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妄想小説

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第三章 新たなる試練


 その後は、もうあらがう気力もなく、唯ただ、哲夫のされるがままになっていた京子だった。ビデオカメラと三脚もいつの間にか片づけられていた。お洩らしをした紙おむつも、京子が最初に穿いていたパンティもパンストも、長いフレアスカートさえもいつの間にか無くなっていた。
 新しい紙おむつが京子の股間に当てられ、しっかりと粘着テープで留められた。超ミニのテニスウェアの様な短いプリーツスカートを穿かされて、おむつは一応見えないようにはされた。
 アイマスクのようなもので目隠しをされた。あたりの様子が見えなくなったところで、京子の片手を縛っていた紐が解かれたようだった。しかしその時はもう京子には抵抗したりあらがう気力は全くなくなっていた。
 ソファの手摺にかまされていたほうの手錠が鍵で外され、それが新たにもう一方の手首に後ろ手で掛けられた。両手を手錠で繋がれたまま、京子は様子も分からずに立たされ、哲夫に引っ張られるようにして外に連れ出された。

 アイマスクの目隠しはされたまま車に乗せられたようだった。助手席に無理矢理連れ込まれて乗せられた。短いスカートはずり上がってしまっているようだったが、後ろ手に手錠を掛けられたままでは直すすべもなかった。パンティではない紙おむつを覗かせたまま車は走り出していった。

 京子が車で連れてこられたのは、小さな公園だった。夏の盛りで草が茂った原っぱがあるだけの公園だったが、人影はまばらながら何人かがたむろしていた。その公園の脇に哲夫は車を停めると、京子のアイマスクをまず外した。
 京子はスカートの裾の乱れがずっと気になっていたが、案の上、スカートはめくれ上がっていて、その下のおむつが丸出しにされていた。が、それを直すことも出来なかった。
 「さあ、これが手錠の鍵だよ。よく見ておくんだ。」
 哲夫はそう言って京子に鍵を見せると、ドアを開け、車から降りると、公園の真ん中に走っていって、その鍵を草むらのまんなかに放り投げた。
 「さあ、自分で鍵を捜して自由になっていいよ。じゃあ、また今度。」
 車に戻ってきた哲夫はそう言って、後ろ手錠の京子を車から降ろすと、公園のほうへ両手を縛られたままの京子を押しやった。手の自由が効かない京子はよろけながらも何とか転ばずに立ち上がった。哲夫は手錠を掛けられたままの京子を残して、車をスタートさせ走り去ってしまった。

 京子は超ミニのスカートで後ろ手錠の不自由な格好で草むらに落ちた手錠の鍵を、スカートの前を隠すことも出来ないまま、しゃがんで探すしか自由になる方法が残されて居ないのだった。そして鍵を捜す最中にも容赦なく新たな尿意が襲ってくるのを、ただ穿かされたおむつに垂れ流すことでしか逃れる術がないのだった。

