屋上スカート奪われ

騙された新人女優とマネージャー



 第一部



 二十

 「スカートさえ穿いてりゃ、誰もノーパンだなんて気づきはしないさ。さ、どうする? 俺は気が短いんでな。迷っているんなら俺はこれで失礼させて貰うぜ。」
 「待ってっ。うっ・・・。わ、わかったわ。」
 由里は口惜しさに唇を噛みしめながらショーツとストッキングを抜き取ると男に手渡す。交換に受け取ろうとしたスカートは男が遠くの方へ投げつけあわやのところで屋上の手摺を超えて下に落ちてしまいそうなところで何とか屋上の床にはらりと落ちたのだった。
 「な、何するのよっ。」
 由里が慌てて走り寄って投げられたスカートを拾い上げた時には既に男の姿は消えてしまっていたのだった。

 ノーパンにさせられて屋上に残された由里は暫くスカートを手にして茫然としていたが、ふと我に返って腕時計で時間を確かめる。思っていたより時間が経っていて、その日の収録であるバラエティ番組のカメリハの開始時間が近づいていたのだ。
 「いけない。もうこんな時間なんだわ。」
 由里は手にしていたスカートをノーパンのままの下半身に通すと屋上の出入り口に向かって小走りで急ぐのだった。

 控室に入った由里は、スタイリストの虻川が既に待ち構えているのに気づく。
 「あら、由里ちゃん。遅かったわね。さっきマネージャーの新垣さんが来て、もうスタジオには来てる筈だからって言って、探しに行ったのよ。」
 「あ、そうだったんですね。マネージャーにはメールは入れておいたんですけど。あ、これ。今日の衣装ですね。すぐ着替えます。あの、虻川さん。下着とかは持ってきてないですよね?」
 「え? ええ。さすがに下着まではね・・・。」
 「ですよね。ああ・・・。アンスコとかは?」
 「アンスコも持ってきてないんですよ。プロデューサが女性タレントに安易にアンスコとか使わせちゃうと気を緩ませて脚開いちゃう子が居るんで、アンスコはNGなんですって。あ。でも、どうしてもって言うんなら地下の衣装室から取ってきますけど。」
 由里は時計を確認して、今から地下の衣装室まで取りに行ったのでは間に合いそうもないと咄嗟に判断する。
 「あ、いいわ。もう時間がないから。じゃ、カーテンの向こうで着替えてくるっ。うっ、今日のスカート、結構短いわね。」
 「女子高生風のイメージの演出なんですって。」

女子高生風衣装

 カーテンの向こう側で女子高生の制服風の衣装に着替えると出て来た由里を探しに出ていたマネージャーの新垣が戻ってきていた。
 「あ、居た。よかったわ。間に合って。由里ちゃん、何処行っていたの?」
 「ごめんなさい、新垣さん。ちょっと喉が渇いて水分補給に行っていたものだから。」
 「呑み物だったら私がいつも携帯してたのに。あらっ、今日は生脚なのね。」
 「あ、ええ。女子高生のイメージの演出だっていうんで、この方が合っているかと思って。」
 屋上で男にショーツと一緒にストッキングまで奪われて、そのせいでミニスカートの下はノーパンの生脚なのだとはマネージャーにも明かせない由里なのだった。
 「女子高生の制服はとっても可愛いわ。似合っているからいいけど、そのスカートかなり短いからパンチラしてしまわないように気をつけてね。」
 「あ、はいっ。油断しないようにします。」
 そう答えながら由里はそれでなくても油断する訳にはいかないのだと自分にも言い聞かせるのだった。

  第一部 完

yuri

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