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妄想小説

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第十五章 騙し合い


 その日は影野との約束の一週間目の日だった。それは京子にとって嬉しいような、嫌なようなどっちとも取れる日だった。漸く股間の鎖から解放される筈だった。しかし、それは同時に一週間穿き続けて汚れ捲った下着を影野に渡さなければならないことも意味していた。自分では怖くてショーツの裏側の状態は見ていない。しかし、じっとり湿っているらしいことは自分で穿いていて肌で感じていた。
 ピンポーン。
 陽子には何も知らせず、一人で影野家へやってきた京子だった。
 「現代平和研究所の長谷川です。京子です。」
 相手はドアホンのカメラ越しに自分の様子を注視している筈だと思っていた。少し下がってカメラに自分の身体全体が映るようにする。その日も樫山から常に着用するように言われている超ミニのスーツ姿だった。
 「鍵は開いているから、そのまま入りなさい。この間と同じ、奥の部屋だ。」
 そこまでドアホンから声がしたところでガチャリと切れたようだった。何度も入っている屋敷なので、もうすっかり様子は判っている。京子は自分で玄関扉を開けるとそのまま応接室を抜けて奥の板張りの部屋へと進んだ。
 部屋の奥には革張りの一人用ソファが置いてあって、影野はそこに一人で座っていた。背後には三脚に据えられたカメラが置かれている。赤いランプが点灯しているのは撮影中であることを物語っている。
 「脱がされたいかね。それとも自分で脱ぐか。」
 「じ、自分で・・・脱ぎ・・ます。」
 「じゃあ、まずスカートから取りなさい。」
 影野はなるべく京子に恥ずかしい思いをさせるつもりらしかった。下半身から裸にするのはその積りらしかった。鎖が引っ掛かって伝線してしまうのでストッキングは着けていない。すぐに鎖の褌を嵌められた下半身が露出する。
 「その床の上に小さな鍵があるだろう。それが腰のベルトの鍵だ。自分で外すんだな。」
 影野に言われるまで、鍵が落ちていることに気づいていなかった京子だった。慌ててそれを拾い上げ、上着を少し持上げて錠前を探る。カチンと音がして鎖がベルトから外れ、ベルトも左右に分かれてやっと腰からベルトと鎖を外すことが出来た。
 ジャラッという音と共にベルトと鎖が京子の足元に滑り落ちた。
 「次はパンティを膝の上まで下げろ。」
 言う通りにするしかなかった。
 「脚は少し開いて・・・。そうだ。」
 上半身は普通に服を身に着けている。しかし上着やブラウスの丈は股間ぎりぎりの長さしかない。京子には股間が男に見えてしまっているのかも確かめようがない。
 「両手を挙げろ。肩の高さまでだ。」
 京子は拳銃を突きつけられているかのように、ホールドアップの体勢を強いられる。
 「今度は頭より高い位置まで両手を挙げるんだ。」
 男の意図は明確だ。ぎりぎりの位置にある筈の上着やブラウスの裾も両手をそこまで挙げれば、ずり上がって股間を被うものは何もなくなるのだ。京子は唇を噛んで男の命令に応じる。
 「どんな気分だ。その格好は。」
 「は、恥ずかしいです。」
 「お前が自分からそうなったんだからな。あそこが丸見えだぞ。しかも毛が生えてない。そのおかげで割れ目が丸見えだ。」
 「ああ、言わないで・・・。」
 「今度は胸に巻いている赤いタイを解くんだ。」
 「わかりました。」
 京子はいつもブラウスに濃い深紅のタイを結んでいた。それも樫山からスーツと一緒に渡されたものだった。
 「そのタイを目隠しにして自分で目の周りを被って後ろで縛るんだ。」
 京子は言われるままにタイを解くと目の上を被い、後頭部でしっかり縛る。
 視界が奪われてから初めて自分に近づいてくる影野の気配を感じた。音を立てずにゆっくりと摺り足で歩いてくるようだったが、確実に自分に近づいてきていることだけは気配で判った。
 「ショーツを自分で脱ぐんだ。」
 耳元から囁くような声が聞こえた。京子は片足ずつゆっくりと持上げてショーツを抜き取る。
 「顔の前へ掲げて持つんだ。」
 男が目の前で見ているかと思うと、耳から火を吐くほどの恥ずかしさを感じる。
 「裏返すんだ。そのショーツを。目で見えなくても判るだろう。」
 一番やりたくないことを命じられてしまった。しかし言うことを聞かざるをえない。両手で広げているパンティを手探りでひっくり返す。裏側の股間に当たっていたクロッチ部分が自分側を向いているのか、男のほうに晒されているのかわからない。
 「匂いを嗅いでみろ。」
 「えっ、そんな・・・。」
 京子は心持ち手にしたショーツを顔に近づけてみる。
 「どうだ。匂うか?」
 「・・・・。わ、わかりません。」
 「じゃ、これならどうだ。」

