騙された新人女優とマネージャー
第一部
十
目を瞑ってあの時のことを思い出しながら、自然と指は股間に添えられていた。スカートをたくし上げてその奥に指を這わせる。
(違う・・・。こんなんじゃなかった。もっと・・・、なんだろう? あの甘美な感覚は。)
自分の指で股間を擦るだけではあの時の感覚は蘇ってはこない。
思い切って下着の中まで指を入れてみる。
(ああ、もどかしい。何が違うのかしら・・・。ああ、もう一度したいっ。)
由里は自慰は未経験という訳ではなかったが、その日初めて味わった本物の男性の肉体の一部を挿入されることの愉悦が、自分の指の動きなどでは到底達しえないものであることを初めて知ったのだった。それでもその愉悦を思い出すべく、悶々としながら虚しく自慰行為を続けるのだった。
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