美剣士、凛
その3
陶玄斎は一度、由希の身体を奪おうと試みたことがあった。主が
藩主に呼び寄せられて留守の時を狙ったのだった。ひとりで湯屋か
ら戻ってくるところを納屋の戸を薄く開いて待ち伏せ、目の前を通
り過ぎるところを胸元を掴んで一気に引き寄せ、納屋の中に連れ込
んで唇を奪おうとしたのだった。一度男に抱かれてしまえば、落ち
る筈と踏んでいたのだ。
「由希どのっ。」
抱え込んだ由希の身体を引き寄せ、唇を奪おうとしたその瞬間だ
った。
「なりませぬ。陶玄斎殿。」
陶玄斎は喉仏に異物を感じた。一歩下がって、月明かりに照らさ
れていると、それは由希に逆手で握られた懐刀の切っ先であった。
慌てて由希の着流しを掴んでいた手を放すと後ろへ退いた陶玄斎で
あった。
「ぶ、ぶ、無礼を致したっ・・・。」
さすがに武家の娘であった。
「このことは無かったことに致します。しかし、二度はありませ
ぬ。」
そう言い切ると、呆然と立ち竦む陶玄斎を置いて、毅然として母
屋のほうへ立ち去っていった由希だった。
しかし、それでも陶玄斎は諦めていなかった。剣術の鍛錬に来る
皆が帰ってしまった後も度々陶玄斎は稽古をつけると言っては、道
場で二人だけになろうとした。そしていよいよ遂に稽古にかこつけ
て、由希の正体を喪わせることに成功したのだった。
ひと気のない納屋の奥の藁束の上に、陶玄斎はぐったりした由希
の身体を横たえさせる。頭のほうからゆっくり降ろしていった為に
袴の裾が大きく肌蹴け、踝から膝頭のすぐ上の腿までが露わになっ
た。為されるがままの由希の下肢を大きく広げさせると、その間に
しゃがみ込み、胴衣の帯を解いてゆく。袴を下ろしてしまうと、そ
の下に纏った兵児帯が露わになる。腰巻ではなく、稽古の際にはい
つも由希は女物の小さめの兵児帯を締めていると陶玄斎は嘗て湯屋
を覗いた際に見てしっていた。その帯も緩めてしまう。
目の前の美女のあられもない姿に、陶玄斎はすでにおのれの下腹
部に怒張を感じていた。
自らの帯と褌を片手で解くと、女の前に仁王立ちになる。その股間
のものは高々と天を向いて屹立していた。
陶玄斎は傍らの油壺を掴み取ると、自らの屹立した摩羅に垂らし
こんでゆく。さすがに生娘の処女を奪うのに、気絶したまま潤んで
いない女陰(ほと)をいきなり攻めるのは難しいとは心得ている。
由希の兵児帯を脇に除けると、薄い繊毛の下に可憐な膨らみをもつ
割れ目が露わにされる。その割れ目の間にも油を垂らし込んでゆく。
由希の恥部が油に濡れて、てらてら光り、陶玄斎は否が応でもそそ
られる。
「由希どの。それでは、いただきますぞ。」
陶玄斎が腰を落として、油にまみれた肉棒を突きたてようとした
将にその時だった。
「誰だ。そこで何をしておるっ。」
続き