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 男の手が京子が広げて掲げているショーツの中に差し入れられ、鼻元に押し付けられたらしかった。じとっとした湿った感触と、生理の時のような甘酸っぱい匂いを感じたような気がした。京子は咄嗟に顔を顰めて横を向く。その途端に両手からショーツがひったくられた。
 「あっ・・・。」
 一瞬どうしていいのかわからない。目隠しを取りたいが、取れば却って恥ずかしい物を見なければならず、このまま目隠しをしたままでいたい気もしていた。
 「このショーツの裏側、どんなになっているか知っているのか?」
 「わ、わかりません。見ていませんから。」
 「見ないで男に渡すのか。一週間も穿き続けたパンティを。」
 「み、見たくありません・・・。」
 「沁みがついていると思うか?」
 「わ、わかりません。」
 「わからない筈ないだろ。さっき鼻の下で触れてじとっとしただろう。」
 「・・・・。」
 「どんな色になっていると思う。」
 「・・・・。」
 「こんなに汚しているんだ。よく一週間も穿き続けられたものだな。匂いもぷんぷんさせてた筈だな。こんなに汚れていたんじゃ。」
 「ああ、もうやめてください。赦してください。」
 「よし。今度は両手を顔の前で組むんだ。そうだ。そのまま後頭部へ持上げてそのままで居るんだ。」
 捕えられた兵士がさせられる格好だった。
 「うっ。」
 突然、股間に指の先を埋められた。

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 「あっ、いやっ・・・。」
 しかし、その指先は更に押し込まれてくる。尻たぶに別の指が押し当てられているので、中指を後ろから突っ込まれているらしかった。その中指がくの字に曲げられて陰唇の肉襞をまさぐられる。ピチャっという卑猥な音がしたような気がした。
 「だいぶ感じているようだな。もうすっかりここは濡れているようだ。」
 「ああ、そんな・・・。」
 両手は縛られている訳でもないのに、魔法を掛けられたかのように自分から後頭部の手を外すことが出来なかった。股間を男に蹂躙されるまま、ただ足を開いて立っていることしか出来ないのだった。指が一本から二本に増やされる。それとともに、陰唇から分泌物が流れ出てくるのが自分でも判る。今度ははっきりとピチャ、ピチャ音がしているのが判った。
 「ああ、駄目です。イきそうです。あっ、駄目っ。いっちゃう、ああ、いっちゃうううう。」

 殆ど京子は失神しかかっていた。影野に指だけでイカサれて、立っていることも出来なくなってそのままふらふらと床に倒れ込んでしまったのだ。それを見た影野は何処からか毛布を持ってきて京子の身体に掛けると、京子から奪い取った汚れた下着を大事そうにビニル袋にしまうとその部屋の奥にある押入れを開け箪笥の奥にしまうのを確認するまでは気を喪った振りをし続けていた京子だった。
 その後、影野が部屋を出ていくとすぐさま京子は立上った。樫山から言われていた事を実行する為だ。応接室に置いてあった自分のバッグを取りに行くと樫山から預かってきたものを応接室の置時計の後ろと、京子が辱めを受けた部屋の隅に隠すのだった。

