若妻のたしなみ
八
暫くはあまりの出来事に茫然としてベッドの上から動けない理恵だった。しかし漸く我に返ると膝にパンティをぶら下げたまま、ベッドを降りたつ。
「ひ、酷いわ。こんな事・・・。」
目の前にはまだ小水を湛えた金魚鉢の下に小水まみれになった自分のワンピースが広げられ、そこから下の夫のベッドにも随分の量の小水がぶち撒かれてしまっていた。
「あ~あ。せっかく敷物を敷いておいてやったのに。随分お洩らししちまったもんだな。こいつは俺が干しておいてやろう。」
男はそう言うと金魚鉢の下からシルクのワンピースを引き抜くとクローゼットから空のハンガーを取出しそれに濡れたワンピースを掛ける。
「こいつは俺が外に干しておいてやろう。」
「や、やめて。駄目よ。そのまま干したら沁みが取れなくなっちゃう。」
男は悲鳴のような理恵の声が聞こえなかったかのようにワンピースを持って理恵の寝室へ向かう。ベランダへ出る掃出し窓が開けられた音がして、自分の小水にまみれたワンピースがベランダの物干しに掛けられたのを知る。
あまりの仕打ちに理恵は夫のベッドの横に打ちひしがれて立上る気力も失くしていた。
「いつまでそんな所でぼおっとしてるんだ。夫のベッドにおしっこをお洩らししたんだからな。そんな悪いやつにはお仕置きをしてやらないとな。」
「お仕置き? どういう意味?」
「罰を受けるのさ。いけない事をしてしまった場所にね。さ、こっちへ来い。」
男は理恵の後ろ手の手錠と首輪を繋いでいる鎖を乱暴に掴むと、引き寄せながら理恵を立たせ、再び理恵の部屋へ無理やり連れ込むのだった。男が乱暴に理恵を押し倒してダブルベッドに仰向けに寝かせる。そして膝に残っていたショーツを引き剥がすようにして脱がせると何時の間にか用意していた縄で理恵の足首を括り上げる。
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