 最初は呆然としていた京子だったが、また新たな尿意が来る前に、手錠の鍵を見つけ出さねばならなかった。後ろ手に括られていることを悟られないように、背中で手を組んだ格好の振りをしながら、哲夫が鍵を投げたあたりの草むらに向かった。
 草は思ったより深かった。上から見ただけでは、ちょっと見つかりそうもない。手で草をかき分けなければ見つかりそうもない。しかしそれを背中の手でかき分けながら振り向くようにして鍵を捜さなければならない。当然腰を屈める為、短いスカートの奥が覗けそうになる。それを手で隠すことも出来ないのである。
 あたりの目を気にして、なかなかしゃがむことが出来ない京子だったが、いつまでも立っているのは余計不自然だった。意を決して、スカートの中を覗かれないように脚を折り畳む様にして注意しながら、草むらにしゃがみこむ。少し離れた処で公園で休んでいた男たちもちらちら、京子の仕草を伺っている。
 仕方なく、男たちの視線を無視して、京子は鍵探しに専念した。しかしそれは容易なことでは無かった。ついつい夢中になって足元が乱れて、スカートからおむつが丸見えになっていた。しかし白い色のそれは遠くからはパンティが見えているようにしか見えない。どっちにしろ恥ずかしい格好には変わりはない。
 鍵はなかなか見つからなかった。ずっとしゃがんでいる為に脚も痺れてきていた。それにさっきから再び尿意が襲ってきている。公園の隅にちいさな公衆便所があるのには気づいていた。そこへ飛び込んで、楽になりたいと何度も思った。が、不自由な手でうまくおむつを外してする自信もなかったし、出来れば早く手錠を外して自由になってから用を済ませたかった。
 脚の格好もだんだん疲れてきて、股間を隠しながらしゃがんでいることが苦しくなり、もうスカートの中はすっかり丸見えにさせながら、京子は捜すほうに専念していた。
 その格好をさっきから遠くで見ていた3人の若い男が、あまりにあられもない京子の格好に興味をおぼえ、だんだん近くに寄ってきていた。
 (あっ・・・。)
 指先に金属片のようなものが当たった。背中越しに、キラッと光るものを認めたような気がした。募りくる尿意を我慢しながら、京子は必死で草をかき分ける。
 夢中になっていた為、男等が目の前に立っていて、スカートの奥の白いものを注視しているのには全く気づかなかった。
 男等はごくんと喉を鳴らせる。
 (あった。やっと見つけた。)
 不自由な京子の指先が、小さな金属片をつまみ上げたのと男等が声をかけたのは同時くらいだった。
 「何をさっきからしてるの。パンツが丸見えだよ。」
 京子はびっくりして、鍵を取り落としそうになった。見上げたところに男3人が自分の股間を覗きこんでいるのに気づいて、慌てて脚を閉じてその場に座り込んでしまった。
 「な、なんでもありません・・・。ごめんなさい、失礼します。」
 そう言って、京子はさっと立ち上がり、男等に背中の手錠を見られないように、後ろづたいに横歩きをして男等から離れようとした。走り出したかったが、男等に背中を向けたくなかったし、尿意もぎりぎり限界で、そっと歩かないと洩れ出しそうだった。
 ある程度、男等から離れると、小走りになって公衆便所へ向かった。

 女子用に飛び込む。幸い誰も入っていない。まず手錠の鍵を外したかったのだが、もう尿意は我慢の限界を越えている。後ろ手の不自由な手でスカートを捲り上げ、おむつを止めている左右の粘着テープを焦る手つきで何とか外そうとした。
 おむつを外しながら空いている個室を捜す。3つある個室のうち真ん中が扉が壊れていて開いたままになっていて、白い和式便器が覗いたままになっている。後ろ手の不自由な手で苦労して扉を開けるのがもどかしく、扉の壊れている個室に京子は急いだ。片方の粘着テープはすぐ外れたが、もう一方がなかなか取れない。
 我慢出来なくなって、片方の腿に紙おむつが引っかかったまま便器を跨いで、腰を屈めた。便器の上に来たという安心感から括約筋が緩んで、生温かいゆばりがほとばしり出てしまった。
 おむつが中途半端にぶら下がっていたままだったので、滴がそのおむつに引っかかり、京子の足元周辺に飛び散った。
 出し終わったときには、京子は太腿も、踝もスカートの一部も自分の小水で濡らしてしまっていた。

 京子は腿から滴を垂らしながら、苦労して手錠を外していた。後ろ手で自由が効かない為、なかなかうまく行かない。誰かが入ってこないかが心配で焦る気持ちがかえって手の動きを鈍らせた。
 やっと片側が外れた時に、外から誰かが入ってくる物音がした。扉を閉めようとしたが、壊れている個室に入っていた為、それも出来ない。さっと身を屈め、濡れた紙おむつをスカートの中に押し込めた。
 「いやね、汚い便所。ねえ、いまするからちょっと待っていて。」
 甲高い声とともに、いかにもヤンキー娘といった感じの茶髪の若い女が入ってきた。
 「あらっ、アンタ。扉、開けた儘でしてんの・・・?」

