妄想小説
牝豚狩り
第一章 女捜査官の危機
その4
道は緩やかな上りになったり、下りになったりしていた。冴子の足が少しのろくなると、小男の鞭が尻に当てられた。
「ま、待って。・・・ ちょっとだけ・・・。」
冴子は哀れみを乞うように自分より背の低い男のほうを見つめる。が、言葉はどうしても途絶えてしまいそうになる。
「あ、あの・・・。さ、さっきから、ずっと・・・。」
冴子は顔を俯かせてやっと言った。
「おトイレを、・・・我慢しているの。」
男達が顔を見合わせている。小男の目がニヤリとして鈍く光った。
「そりゃ、いいや。いいもんを拝ませてもらえるって訳だ。ありがたいねえ。」
こんな山中で、トイレがある筈もない。冴子もそんなことを許してもらえるとも思っていなかった。しかし、せめて、男達の目から離れて道の隅で用を足すぐらいにはさせて貰いたかった。
「おっと何処行くんだよ。俺達の目の前でしてみせなきゃ駄目じゃないか。それにまずパンティを脱がしてもらわなけりゃ、パンツも濡らしちまうぜ。ほれ。」
小男は冴子の前にしゃがみこんで冴子に膝に引っ掛かっていたパンティを足首まで下ろす。しかし足首に鎖の足枷があるので、パンティを抜き取ることは出来ない。
「そうだ、いいやり方がある。おい手拭いを貸せよ。」
小男が中背の男に声を掛けると、中背の男は背負っていたリュックを探って一本の日本手拭いを取り出して小男に渡す。小男はそれを冴子の股間に通すと前と後ろを冴子のミニスカートの腰のベルトのところに差し込んだ。その手拭いはあたかも簡易的な褌のようになった。
「おしめの代わりだよ。そのまましな。そうすりゃ、あちこちに垂らさずに済むだろ。」
冴子は足枷の鎖がピンと張るまで脚を開いてそのまましゃがみこんだ。惨めな格好だった。すぐに我慢の限界がやってきた。生温かいものが冴子の股間を包んだ。手拭い一本が冴子の小水を吸い取りきれる筈もなかった。一旦滲みこんだ小水がすぐにぽたぽた滴り落ち始めた。しかし、男が言うようにあちこちに飛び散ることはなく、足元に引っ掛かっているパンティも膝上まである長いブーツも濡らさずに済んだ。
男達は、冴子を取り囲むようにして、股間から滴りおちる雫が止まるのをずっと眺めて待っていた。中腰になって立ち上がろうとする冴子からしたたかに濡れそぼっている手拭いを小男が器用に抜き取った。
「お股は拭かなくてもすぐに乾くだろ。どうせノーパンで居るんだからな。それに少しは小便臭いほうが、牝豚らしいってもんだ。」
何度も使われる(牝豚)という言葉を、冴子は訝しく思った。何かを意味しているらしいことは想像されるがそれ以上は判らない。
小男はたっぷり小水を吸い込んだ手拭いの臭いをちょっと嗅いでから、器用にそれを真ん中のところで一回縛って瘤を作りながら、小水を絞り落とした。
「おう、ちょうどいい猿轡が出来たぞ。さあ、これを当ててやるから口を開きな。」
瘤を作った手拭いを真一文字に両手で広げると、小男は冴子に寄ってくる。手拭いが顔に近づくと、ツンとしたアンモニア臭が鼻を突く。
「い、嫌です。」
冴子はかぶりを振った。この小男が一番、嗜虐癖が強そうだった。中背の男は、何でも宥める役回りの気の弱そうな男だ。さっきから一言も発しない一番大柄で太った男は、体力、腕力だけの頭の鈍重な男のようだった。
「おい、それは不味いぞ。まだお客が楽しむ前だ。そこまで汚しちまっちゃ、お客をそそらせるのを削ぐことになっちまって、リーダーにこっぴどく怒られるよ。折角綺麗に化粧もしてきてるんだし。」
気弱そうな中背が小男をたしなめる。
「ちぇっ、仕方ねえな。じゃあ、後の楽しみに取っておこう。おい、ビニル袋を呉れ。こいつを仕舞っておくから。おい、牝豚。今は許してやる。お務めが終ったら、俺がたっぷり可愛がってやるから。その時までこの美味しい猿轡はお預けだ。」
冴子は小男の脂ぎった嫌らしい目つきにぞっとしながらも、ほっとしていた。堪えていた尿意から解放された安堵もあった。
小男は再び冴子のパンティを膝までは上げたが、ちゃんと穿かせはしなかった。そしてノーパンのままの行進が再開された。
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