帰っていくので、声さえ立てなければ気づかずに通り過ぎてくれるかもしれないと京子は思い、ひたすら身を潜めるようにしていた。しかし、子供等の中の悪ガキっぽい男のよく通る声が京子を絶望的にさせる。
「おい、ちょっと公園で遊んでいこうぜ。」
「ねえ、アンタたち。学校の帰りに寄り道してると先生に怒られるわよ。」
「平気だよ。先生だって、こんな所まで見周りに来る訳ないじゃん。おい、行こうぜ。」
「おう。俺もいくから。」
(お願い。来ないで・・・)
眼を伏せて祈るしかない京子に子供等の非情な声が聞こえてくる。
「おい。見ろよ。あそこに誰か居るぜ。何してんだろ。見に行ってみようぜ。」
(ああ、来ないで・・・)
「あれっ?あのオバサン、パンツ丸見えじゃね?」
「あ、ほんとだ。パンツ見えてる。」
「お、近くに行ってみようぜ。」
(ああ、もう駄目だわ・・・)
「おばさん?何してんの?」
もう子供等は近くまで来てしまっているのが声の近さで判る。
「あれっ。何か書いてある。わ、た、し、は・・・。うん?わ、る、い、事を、し、た、の、で・・・」
「この字、何て読むんだ?」
「バツだよ、それっ。最後のはイジメテ下さいって書いてあるんだよ。」
「ち、違うのよ。何も悪い事なんてしてないわ。」
慌てて顔を上げて釈明しようとする京子だったが、もう既に五人ほどの小学生らしい男の子が京子の周りを取り囲んでしまっているのに気づくのだった。
「でもここにそう書いてあるよ。何をしたの、オバサン?あ、おねえさんか。」
「おねえさん。自分で立上れないの?あれっ?あ、縛られてるんだ。そこに繋がれてるんだね。やっぱり悪い事して罰受けてんだ。」
「ち、違うのよ。私、悪い事なんかしてないっ。ね、お願い。この縄、解いてくれない?」
「・・・・。おい、どうする?」
「やばいよ。ほんとに悪い事してた人なら、解いたりしたら何されるかわかんないよ。」
「ち、違うのよ。本当に悪い事なんかしてないのよ。」
「でも、だったら何でそんな格好にさせられてんのさ。」
「そ、それは・・・。」
京子には痛い質問だった。子供等を納得させられるような答え方が京子には思いつかない。
「やっぱりそうか。よし。俺たちでこいつを苛めてやろうぜ。罰なんだから。」
「そうだな。でもどうやって?」
「そうだなあ・・・。ちょっと待てよ。今、考えるから。」
その時、遠くのほうから一緒に居たらしい女の子たちの声が聞こえてきた。
「ねえ、アンタら。そこで何してんの?先生に言いつけるわよ。」
「うるせえ。お前ら、先に帰ってろっ。何も言いつけんじゃねえぞ。」
「しーらないっから。もう、アイツらおいて帰ろっ。」
女の子は近寄ってくることもせずに遠のいて行く様子だった。
「おい、あの公衆便所にいって何かないか見て来いよ。」
「おう。俺、行ってくる。」
そう言うと、男の子たちの一人が公園内のトイレ目掛けて走って行く。
「ねえ、お願い。この縄を解いてくれない?」
「だって、悪い事した罰受けてんだろ。勝手に解いたりしたら怒られるもん。」
「ああ、ねえ信じて。おねえさん、何も悪い事してないの。」
「じゃ、どうしてそんな格好させられてんのさ。」
「そ、それは・・・。あの・・・。」
「おーい。トイレにバケツとモップならあるけど。それから何かよくわかんない道具・・・。棒の先にゴムがついている奴。」
トイレのバケツとモップと聞いて、京子はぞっとする。棒の先にゴムが付いているものというのはトイレの詰まりを直す通水器に違いなかった。
「あっと、それから雑巾とそれを干す時の洗濯バサミがあった。」
「洗濯バサミ? おう、それがいいや。こいつの鼻を洗濯バサミで挟んじゃお。それなら罰としての苛めとしていいんじゃないの? おい、すぐにそれを持ってこいや。」