toilet sit

 京子は迂闊に立上ることも出来ない。ただ、蹲って下を向いているしかなかった。入ってきたヤンキー娘は興味津々といった風にどんどん近づいてきてしまう。
 「あれっ、アンタ。やだ、手錠してんの。もしかして・・・、逃走犯?」
 そう言われて慌ててまだ手錠が掛かったほうの手を背中に回して隠す。自由な方の手で紙おむつをスカートの中に隠したせいで、手錠の掛かったほうの手を無防備に晒してしまっていたのだ。京子は憐れみを請うような目をしてしゃがんだまま顔を上げ、静かに頭を横に振る。
 「ねえーっ。ヒロシーっ。ちょっと、来てっ。変態みたいなのが居るの・・・。」
 突然ヤンキー女は大声を挙げた。
 少し後ずさりしながら、女は外で待っているらしい連れを呼んだのだ。京子は血の気が引く思いがした。万事休すだった。
 「おい、朱美ぃ。どうしたってんだよぉ・・・。」
 茶髪のヤンキー娘にお似合いのヤンキー男が女子トイレの中に入ってきてしまった。
 「ヒロシぃ。こいつ、何か様子が変じゃね。」
 ドアの壊れた個室で便器の上にしゃがみこんでいる京子を指さして朱美と呼ばれた女が連れのヒロシに教えるのだ。
 「こいつ、片手に手錠してんだよ。犯罪者かも。」
 「ち、違います。」
 そう言ってみたものの、京子にはそれ以上説明しようがなかった。片手は半分降ろしたスカートの中に突っ込み、もう片方は背中に回して手首を隠している。どうみても普通には見えない。
 「おい、出て来な。」
 ヒロシは乱暴に京子の服を肩の所で掴むと上に引っ張り上げようとする。服が破けてしまいそうで立上らざるを得ない。股間が露わになるので慌ててスカートを持ちかえて引き揚げようとする。その瞬間にポトリと手にしていた紙おむつの包みを男の前に落してしまった。
 「何だ、こりゃあ。おい、そっちの手も見せてみろ。」
 男は京子が背中の後ろに回していた腕を強引に引っ張る。
 「や、やめて・・・。」
 京子は必死で抵抗しようとしたが、男の力に敵う筈もなかった。もがいているうちにスカートの裾と一緒に隠し持っていた手錠の鍵まで男の足元にチャリンという音と共に落としてしまう。
 「へえ、本当に手錠をしてんだ。すると、こいつがその鍵って訳か。」
 手錠が掛かったままの京子の左腕をしっかり掴んだまま、男が身を屈めて鍵を拾い上げてしまう。
 「か、返して。それっ・・・。」
 「おっと、そうはいくか。」
 ヒロシは鍵に手を伸ばしてくる京子の手首を逆に掴むと捩じりあげ、開いていた反対側の手錠を隣の個室のドアノブに掛けてしまう。
 「あ、そんな・・・。」
 片手がスカートを抑えている為に全く使えず、易々と京子は折角片方外した手錠でトイレの個室のドアノブに繋がれてしまう形になってしまったのだ。逃げられなくなった京子から手を離すと、先ほど京子が取り落とした白い塊を指で摘まんで持ち上げる。

