若妻のたしなみ
十一
男が身支度を整えている間、理恵は無毛の股間を晒したまま放置されていた。漸く男が足首の縄を解いて自由にしてくれた後もすぐには立ち上がれなかった。首輪と背中の手錠を繋ぐ鎖は外しては貰えなかった。理恵は力を振り絞ってベッドから起き上がる。
「ねえ、もう満足したでしょ。これを外して下さらない。」
理恵は男に背中の手錠と鎖を見せながら懇願する。
「まだもう暫くはそのままで居て貰おうかな。そうだ。ちょっと外を散歩してこよう。」
「え、何ですって。私をこんな格好のまま外に出そうというの。」
「そういうことだ。そのミニスカートから剥き出しの脚は俺だけが愉しむんじゃ申し訳ないからな。世間の男どもにも見させてやろうじゃないか。」
「い、いやよ。」
「ふん。嫌と言える立場かな。嫌なら俺一人で手錠の鍵を持ったままお前を置いて出ていっちまっても構わないんだぜ。」
「え、困るわ。鍵を返して。」
「素直に言うことを聞いたらな。さ、外へ出る準備をして貰おうか。」
「外へ出る準備って・・・。」
「そうだな。首輪に手錠じゃあ、世間の人達に刺激が強すぎるからな。そうだ。このカーディガンを上から羽織らせてやろう。これなら手錠と鎖は見えなくなるからな。」
男は勝手に理恵のクローゼットを開けると中から薄手のニットのカーディガンを取り出す。
「そうだな。首にはこのスカーフでも巻いておいてやろう。これなら首輪も見えなくなるからな。」
理恵は仕方なく男にされるがままに背中の手錠と鎖の上からカーデガンを羽織らされる。胸元でボタン一つだけが掛けられる。更には男に首輪の上にクローゼットに掛かっていたスカーフを巻かれる。
「さ、これでいいだろう。着いてきな。」
「ま、待って。せめて、下着だけは穿かせて。」
「駄目だね、そいつは。お前が勝手に逃げ出せないようにするには、ノーパンじゃなくちゃな。さすがに後ろ手錠でノーパンのまま逃げていけないだろ。」
「ううっ、酷いわ。」
「家の鍵はどこにある?」
「え、そのバッグの中だけど。」
「どれ。あっ、こいつか。よし。じゃ、そろそろ行こうか。そうだ。手錠の鍵はここのキッチンのテーブルの上に置いておいてやるから、帰ったら自分で外すんだな。」
男は理恵の裸足の素足にパンプスを履かせると、肩を押すようにして理恵を外に突きだす。そして理恵のハンドバッグから奪った家の鍵でしっかりと施錠してしまう。その鍵が無い限り、逃げて帰ってきても、理恵には家に入ることが出来ないのだった。
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