ノーパン確認

凋落美人ゴルファーへの落とし穴



 第三部



 五十二

 両手をしっかり背中で固定されてしまっているヨンは運転手が自由な方のもう片方の手をスカートの中に差し込んでくるのを止めることも出来ない。
 「おや、ほんとうだ。本当にノーパンだったんですね。ほう。ブラジャーもしてないんですか。させ子だっていうのは本当なんですね。したくてしょうがなくてノーパン、ノーブラになって男を誘ってるんですか。いいですよ。僕がたっぷりと愉しませてあげましょう。」
 「ち、違うんです。これには訳があるんです。させ子だなんて嘘です。」
 「本当にさせ子かどうかなんて、俺にはもうどうでもいいんだ。こうなったら力づくでさせて貰うぜ。」
 運転手はヨンのスカートから一旦手を抜き取ると、自分のズボンのチャックを下ろしてペニスを引き出す。それはまだ怒張にまでは至っていないが頭を擡げ始めていた。
 「い、いやっ・・・。」
 「まずはしゃぶってここを大きくして貰おうか。」
 運転手はそう言うとヨンの髪の毛を掴んで顔を自分の股間に引き寄せる。ヨンは頬に勃起しつつあるペニスを押し付けられてしまうが両手の自由を奪われているので何も抵抗出来ない。
 「ま、待って。わ、わかったわ。でもここじゃ幾らなんでも狭すぎるわ。外でさせてっ。外で四つん這いになるから、後ろからしてっ。」
 「へえ。そうかい。随分聞き分けがいいんだな。俺もどうせやるなら広いところがいいな。今ドアを開けてやるから、先に外に出るんだ。」
 男は自由な方の手でドアノブを引くとヨンの居る側のドアを開き、ヨンの両親指はしっかり握ったままでヨンを押し出すように車の外に出すと自分も後から車の外に出る。

車外フェラ強要

 「さ、そこで四つん這いになってケツをだしな。」
 「ま、待ってっ。そんな中途半端な勃起じゃ挿入出来ないわ。もっと硬くしてあげるから、私に咥えさせてっ。」
 ヨンは運転手の股間が勃起しきってないのをすかさず指摘する。
 「ほう。フェラチオで立たせてくれるってのかい? そいつぁいいや。今、ズボンを下ろすからな。」
 運転手がベルトに手を掛け、バックルを外してズボンのチャックを下ろした瞬間が一番の狙いどころだった。ヨンは地面に尻餅を撞くと運転手の股間目掛けて思いっきり蹴り上げる。ヨンの踵が運転手の無防備に露出されたペニスを睾丸をまともに襲った。
 「うぎゃあああ。」
 運転手は堪らずに股間を抑えて転げまわる。その隙にヨンはさっと立ち上がるとタクシーの運転席に走り込む。運転手が股間を抑えながら運転席のドアに手を掛けた時には既にヨンが内部からドアを全てロックさせていた。
 「て、てめえ。何しやがる。早くここを開けろっ。さもないと容赦しねえぞっ。」
 しかし時既に遅しで、運転手にはヨンがエンジンを掛け車をスタートさせるのをどうすることも出来ないでいたのだった。

 運転手を山の上に置き去りにして坂道をひたすら走り降りたヨンはその後迅速に行動した。道に土地勘は全くなかったが登ってきたらしい道をひたすら降りて人家のある開けた地域に出るともう充分徒歩で追っては来れないという辺りまで来たところでコンビニを捜す。駐車場に乗り入れるとタクシーのグローブボックスの中から運転手の免許証と社員証を探し当てる。更に売上金らしい現金から数千円を取り敢えず失敬することにする。
 (私の弱みにつけこんで狼藉を働いた代償としてこの位は貰っておいても差し支えはないわよね。)
 そう自分に言い聞かせると免許証と社員証を持ってコンビニに入り、少し考えて2部コピーを取っておく。コンビニを出たところで横に作業服などの安売り店を見つけたので身体をすっぽり蔽える雨合羽をコート替わりに買い入れて半分裸のような下半身とブランド名の入ったウェアを隠す。コンビニから車を出すと今度は最寄りの電車駅を捜し、その場所をしっかり頭に入れてから少し行きすぎて大き目の屋敷を捜しその家のガレージと思われる場所の真ん前に車を停める。キーを引き抜いて床の絨毯の下に隠すと、ロックは掛けないまま車を出て歩いて駅に向かう。
 (あそこなら家の主がきっとすぐに通報してレッカー移動される筈だわ。)
 車を離れる際に、車内にコピーしてきた免許証と社員証を一部だけ残しておくのも忘れなかった。それは運転手に(お前の正体はばれているぞ)という警告なのだった。



yon

  次へ   先頭へ



ページのトップへ戻る