 あの日、京子がオナニーをさせられた後、全身をまさぐられたのは隠しマイクを探る為だったのだ。最後に樫山はポニイテイルにするのに髪を縛っていた輪ゴムの中にそれを見つけたのだった。しかし目隠しをされ、両手の自由を奪われていた京子はそこまでのことは知らなかった。それを探り当てると京子の手錠を外し、目隠しを取ってもいいと告げたのだ。
 京子が目隠しを取ると、男の手には陽子が取り付けた隠しマイクが握られていた。
 「こんな姑息な手はすぐにばれるんだ。これを付けていけと命じたのは陽子って女だな。」
 とうとう京子は陽子とビデオを取り返す為に仕組んで乗り込んで来たことを白状させられてしまった。しかし、自分が樫山に辱めを受けている間に陽子が家に忍び込んだ事はばれていないようだったので、黙っていたのだった。
 マイクのスイッチを切ると、樫山は陽子に話し始めた。
 「もう盗聴されている心配はなさそうだな。それじゃあ今度は私がお前に与える作戦を告げるからよく憶えておくんだ。勿論、陽子って奴に少しでも話してはならないからな。」
 ちゃんと釘を差すのを樫山は忘れていない。その上で、今度、影山の家へ行った際に、これを仕込んで来いと渡されたのが、別の盗聴マイク二つだったのだ。

 その二つのマイクを仕込むと、さっと元の場所に戻り毛布の下に潜りこんだ。
 その後、影野が戻ってきたので目を醒ました振りをする。
 「ああ、失神してしまいました。あまりに凄くて・・・。私、恥ずかしい・・・。」
 「ほら、また新しいのを持ってきてやったぞ。今度のは紐パンってやつだ。これからは鎖の褌は許してやる。一週間穿き続けるとどれだけ汚れるかが判ったからな。穿き替えたり股の下に何か挟んだりしたらすぐにばれるからな。ちゃんとまたこいつを穿き続けてたっぷり汚してくるんだ。」
 「ああ、またそれをしないとならないのですね。わかりました、ご主人さま。言いつけには決して背きません。」
 わざとしおらしくして、真新しい紐に股布が付いただけの下着を受け取った京子だった。



 「すると、まんまと汚れた下着を奪い取ったって訳ね。しかし、男って変ね。汚した下着が欲しかったり匂いを嗅いでみたかったりって。まさに変態だわ。そんなもの、どこがいいの。」
 「女のお前にはわからんかもしれないが、ああいう美人で気取った女を虐めて辱めるのがいいのさ。自分が汚した下着を見られていると思うだけで、恥ずかしさに身悶えしていたんだ。その姿は何度見てもいいもんだ。」
 「まさにエスとエムって訳ね。確かにあの娘、ちょっと若くて美人だからって生意気にしてるところがあるわよね。たっぷり虐めてやるといいわ。でも私のおかげで、そういう事が出来るんだってこと忘れないでね。そうだ。その京子が恥ずかしがって身悶えしてるビデオを私にもみせなさいよ。今度も私がビデオテープをDVDにダビングして返してあげるわ。貴方にはダビングの仕方みたいな事、判らないでしょ。」
 「ああ、そうしてくれ。DVDなら機械に差し込むだけだからな。じゃ、カメラごと返すから今度DVDで持ってきてくれ。」
 「あの娘には、もっともっと恥ずかしい事させるといいわ。殿方の悦ばせ方もまだまだなってないでしょ。今の所、短いスカートでパンツぎりぎり見せそうにするぐらいしか能がないのだから。ほんとはフェラチオとか調教するといいのだけどね。」
 「フェラチオはちょっと俺のほうがハードルが高いな。美人にフェラチオさせるのは得意じゃないんだ。何か罪悪感にかられちゃってね。」
 「あら、バイブで潮吹かせちゃうのは罪悪感は無いの?」
 「ありゃあ、向こうが勝手に感じていっちゃうんだからな。俺が悪い訳じゃない。ただ、私は男からいやらしいことをされて行っちゃうようなはしたない女じゃありませんて風の美人が、バイブに屈して男の前で粗相をするっていうのが堪らない魅力なんだ。」
 「ふうん。わからないもんね、男の心理って。でも、いいわ。徹底的に辱めてやって。わたしがそうならざるを得ないように仕込んであげるから。」
 そんな二人の会話は京子によって仕込まれた盗聴マイクによって、しっかりと樫山に聞かれていたのだった。

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