tied to toilet knob

 「こりゃ、大人用の紙おむつだな。しかも、まだ濡れてやがる。きったねえねえなあ。」
 飛び散ったゆばりで外側が濡れている紙おむつを京子の顔の前に翳すのだが、片腕はトイレのドアノブに繋がれ、もう片方の手は今にもずり落ちそうなスカートを抑えているしかない京子には、それを奪い取ることさえ出来ない。
 「こいつ、こんなの嵌めてたみたいだぜ。ほれっ。」
 ヒロシはそう言うと、公衆便所の入口の方まで後ずさっていた朱美のほうに、拾った紙おむつを投げたのだ。
 「きゃっ、きたない。こっちまで汚れちゃうじゃないの。」
 「こいつ、本物の変態だな。自分で手錠を掛けて、紙おむつを嵌めてたんだな。変態プレイを楽しんでたって訳か。してみると、そのスカートの下はノーパンなんだな。」
 京子の腰元に視線を移したヒロシの眼がいやらしそうにキラリと光った。
 京子は、スカートのチャックを引き上げてホックを留めてしまいたいのだが、片手しか使えず、ずり落ちるのを臍の上で押さえておくことしか出来ない。ヒロシの手が京子のスカートの裾に伸びてきた。
 「いやっ・・・。」
 慌てて叫んだ京子だったが、為す術はなかった。ぱっと翻されたスカートの裾の奥に白い尻タブと黒い茂みが一瞬、露わになった。
 「やっぱりノーパンかあ。」
 京子は片手でスカートを抑えたまま、その場にしゃがみこむ。もう片方の手がドアノブに繋がれている為に、逃げ出すことも出来ない。
 「おい、朱美。お前、携帯持ってんだろ。写メにするからこいつを撮っちまえよ。」
 「な、何ですって。や、やめて・・・。」
 男の非情な言葉に京子は顔面蒼白になる。
 「そいつは、受けるっ。あいよ。」
 早速朱美はポシェットから携帯を出して、あられもない格好の京子にカメラを向ける。男は京子のスカートの端を掴んで、高く掲げて下半身を丸出しにさせてしまう。京子は片手を扉の取っ手に繋がれ、もう片方はスカートがずり落ちないように抑えているしかないので、捲られるのを防ぎようがない。恥毛まで剥き出しにされた股間を容赦なく朱美の携帯カメラが捉えていく。
 「ねえ、もういいでしょ。あたい、おしっこしたいんだから。」
 「おう、そうだったな。いいぜ。こいつを見張っててやるから、早く済ませてこいよ。」
 「ええ?嫌よ。あんたに音、聞かれたくないもん。出てってよ。あ、でも待って。こいつ。独りにしたら何か悪さしないかな・・・。」
 「そうだな。そいじゃ、こいつのもう片方の手も縛っちまおう。」
 ヒロシはそういうと、ポケットからハンカチを出してくるくると撒いて紐のようにしてから、京子が何とかスカートがずり落ちるのを抑えている手首にきっちり巻きつける。それから強引に手首をハンカチごと捩じりあげると、その端を手錠を掛けている取っ手に後ろ手にして括りつけてしまう。男の力には勝てず、とうとうスカートを抑えていた手を放してしまう京子だった。スカートがずり落ちるのを腰をくの字に曲げて、なんとか腰の廻りに留めておこうとしている京子だったが、何とも心許ない。
 「ひ、酷いわ・・・。」
 「そいじゃあ、外で待ってるから早くしちまいな。」
 ヒロシはそういうと、股間を抑えるようにして我慢している朱美と、両手とも括りつけられてしまった京子を残して公衆便所の外に出ていってしまう。
 「いいかい。変な真似したら、もっと恥ずかしい格好にしちゃうからね。おとなしく待っているのよ。」
 朱美という女はそういうと、扉が壊れていない、もう一方の個室に入ってしまう。ガチャリと内側から鍵を掛ける音がしたと思ったらすぐに、ジョロ、ジョロと放尿する音が中から聞こえてくる。京子は、何とかこの窮地を抜け出せないかと辺りを見回してみるが、両手を括りつけられてしまってどうすることも出来ない。そればかりか変に身体を動かせば、腰元からスカートがするりと落ちてしまうのだ。
 結局、何も身動き出来ないまま過ごさざるを得なかった京子の前に朱美が扉を開けて出てきた。
 「ああ、すっきりした。あんた、おとなしくしてたようね。」
 個室から出てきた朱美をみて、京子は顔を上げ睨みつける。
 「どうして、こんな事するの。私が何をしたっていうの。」
 「あら。何よ、あんた。あたいたちが何か悪い事、したみたいに言うわね。公共のトイレで変態プレイして私達を驚かせたのはあんたのほうでしょ。何かされると怖いから繋いどいただけじゃないの。そんな事言うのなら、もう解いてあげないわよ。」
 「そ、そんな・・・。お願いです。これ、外してください。」
 「何よ。都合が悪くなったら途端に下手に出て。ここ出て、大声を挙げて、公衆便所の中に変態女が居ますって叫んで皆を集めてもいいのよ。」
 「こ、困ります。どうか許してください。私の言い方が間違っていました。謝ります。お願いですから私を助けてください。」
 明らかに立場が悪くなった事を悟った京子は屈辱に耐えながらも頭を下げる。
 「どうせ、そんな格好。自分からして興奮してたんでしょ。アンタ、エスって感じじゃないからエムよね。恥ずかしい格好させられて辱められてる自分を想像して感じてたんでしょう。だったら、私がもっと虐めてあげるわ。もっと感じるようにね。」
 朱美はそういうと、京子の髪を掴んで上向かせると、京子の鼻を思い切りつねりあげる。
 「ううっ、むむむむっ・・・。」
 あまりの痛さに声も挙げられず、逃れようと立ち上がってしまう。その途端に腰に引っ掛かっていたスカートがはらりと足許まで擦り落ちてしまう。
 「あら、すっかりマゾっぽい格好になったわね。もっと虐めて欲しい?」
 鼻から手を離した朱美は下半身素っ裸になって蹲る京子を腕組みをしながら見下ろしている。
 「おーい。何時までトイレ入ってんだよ。」
 そう言って、再びヒロシが女性用トイレに入ってきてしまった。
 「おい、こんな所に何時までも居て何かに巻き込まれたりしたら面倒だぞ。朱美、いいからここは俺に任して先に車に行って待ってろ。俺が、これ以上俺たちに関わらないようにようく話を付けておくからさ。」
 「大丈夫?いいわ、アンタに任せる。先に車で待ってるっ。」
 そういうと、朱美はヒロシと京子を二人にして先に出て行ってしまうのだった。