「わかった。直ぐ持ってくる。」
そう言うと男の子の一人は再びトイレに向かって走る。
「駄目よ。そんな事しちゃ。君たちこそ、悪い事をしたことになるのよ。」
「ふふふ。そんな事言って脅したって駄目さ。悪い事したやつは、罰をちゃんと受けなくっちゃね。おう、持ってきたか。よしっ。まずこいつを何処に着けてやろうかな。」
「や、やめてっ。そんな事・・・。」
「やっぱ、鼻の穴かな。ちょうど二個あるから、一個ずつ挟んでやるよ。そらっ。」
「嫌っ。やめて・・・。痛いっ・・・。」
鼻の穴に一つずつ洗濯バサミで挟まれて、京子は思わず涙目になる。
「これで罰を受けてるっぽくなったな。もうちょっと何か罰はないかな・・・。」
京子は首をうなだれて責め苦に堪えている。小学生の子供達がもう何もサディステックな事を思いつかないように祈るしかなかった。
「あれっ?このおねえさん。お洩らししてない?ほらっ。パンツ濡れてるんじゃない?」
子供達の言葉に京子ははっとする。男の子らの目が晒し物になっている自分の股間に注がれているのは間違いなかった。
(ま、まさか・・・)
「あ、沁みてる。パンツの真ん中、沁みが出来てるっ。お洩らし、してるよ。このおねえさん。皆んな、みて。ほらっ。」
「あ、嫌っ。言わないで。ち、違うの。嫌っ、見ないで・・・。」
「おい、モップ持ってこいや。モップの柄の先で、ここをぐりぐりしてみようぜ。」
「な、何て事を・・・。駄目っ、だめよ。そんな事・・・。」
「おしっ。持ってきたな。貸してみろ。ほらっ。どうだ。おしっこ、もっと洩らしてみろや。」
「や、やめてっ。触らないで。嫌よっ。やめてぇっ・・・。そ、そんなにされたら、ほんとに出ちゃうっ・・・。」
京子は自由にならない身体を左右に振りながら身悶えするが、がっちり手首に食い込む縄が京子を責め苦から逃れさせてくれないのだった。
「もう赦してっ・・・。」
その時、もう堪えきれないほどの尿意にふと目が覚めたのだった。
(あ、いけない・・・)
慌てて起き上がると、ショーツを下しながらトイレに駆け込む京子だった。
(ふう・・・。間に合った。)
危うくお洩らししてしまうところだったと、我ながら情けなく思いながらショーツを引き上げようとした京子は目にしたものに蒼くなる。脱ぐときは慌てていて気づかなかったのだが、膝元まで降ろしたペーパーショーツのクロッチの真ん中が真っ赤に染まっていたのだ。
(うっかりしていた。まだだと思っていたのに・・・。)
そう思いながら、背後の棚にある生理用ナプキンが入っている籠に手を伸ばした京子は同時に大変な事に思い至った。ナプキンを装着するにしても、それを付ける為の下着はこの汚してしまったペーパーショーツしか無いのだ。しかも籠の中には最後のストックが一個入っているのみなのだ。
暫く思案していた京子だったが、他にどうする事も出来ず、汚れたペーパーショーツの内側に裏紙を剥した新しいナプキンを貼り付け、腰まで引き上げる。
(何とかしなくちゃ・・・。でも、どうすればいいのだろう。)
途方に呉れる京子だったが、取り敢えず男に頼みこむしかなかった。
(お願いです。お金を少しください。困っているんです。)
携帯メールにそこまで打って、京子は戸惑った。しかし、曖昧にしていては真意が伝わらないと覚悟を決めた。
(生理用のナプキンがもう無いのです。せめてそれが買えるだけでもいいので、少しだけお金をください。)
そこまで打つと震える指で送信ボタンを押す。
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