妄想小説
同窓会
五
（私は縛られている・・・。ああ、だから身を任せてしまうしかないのだわ。）
唇に当てられていた琢也の唇がそれを塞ぐのを止めて顎を擦り抜け首筋を這うように降りてくる。喉元から胸元へ移ってその部分を強く吸われると、口を塞がれていないせいで思わず声を挙げてしまいそうになる。それがはしたないことに思われて玲子は必死で堪えていた。唇で胸元を強く吸われるだけなら堪えきれていたものが、琢也の指が自分の腰に触れてきたのを感じると最早玲子は自分のコントロールを失ってしまう。
「あっ、ああっ・・・。」
思わず洩れた声は切ない喘ぎ声にしか聞こえなかった。琢也の指が腰の辺りで自分の肌と琢也の指とを隔てているたった一枚の薄い布でしかないワンピースの裾をたくし上げようとしていた。
（あと少しで・・・。）
玲子には自分でそれを懼れているのか待ち焦がれているのかもう判らなくなっていた。その時もうひとつの別の感触が身体の中心付近を襲う。
（あっ、勃起している・・・。）
玲子の身体に覆い被さっている琢也の身体の中心に硬いものを感じたのだ。それは玲子の一番敏感である筈の部分のすぐ上辺りに押し当てられていた。
（ああ、駄目っ・・・。欲しいなんて思っちゃ・・・。）
自制しようとする気持ちと淫らな欲望が玲子の心の中でせめぎ合っていた。玲子の腰では琢也の指が遂にワンピースの裾を探り当てていた。指がその下の玲子の肌に直接触れる。そしてその指は玲子の大事な部分を蔽う最後の一枚を探り当てようとしていた。
「ああ、お願い。もう一度キスしてっ。」
琢也の唇で口を塞がれていないと、どんな淫らな言葉を発してしまうかそればかりが気掛かりだった。玲子の求めに応じて再び琢也の唇が押し当てられる。玲子は唇を薄く開いて応じる。その行為が求めているものが何かを琢也はすぐに感じ取ったようだった。口の中に琢也の舌が忍び込んでくる。それを玲子の舌が絡めるようにして受け入れる。舌と舌がもつれあうようになると一瞬腰のほうの感触を忘れる。しかし琢也の指は最後の一枚を求めて確実にワンピースの裾の下を這い上ってくる。琢也の指がその最後の一枚に掛かった時、玲子は思わず腰を浮かしてしまっていた。
（ああ、早くぅっ・・・。）
舌が絡んでいなかったら口に出してしまったかもしれない言葉だった。思わず自分に覆い被さるようにのしかかっている琢也の身体にしがみつきたくなる。しかし背中の下の戒めが玲子にそれを許さないのだった。玲子に出来るのは激しく舌を絡ませることで次の動きを促すことしかなかった。
自分の身体の内側に熱い肉の塊の侵入を感じて、何時の間にか琢也が挿入する準備を整えていたことを知る。自分の両脚が自分の意志とは関係なく開いていく。そして自分のものである筈のあの部分の肉襞が勝手に忍び込んで来た肉棒に吸い付いていくように動くのを他人の身体の一部のように感じていた。しかしその硬い肉棒が突然自分の身体の奥深くに向かって突入を始めると、もう頭の中が真っ白になって何も考えられなくなっていった。
（ああ、いいっ。もっと・・・。）
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