 「信じてください。私は変態じゃないし、変態プレイをしていた訳でもないのです。騙されたのです。」
 「へえ、自分で鍵持って、自分の手で手錠掛けて、おまけにノーパンで紙おむつ着けて、公衆便所で用を足すって、変態じゃなけりゃどんな説明がつくってえんだよ。」
 「そ、それは・・・。」
 「ま、公共の場所で変な事をしてた罰として、少しそこで頭を冷やしておくんだな。少ししたら交番に電話してやるよ。やってきたお巡りがお前の格好みて、欲情しなけりゃ助けてくれるだろう。」
 「そ、そんな・・・。こ、困ります。お願いです。これを解いてください。」
 「変態を助けるなんて、俺の趣味じゃないんでね。さてと、俺もしたくなってきたんでね。」
 そう言うと、男は繋がれた京子の目の前でズボンのチャックを下し、ペニスを外に出した。
 「な、何するの。どうしようと言うの。」
 「別に。ここはトイレだろ。トイレでペニス出したらいけないのか。」
 「だ、だって。ここは女子トイレなのよ。」
 「さっき、男子トイレへ行ってみたら、全部壊れていたんでね。仕方ないからこっちでしようかと思ってね。」
 そう言いながら、一歩京子のほうに近づく。男のそれは明らかに鎌首をもたげようとしていた。
 「私をどうかするつもりなの。」
 「いや、どうするつもりもないさ。ただ、お前があまりに挑発的な格好を見せつけてるから、ちょっと勃起してしまっただけさ。こいつは男の生理現象なんでね。どうにもならないって訳さ。知ってるか?勃起すると、おしっこが出にくくなっちまうんだ。」
 「私をここで犯すつもり・・・?」
 「俺からお前を犯したりはしないさ。お前に何か命令することもない。ただし、お前に頼まれたんだったら、わからんけどな・・・。」
 男は意味深長な言い方をした。そして手を伸ばして持っていた手錠の鍵をトイレの窓枠のところへ置くのだった。そこまでは繋がれた京子にはどうやっても届く場所ではない。
 「私にお願いをしろってこと?何を・・・?そう・・・、そういう事ね。わかったわ。そしたらこのハンカチを解いて鍵を渡してくれるのね。・・・。わかったわ。あの・・・、お願いです。ハンカチを解いて、鍵を渡してくれる代りに、わたしにあなたのペニスを咥えさせてください。それならいいんでしょ。」
 京子は悔しさに目を伏せながらやっとそう言い切った。
 「お前がどうしても、そうして欲しいって言うんならな。」
 「うっ・・・、わかりました。どうしてもあなたのペニスを咥えたいんです。その代り約束は守ってください。」
 涙目になりながら京子はその言葉を口にした。男が更に一歩、京子に近づく。両手をドアの取っ手に繋がれているのでお辞儀をするように頭を下げるしか、ペニスに顔が届かない。
 「ううむ、これじゃ届かないわ。」
 京子は顔を上げて、男に請うように上目使いを向ける。
 「じゃあ、ハンカチだけまず解いてやろう。」
 そう言うと男は更に近づいてきて京子に身体をくっつけるようにして背中の片手を縛っているハンカチを解こうとする。男の屹立したペニスが剥き出しの京子の下腹に当たる。それは既に十分な硬さを持っているのが分かる。
 「そらっ、これでいいだろう。」
 片手が外されると、京子は手錠で繋がれたほうの片手を上げたまま、その場にしゃがみ込む。男の屹立したペニスは京子の顔面のすぐ前にあった。おそるおそる自由になったほうの手をそのペニスに伸ばす。一度、手のひらの中にペニスを包み込む。するとそれは硬さを増して大きく上に反り上がってきた。顔を近づけようとして巨大な男根を目にしてしまうと思わず目を逸らし顔をそむけてしまう。
 「ううっ。」
 吐きそうな気持ちをぐっと堪える。
 「約束は守ってください・・・。」
 そう言うと京子は覚悟を決めた。ペニスを持った手の親指と人差し指で輪っかを作るとペニスの根元をしっかり押さえ、目を瞑って唇を当てる。噎せるような臭いが京子の鼻を吐く。京子はゆっくり唇を開くと、吸い込まれるようにペニスが口の中に押し入ってきた。

