090冴子ビザール

妄想小説

牝豚狩り



第一章 女捜査官の危機

  その3


 再び目覚めた時には車の中に居ることは気配で判った。何処かへ向っているのだが、外の物音などからは見当もつかなかった。
 身体の感触から裸ではないことは感じられたが、奇妙な感触で、普通の衣服ではなさそうだった。が、どんな格好をしているのかは視界を奪われているので見て取ることは出来ない。
 車が漸く停まったのは、冴子が意識を回復してから一時間は経っていたように思われた。ワゴンのドアが開く音がして、誰かが外へ出た様子だった。下ろされるのかと思ったところで、再びドアが開閉される音がして車は再び走り出した。少し前から車はしょっちゅうカーブを曲がっているようで、その度に冴子は身体を大きく揺られた。目が見えないので、急に車が曲がるとそれに身構えることが出来ないのだ。一旦停まったところから暫く車に揺られたところで、漸く車が停止し、ドアが開けられる音がした。冴子は乱暴に肩を掴まれて外に引き出された。車外の空気がひんやりと感じられる。


 目隠しを外されたのは、車が走り去る音が聞こえてからだった。冴子は見覚えのない奥深い山中の林道らしきところに立たされていた。男は三人居た。冴子を拉致したサングラスの男の姿はない。居たのは、いずれも厳つい体つきをした強面の男たちだった。
 冴子は自分の格好を初めてみて、唖然とした。何とも奇妙な格好だった。黒い革製のぴっちりしたジャンプスーツのような上着なのだが、乳房の部分が抉られていて、ブラジャーを着けてない乳房が孔から丸出しになっている。下半身は膝より少し上まであるこれもぴっちりした黒の革製のブーツを穿かされている。下半身を蔽っているのは、前開きのチャックが付いたこれもレザーのミニスカートだけだ。丈は股下ぎりぎりまでしかない。その下に下着をつけさせてもらっているのかは分らない。精悍な戦闘服のようでもあるが、SMプレイなどに使われるビザールという類の衣服らしかった。黒い革以外は冴子の白い肌の露出部分だけという格好だ。嗜虐的な志向のある男をそそらせそうな格好だった。
 その冴子の姿を観ている三人のうちで、一番背の低い小太りの男が思わず舌舐めずりをしていた。その嫌らしそうな目つきに冴子はぞくっと背筋に寒気を感じる。冴子の嫌そうな視線を敏感に感じ取ったようだった。その小男が冴子に近づいてきた。冴子は不自由な身体ながら身構える。
 男は冴子のレザーミニに包まれた尻に手を回してきた。尻タブを下から掬い上げるように撫であげてきた。冴子は男を睨んだが、身体で逃げることはしなかった。所詮、この自由を奪われた手足では抵抗のしようもない。両足首を50cmほどしかない鎖で繋がれていては、走って逃げることすら叶わないのだ。
 「いい身体つきをしてるじゃないか。お客だけに楽しませるのは勿体無いな。」
 小男は長身の冴子の肩より少し高い程度の背しかない。冴子の眼下に男の少し薄くなった頭頂部が見える。しかし冴子はその頭より(お客)と男が口走った言葉に引っ掛かっていた。
 (どういう意味だろうか・・・。)
 冴子が意味を取りかねて思案しているうちにも、男の指が冴子の短い革製のスカートの中に忍び込んできた。感触からスカートの下には一応下着らしいものは着けていることが分る。男は指先をその下着の中にこじ入れようとしていた。
 「い、嫌っ。」
 冴子は無駄な抵抗と知りながら、つい身体を捩じらせて逃れようとする。
 「おい、リーダーから狩りの前に女の身体をいじるのは厳禁だと言われているだろう。」
 中ぐらいの背の痩せぎすな男が小男に注意した。
 「少しぐらい楽しませて貰ってもいいだろ。な、リーダーが来るまでのちょっとだけさ。」
 男の言葉の端々に、冴子の頭の中が鋭く回転する。
 (リーダー?そうすると、ここには居ない自分を拉致した男のことだろうか。さっき車を運転して遠ざかっていったのが、そのリーダーなのだろうか。)
 「じゃあ、せめて眺めだけでも楽しませてもらおうか。」
 小男はそういうと、スカートの中に両手を滑り込ませて、腰骨のところから下穿きの両側を掴むと、一気に膝の上まで引き下げてしまった。白いパンティが膝小僧の部分に引っ掛かっている。それが却ってノーパンにさせられていることを強調してしまう卑猥な姿だった。
 男はそれだけでは済まさなかった。それでなくても短い冴子が穿いているミニスカートを後ろ側からつるりと捲り上げてしまったのだ。
 「嫌っ・・・。」
 思わず叫んだがどうにもならない。タイトなスカートなので、一度ずり上げられてしまうと簡単には元に戻らない。剥き出しにされた股間を隠して思わず背を向けたが、つるりとした尻が男達には丸見えだ。小男は堪らず、自分の腰から、分厚い革ベルトを引き抜いた。鋲の打ってある革ジャンとセットになった飾りベルトだ。それを二つ折りにして右手に掴むと、冴子の白い尻たぶに打ち下ろした。
 パシーンという小気味よい音が、山肌に木霊するように響き渡った。
 「牝豚の調教には、ちょうどいいや。これで引き立てていこう。」
「おいおい、大事な商品だ。狩りの前に傷つけると、リーダーにどんなにこっぴどく叱られるか分らないぞ。」
 中背の男が心配そうに小男を諌める。
 (商品・・・、狩り・・・。どういう意味だろうか。)冴子は尻の痛みに顔を顰めながらも頭では男達の言葉の意味を探って脳細胞をフル回転させる。
 「大丈夫さ。一晩経てば、多少の腫れなら引いちまうよ。多少の赤いミミズ腫れがあったほうが、余計そそるかもしれないさ。ほれ、あっちへ向って歩け。」
 またまた小男は、さっきの言葉どおり、牝豚を鞭で追いやるかのように冴子の尻を輪になった革のベルトで左右から打ち据えいく。それを逃れるように、冴子は前へ進まざるを得ない。足枷と鎖の為にそれでなくても歩きにくいのに、膝までおろされたパンティが邪魔をしてへたをすると足を取られて転びそうになる。それでも革ベルトで追い立てられて、歩かない訳にはいかない。冴子は下半身を剥き出しのまま行進させられていった。それはあたかも処刑場へ追いやられる奴隷か家畜のようだった。

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