 男はなかなか果てなかった。最初は喉を突き破られるのではと思ったが、しゃぶり続けているうちに唇を強くすぼめることで、ペニスを奥まで突き立てられるのを防げるようになってきた。男も唇を強く締められるのに快感を憶えている風だった。しかし、それぐらいでは絶頂までいってはくれそうもなかった。
 フェラチオという言葉は京子も知ってはいたが、まさか自分がそれをすることになるとは、しかも強制されてやることになるなどとは思ってもみなかった。最初のうちは唾液が溜まってきて吐きだしたくてならなかったが、男が頭をしっかり抑えていてペニスを口から出すのを許してはくれなかった。唇の端からよだれが流れ出て泣きそうになった。しかし、一旦よだれを垂らしてしまうと、却って口の中は楽になることがわかり、顔のまわりが汚れるのも構わず、よだれを垂れ流しながら必死でペニスをしゃぶった。
 どうすれば男が感じて果ててくれるのか、京子には判らなかった。しかし、男が果てなければこの奉仕は永遠に続きそうだった。何とか工夫するしかなかった。そして舌を使うことを思いついた。鰓のようになったペニスの先端の裏側を舌で擦りあげると感じるようでペニスがその度にピクピク動いた。更には自由なほうの左手も使うことにしてペニスの根元を抑えているだけではなく、指で探って睾丸を下から優しく揉み上げると、またペニスがぴくついた。
 最後に睾丸の裏側の奥、尻の穴の手前を突くとペニスが激しく動いた。それでそこを責めるのと唇を急に絞って強く吸い上げるのを同時に行うと、男からやっと呻き声が洩れはじめた。

 突然それはやってきた。口の中に生温かいものが溢れた。すぐに吐きだそうとしたが、男の手ががっしりと京子の頭をつかまえていて、それを許さなかった。(う~っ)という呻き声と共に更に生温かいものが口の中いっぱいに広がって、ようやく男は手を離した。京子が吐きだすまでもなく、唇の端からその白く濁ったねばねばしたものが流れ落ちた。
 男が荒い息をしているので、果てたことを悟った。口から精液を絞り出すように床に垂らし続けたが、いくらやっても口の中のねばねば感はなくならなかった。京子のほうも息たえだえだった。やっとの事で、上を見上げると男が京子が穿いていたスカートでペニスを拭っていた。しかし今の京子にとって、最早そんな事はどうでもいい些細なことだった。早くこの場を逃れ去ることだけしか考えていなかった。
 「ああ、気持ちよく抜かせて貰ったぜ。これでやっとションベンも出来るってもんだ。」
 そう言うと、拭ったばかりの陰茎をぶら下げたまま、先ほど京子が跨っていた壊れた扉の個室の便器を跨いだのだ。萎え始めた男の陰茎からすぐに、ちょろちょとと小水が流れ落ち始めた。京子は見ていられずに目を逸らす。男の小水が便器を叩く音が途切れたのに気づいておそるおそるそちらの方を向く京子の目に男の非情な仕業が目に入る。男が放出したばかりの和式便器の中に、こともあろうか京子の手首を繋いでいる手錠の鍵が投げ入れられたのだった。
 「さ、拾えよ。この鍵が欲しかったんだろ。」
 「そ、そんな・・・。」
 あまりの仕打ちだった。さすがに京子は躊躇った。
 「そんなら、流しちゃおうかな。」
 そう言って男が水洗のコックに手を伸ばす。京子は慌てて我を忘れて便器の中に手を突っ込んだのだった。片手が壊れた個室の扉に繋がれているので、便器の中に手を伸ばすのはやっとだった。しかし、京子は必死だった。
 ジュバーッと音を立てて勢いよく水洗の水が流れたのは、なんとか京子が鍵を拾い上げた一瞬後だった。悠然と出ていくヒロシと呼ばれた男を見送る気力も無く、小水まみれの手錠の鍵をただ、茫然と見つめるだけの京子だった。

 ふと我に返った田嶋陽子は、何となく嫌な気持ちにさいなまれながらも自分がどういう状態に居るのか全く理解出来ないでいた。目の前の景色は見慣れぬものだった。どうも何処かの小さな公園のベンチに今まで自分が寝そべっていたらしいことは判った。しかし、何故自分がそこに居るのかが判らなかった。
 そして、下半身に手を伸ばしてみて唖然とした。失禁していたのだ。スカートに沁みはなかったものの、その下の下着は明らかにじめっと濡れているのが判った。そして何故だか判らないのだが、頭が割れるようにガンガンと鳴り響いているように痛いのだった。
 (私、どうしてこんな所に居るのだろう。今まで、何をしていたのだったっけ・・・)
 しかし、すぐには今までの記憶は取り戻せないでいたのだった。

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